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ターンテーブルとふたり

夕飯後にコウは部屋の照明をは少し落とした。室内の空気を甘やかにさせてゆく。食器の片付けと寝支度を済ませた彼は彼女を抱き寄せ髪の匂いに鼻を埋めていた。こうしていれば敬遠しているクラシックどころか何でも聴いていたい。

あいつはハードロックは耳が痛くてつらいらしいが、ジャズならまだいいという。コルトレーンのサックスで、この深い夜に沈もう。

朝が来た。俺が用意した飯を旨そうに食うお前を見つめる。コウちゃん、ジャズのレコードも家に少しならあると思うからまた持ってくるね。

…おう。アコースティックやフラメンコギターでもいいぞ。