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笹の葉捨てずにとっておく

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この葉っぱは嫌いだし食べないで捨てておこう。でも、そういう葉っぱにこそ自分に必要な栄養があったりするから。内側の自分と向き合うエッセイ。
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#振り返りnote

写真を嫌がる理由

写真を嫌がる理由

初めて携帯を持つことができたのは、中学3年生の時でした。携帯って聞くとiPhoneやAndroidを思い浮かべる人がほとんどじゃないですか?当時の僕が持っていたのはいわゆるキッズ携帯です。少しいい家庭の小学生が防犯ブザーとして持っていたあれ。十字キーと4つのボタンしかない、本当に純粋な連絡手段としての携帯を、夕方の塾終わりにだけ親に使わせてもらっていました。

高校に入学するときに初めてAndro

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夜に駆ける

夜に駆ける

夜の10㎞ランニングを再開した。温泉の鏡に映った自分の全身に曲線が多くて、どこか情けなかった。去年の健康診断の時よりも1㎏増えていた。現状のままではダサい自分が加速していくかもしれない。そんな自分を許せるほどの余裕はなかった。

ランニングの前に準備運動と軽い筋トレで心と体を整える。腕立て伏せも腹筋も、すべてが苦しい。ここまで弱っていたのかと悲しくなるし、こんなにできなくなったのかと辛くなる。でも

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素数

素数

生きづらいなぁ、の毎日を綴り続けている。皆のようなスピードで物事を理解することができない。自分の考えを言葉に変換して端的に説明することも苦手。不器用で、人見知りで、要領が悪い。

人に頼ることも苦手だから、自分一人で抱え込む。でも限度があるからいつかは倒れてしまう。落とした荷物を拾いあげる度にそんな自分が嫌になる。今までいろいろ諦めてきたはずなのに。

人の五倍頑張ってようやく凡人レベルかな。頑張

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言うてな

言うてな

 スマホのメモを整理していると、いつ書いたのかわからない映画の感想文が出てきた。メモの容量を減らさないといけないので、変なタイミングですがせっかくなのでここに残しておこうと思います。

1.「社会に出るってことは、お風呂に入るってことなの。」

広告代理店でバリバリ働く絹の両親・早智子(戸田恵子)と芳明(岩松了)が、就職もせずフリーターのまま同棲生活を続ける絹(有村架純)と麦(菅田将暉)に言い放っ

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20th anniversary

20th anniversary

 20歳。大人。twelve?いやいやtwenty。「もう大人だよ」なんてカレンダーに言われても実感がない。事実なのに。感覚も意識も記憶もピースの足りないパズルのよう。「4月に成人迎えたじゃねえか!」と言われたらそこまで。でも酒と煙草は今日から。どちらも嗜む予定はない。お酒を飲むなら最初は両親がいいななんて思う。

 地球へ出てきてはや20年。早いか遅いかは個人の感覚だから多少の差異がある。ぼくに

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剣道人

剣道人

 小3から高3の約10年間、ぼくは剣道をしていた。剣道をやっていたからこそ今の自分があり、心や体が成長できたと思っている。剣道というフィルターを通してみてきた人や環境のことを、少しだけ文章にしてみる。

 ぼくは”剣道”というものに対して、「どうやったら上達できるか、自分が楽しくできるか」ということを第一に取り組んできた。その時々で「○○優勝、○○大会出場」という目標は掲げてはいた。けれどもぼくは

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”楽“に気づいたあの日

”楽“に気づいたあの日

 小学生時代で覚えていることが一つある。昼休みの時間だ。昼休みになると、暑い寒いなんて関係なく友達と校庭で遊んでいた。ドッジボールや鬼ごっこ、時には縄跳びなどもしていた。校庭には推定樹齢が130歳になるクスノキがあったので大きな木陰があり、涼しい場所もあった。

 タイトルの通り「“楽”に気づいたあの日」というのは、月に一回ほどあった”クラスのみんなで遊ぶ日”のことだ。他所の学校でもあったのか、う

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知ってると思ってたら知らないことがあって

知ってると思ってたら知らないことがあって

すっかり寒くなった。服装での体温調整がうまくいかず、喉を痛めてしまったので、のど飴を買った。のど飴でのどの調子が良くなるかはわからないが、何もしないよりはいい気がして。

のど飴もいろんな種類があってどれにしようか悩んだけど、フルーツのど飴に心惹かれて、フルーツのど飴にした。ピーチ・オレンジ・レモン・青りんご・グレープ、味の種類が豊富だったのも決め手。でもグレープやオレンジの味が好みなので、後半は

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優しいあの子

優しいあの子

大事なものは遠くに行ってからその大切さに気づく。気づいた頃にはもう遅いのに。

その子のことは好きだったけれど、それ以上に尊敬の気持ちが大きかった。好きという気持ちを抱いていたことには気づいていたけど、どこか恥ずかしくて、そんなわけないだろと自分の気持ちに蓋をしていたのかもしれない。

幼稚園の年中から小学6年生までスイミングスクールに通っていた。才能の有無は別として、進級テストの一級は取れるくら

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泣く=悔しいのその先にある感情

泣く=悔しいのその先にある感情

ぼくは基本的に泣かない。部活の最後の大会でさえも涙を流すことはなかった。ふと思うことがある。「ぼくはドライな人間なのだろうか」。

ぼくは、試合に負けて泣いているやつの心情がよくわからなかった。「なんで泣いてるの」と聞いたことがある。大概のやつらはみなこう言った。「試合に負けて悔しいから」。

百歩譲って、試合に負けて悔しいということは理解できる。自分、或いはチームの目標として掲げていたものにたど

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友情や信頼という花束

友情や信頼という花束

ふと、その言葉を思い出した。

「○○君ってさ、話しかけんなよって目をしてるよね」

この言葉に学生時代のぼくが一言で表されている。同じクラスの女子に言われた一言。その時は「そうかな?」と適当に流したものの、心の中では核心を突かれた気がしてならなかった。

ぼくは、基本的に1人でいることが好きな人間だ。後は気の合う友達が何人かいればそれで十分だと思っている。人と関わることが苦手なこともあって、いつ

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