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お腹は弱いし夏は苦手だけど、ミニかき氷なら食べたくなるもので。
夏に食べたくなる食べ物といえば?と問えば3人目あたりで「かき氷」と上がるのではないのだろうか。
うだるような夏に体が欲する氷菓。夏祭りの定番メニューとしても昔から親しまれているし、近年では氷やシロップにこだわった高価格帯の贅沢なかき氷も人気だ。最近はスイーツ系の催事場で普段はケーキを作っているパティシエがかき氷を作ることもめずらしくない。
今やかき氷は夏以外にも食べられる場所があるくらい、食の
「冥界ラジオ」ep4 :地獄で踊ろう|創作大賞2024
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老婆の手のようにしなる木に腰をかける。平地にいた時より少し目線が高くなり、山と川以外が何もない景色を見下ろした。枯れ果てたさびしい土地だが、悲しいかなニムラにとっては見慣れた景色になっていた。木の下に座って構えるケンエオウはただ一心に遠くの方を見つめていた。
その横顔を見ていたニムラは、何度かタイミングを図りながらケンエオウに問いかけた。
「ねえ、
「冥界ラジオ」ep3:悩める地獄の隣人よ|創作大賞2024
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ニムラの様子がおかしい。
おそらく原因は昨日飲んで帰ってきたという地獄カクテルのせいだろう。飲む者に地獄を見せるという、この世界の特殊な製法で作られたカクテルは、自分は飲んだことがないが、飲めば堪え難い絶望にのたうち回ることで知られている。自分の抱える地獄が体の中を巡っていつまでも消えないというのはなかなかに気が狂いそうだ。
はたしてこいつはどんな
「冥界ラジオ」ep2 :地獄へようこそ|創作大賞2024
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ビュービューと肌を刺すような冷たい風が吹き荒れる。鼻水までも凍るのでは無いかと思わせられるくらいに厳しい寒さだ。
ここが現世なら近隣でカフェでも探して温かい飲み物でも頼みたいところだが、あいにく地獄にはそんなものはない。せめて日の光でもあればと思うけど、空は相変わらずグレーで、この分厚い雲間から太陽が覗くことはないだろう。
ニムラは少しでも暖を取ろうと、着てい
「冥界ラジオ」ep1:あなたの地獄を聞かせて|創作大賞2024
エピローグ
暗い部屋、床に転がったままの私。
気持ちが落ちてる時は暗い部屋にも低い位置にもいてはいけないってどこかの誰かが言ってたっけ。分かっているのに、体が鉛のように動かない。せめてお腹に何か入れなければ、余計に悪くなる。
そもそも、何時間こうしているんだっけ。
閉ざされた部屋で、地の底にひとり残された感覚。気力が湧かなくて、でも現実と向き合う余力もなくて。何かをしていないと気持ちが落ち着
老舗せんべい店の新たな挑戦〈おかきの量り売り〉イベントレポート
おせんべいが好きな人も、人から貰わないと食べないなって人にもちょっと聞いてほしい老舗おせんべい屋さんのイベントの話がある。
めずらしくて、楽しくて、おいしく食べながらSDGSにも貢献できる。創業100年を迎えてもなお挑戦をし続けるおせんべい屋さんの話だ。
2024年1月。東京都の上板橋に本社を構える中央軒煎餅が三日間にわたり「gram Kakeccoグラムカケッコ」なる、おかきの量り売りポップ
おやつを蓄え家篭り、そしてはじまる新しい年
あたらしい年、2024年が始まって数週間が経ちました。
毎年思うことですが、三が日が明けてからの日の経ちかたはあっという間で早いものですね。
すべてが0からはじまると思うと背筋が伸びる気持ちもありつつ、これからまた日々を重ねていかねばいけないと思うと、少し気が重くなったりもしたり。まあそんな感情も当たり前にあるよね、ということで、今年もそれなりにやっていけるように、日々少しずつ精進できればと思
私の偏愛おやつキロク|第1回 お菓子の包み
小腹が空いた時につい手が伸びるおせんべい、ゆっくりとお茶と一緒にたのしみたい焼き菓子、おうちで映画を見る時には欠かせないスナック菓子。
普段食べるおやつも
とっておきの日に開けたくなるようなおやつも
同じように愛している。
わたしの生活の必需品はおやつだ。
見ると心がコトリと動いて、食べると元気をもらえる。無くても生きていけるけど、あると生活に彩りが増える。
安まるときも、悲しみに暮れると
わたしを守る、健やかに生きていくために必要なもの
生きていくうえで、生活を続けていくうえで、必要なもの。軸になるもの。これがあれば「大丈夫」な自分でいられるもの。
このものさえあれば、この人さえいれば、はたまたこの時間さえあれば。
それは家族や恋人という他者だったり、熱を捧げる趣味や仕事だったり、人によって答えは様々だ。選び取ったものの背景にはその人の価値観やバックボーンも深く関わっているだろう。
大なり小なり膨大な選択をし続けていく日々の