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『阪大生の宣言文4』刊行

『阪大生の宣言文4』刊行

大阪大学の学生の宣言文第4弾『阪大生の宣言文4:“共生”に関心を持つ38人の学生が目指す社会』が刊行されました。

監修 稲場圭信
編集協力 大原理彩子、
安達夢乃、大野裕貴、中丸萌、松永凌太朗、溝口晴友、森弘樹
Amazon Kindle版 2024年4月

「他の人たちの個人ステイトメントを聞いて、すごく刺激を受けた。みんな何かしらに問題意識をもって自分にできることを考えてそれを共有できたこの

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『阪大生の宣言文3』刊行

『阪大生の宣言文3』刊行

大阪大学の学生の宣言文の第3弾『阪大生の宣言文3:“共生”に関心を持つ35人の学生が目指す社会』が刊行されました。

監修 稲場圭信
編集協力 辻和花、神谷侑希、森嶋里穂、油井健之祐
Amazon Kindle版 2023年6月
Amazon Services International, Inc.

 これらはこの3年間に「共生社会論」の授業を受けた学生の声です。大阪大学の学生は、何を学び、社会

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大阪大学の学生の宣言文の第2弾『阪大生の宣言文2』刊行

大阪大学の学生の宣言文の第2弾『阪大生の宣言文2』刊行

 大阪大学の学生の宣言文の第2弾が刊行されました。

 これらは、この宣言文に取り組んだ大阪大学の学生たちの声です。阪大生は、何を学び、社会をどのように見ているのでしょうか。

 『阪大生の宣言文2:今を生きる学生の目指す社会』その思いが皆様の心にも響くことを願っています。

 本書の収益は社会貢献に使わせて頂きます。たとえ少額でもそれを社会貢献に活用するということで、授業で学生たちが考えた利他の

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つながる知と知の響き合い 『MIRATUKU FORUM ARCHIVES 2016-2019 ミラツクが500人と考えた未来のこと つながる知と知の響き合い』

つながる知と知の響き合い 『MIRATUKU FORUM ARCHIVES 2016-2019 ミラツクが500人と考えた未来のこと つながる知と知の響き合い』

 さすが、ミラツク! 素敵な装丁の素晴らしい本が刊行されました。

紹介文を書こうかと思ったら、以下にすでにありました。

さすが、写真も素晴らしい。光の入り方で、この本の装丁の美しさがさらに際立っています。

 私も2019年12月にフォーラムに参加しました。それが本書の中に収められています。

・稲場圭信、杉下智彦、内野加奈子、佐分利応貴「未来をより良くしていくために。社会の盲点とどう関係性を

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ネット世界だけでは無理。多様な意見、異なる価値観に出会い、共同作業をする場が必要。

ネット世界だけでは無理。多様な意見、異なる価値観に出会い、共同作業をする場が必要。

 現代の日本社会に「分断」はあるのか。あるとすればどのような意味で、どのような形で私たちの生きる社会に存在し、影響を与えているのか。11月、インターネットの影響力を研究する社会学者、社会心理学者が『ネット社会と民主主義~「分断」問題を調査データから検証する』(辻大介編、有斐閣)を上梓した。

 インターネットが民主主義の分断を促進するように作用しているのか。同書では、2019年に実施した全国調査と

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『阪大生の宣言文 今を生きる学生の目指す社会』収益寄付報告

『阪大生の宣言文 今を生きる学生の目指す社会』収益寄付報告

『阪大生の宣言文 今を生きる学生の目指す社会』をご購入くださった皆さま、ありがとうございました。

「想像以上にこの世の中には優しさに溢れており、その優しさに気がつくことができてよかった」「普段の生活では聞くことのできない個々の決意を知ることができて、大学で学ぶ面白さを改めて実感」、「みんなが思い描く社会が実現したらどんなに素敵な社会になるのだろう」、「自分のやりたいこと大事にしたいことを話し聴く

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【note】情報社会の歩き方

【note】情報社会の歩き方

 私は学生時代から、文房具にこだわりがあり、知的生産の方法論も渉猟してきました。古いですが、以下にも影響を受けた時期があります。

 しかし、最近では、音声入力も当たり前。時代が変わりましたね。

 私は、かつては、vzeditoerやgrepを日常的に活用していました。

その後、情報収集、知的生産の技術のツールとして、SugarSyncやEvernoteも有料のヘビーユーザーとして毎日使用して

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洪水がすべてを奪った

洪水がすべてを奪った

大きな物音がすると、心が引き裂かれるようで耐えられません。自信をすっかり失ってしまったようです。独りになるのが怖いのです。嵐も怖い。悪夢を見ます。以前の自分とは別人のようです……。

 これは、『そこにすべてがあった  バッファロー・クリーク洪水と集合的トラウマの社会学』に出てくる被災者の言葉だ(同書, p.152)。

 本書は社会学の災害研究において古典とも言える1976年に刊行されたEver

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関係人口 ~ 課題ではない、がんばっている人、ワクワク感が生み出すつながり ~

関係人口 ~ 課題ではない、がんばっている人、ワクワク感が生み出すつながり ~

 「地域に住む人が減ったら、地域は再生できないのか。地域に暮らすからこそ、伝えられることがある。」

 『関係人口の社会学』を2021年春に上梓した田中輝美さん(大阪大学大学院人間科学研究科卒、島根県立大学地域政策学部准教授)が、7月23日「えひめ南予きずな博プロローグ企画 がいなんよ大学 in のむら オンライン」で「関係人口と地域づくり」と題して講演した。

 西日本豪雨で被災した愛媛県西予市

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答責性はどこにあるのか。コミュニケーション不在の今。

答責性はどこにあるのか。コミュニケーション不在の今。

 説明責任、答責性が求められる時代だ。やっかいなことではない。要はコミュニケーションである。一方通行の説教ではなく、傾聴も含めた人間的な交流が必要だ。分断の超克には、コミュニケーションを通じて社会的合理性を構築していく地道な取り組みが必要なのである。

 今、東京五輪・パラリンピックの開催をめぐって政府、専門家、国民の中に分断が生じている。国民の間では「開催する」50%、「中止する」48%で世論が

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『“研究者失格”のわたしが阪大でいっちゃんおもろい教授になるまで』

『“研究者失格”のわたしが阪大でいっちゃんおもろい教授になるまで』

 大阪大学大学院人間科学研究科の共生社会論で一緒の千葉泉教授の御著書『“研究者失格”のわたしが阪大でいっちゃんおもろい教授になるまで』

2020年春に刊行されました。2020年12月3日、朝日新聞朝刊に紹介、取材記事が掲載されました。残念ながら署名記事なのでこちらには掲載できません。かわりにと言っては何ですが、おなじ講座の同僚として私の感想を書きます。

 千葉泉先生は、苦悩しながら自分の弱みを

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なぜ変われないのか

なぜ変われないのか

 今まさに読むべき1冊だ。山本七平は、イザヤ・ベンダサンの名前で出版した『日本人とユダヤ人』がベストセラーになり知られるようになった。『「空気」の研究』や『日本人とは何か』など日本人論を展開した。本書『なぜ日本は変われないのか 日本型民主主義の構造』は、1975年から1976年にわたって連載された「日本型民主主義の構造」を編集して、2011年に一冊の本として刊行されたものである。今から45年も前の

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「助かる」【note】で社会貢献にチャレンジ #利他のエバンジェリスト

「助かる」【note】で社会貢献にチャレンジ #利他のエバンジェリスト

 近年頻発する大災害時のみならず、平常時の支え合いにおいて、自助・共助・公助が大切という認識は広がっている。地域の支え合いの仕組み、地域包括ケアシステムをうまく機能せるには、誰が(主体)、誰を(客体)「助ける」のかを明確にすることが大事だとされる。
 「助ける」は他動詞で、誰かが誰かを「助ける」ということになる。「助けて」もらった受け手としては、「助かる」(自動詞)ことになるわけだが、直接的な誰か

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「ボランティア、利他主義、絆の気づき」【note】で社会貢献にチャレンジ #利他のエバンジェリスト

「ボランティア、利他主義、絆の気づき」【note】で社会貢献にチャレンジ #利他のエバンジェリスト

 ボランティアであるということは、喧伝されるような自己実現や生活の充実という面だけでなく、潜在的に傷つきやすい面を内包しています。正義感や責任感から燃えつきてしまう人や理想と現実の乖離に悩まされる人も多いです。そのようなボランティア活動を継続する上で、仲間の存在、人と人との絆が重要です。

 パラドキシカルですが、むしろ個人の自発性やニーズと他者のそれらとの出会い、折衝、調和というようなプロセスを

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