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動物の問題

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#動物

ヴィーガン・ベジタリアンの人権——アンケート調査結果② 知られていない苦悩編  【ゲスト:ASー動物の倫理と哲学のメディア】

ヴィーガン・ベジタリアンの人権——アンケート調査結果② 知られていない苦悩編  【ゲスト:ASー動物の倫理と哲学のメディア】

*①の続きです。

ヴィーガン・ベジタリアンの抱える苦痛
——ではアンケートの後半を見ていきましょう。

今も話が出たように、“偉そうな存在”みたいに見られがちなヴィーガンですけども、普段どれくらい我々ヴィーガンやベジタリアンが苦しんでるかということって、一般の人に全然知られていないと思うんです。今回はぜひ、わたしたちがどういったところで苦しんでいるのかを明らかにしていきたいと思います。

まず、

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ヴィーガン・ベジタリアンの人権——アンケート調査結果① 悩みごと&トラブル編 【ゲスト:ASー動物と倫理と哲学のメディア】

ヴィーガン・ベジタリアンの人権——アンケート調査結果① 悩みごと&トラブル編 【ゲスト:ASー動物と倫理と哲学のメディア】

動物問題連続座談会第5回目。これまでさまざまな問題や運動の様子をみてきましたが、運動をやる上で、活動家のバーンアウト(燃え尽き)というものが大きな障害になっているということも見えて来ました。ヴィーガン・ベジタリアンは今の日本社会では超マイノリティ。その人権を向上させるということも、動物の運動を促進する上で重要なのではないか。それと同時に、ベジタリアンやヴィーガンに興味を持ちながらも実現できていない

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世界の動物運動から④アジア諸国での比較【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から④アジア諸国での比較【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*③の続きです。

運動と資金の問題

生田 活動とお金の問題は非常に大きな問題だと思います。僕は主に野宿者ネットワークで活動しているんですが、基本的に全部ボランティアです。寄付の他は、寝袋を買うための助成金を取ったこともあるぐらいで、活動は無給です。これはいい面も悪い面もあって、もらうお金がないと、紐がつかないので自由にできる。行政への批判とかは気にせずできる。一方で、フルタイムで活動することが

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世界の動物運動から③カナダ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から③カナダ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*②の続きです。

批判的動物研究

——では次にかほさん、ヴィーガンになった理由や、活動の経験について教えてください。

かほ わたしは日本の岐阜県で生まれ育って、高校を卒業後にカナダに留学して、それからずっとカナダに住んでいます。ヴィーガンになった大きなきっかけは、学部生のときに社会学を専攻していたんですけど、社会学ではいろんな社会問題を扱うので、人種差別や性差別、資本主義や植民地主義によって

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世界の動物運動から①アメリカ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から①アメリカ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

動物問題連続座段階第4回目。今回は世界の動物運動を知るために、海外での活動経験豊富なアニマル・アライアンス・アジアの方々にゲストに来ていただきました。アメリカ、イギリス、カナダやアジア7カ国(+ちょっとスペイン)と、日本での活動を比較し、どういった運動が効果的か、日本にはどのような問題があるかなどを議論していきます。

※動画の内容を一部、加筆・修正しています。

アニマル・アライアンス・アジアの

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動物園を考える③ わたしたちは動物の何を見ているのか? 【ゲスト:佐藤栄記さん(動物ジャーナリスト)】

動物園を考える③ わたしたちは動物の何を見ているのか? 【ゲスト:佐藤栄記さん(動物ジャーナリスト)】

*②の続きです。

※動画の内容を一部、加筆・修正しています。
   

戦争のプロパガンダに利用された動物たち——平和外交としてのパンダ

——動物たちに芸をさせるというのもグロテスクですよね。まるで楽しんでやってるかのように演出されてしまって。

栗田 今日の映画『かわいそうな象を知っていますか』の最初で、当時は象に「バンザイ」をさせていた、というのがいろいろ象徴していると思いました。人間の社

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動物園を考える② 【ゲスト:佐藤栄記さん(動物ジャーナリスト)】——動物にまつわる思い込み

動物園を考える② 【ゲスト:佐藤栄記さん(動物ジャーナリスト)】——動物にまつわる思い込み

※ ①のつづきです。

※動画の内容を一部、加筆・修正しています。
   

動物園の新しいとりくみ——人間主体から動物主体に

——動物園のように、常に人間に見られているような状態というのは、野生動物たちにとってストレスになるんでしょうか?

佐藤 もちろんなります。有名なのは、日本で最初にパンダ(カンカンとランラン)がきた時は、すごい熱狂の中でぜーぜー言っちゃってたらしいです。最初からそういう

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動物園を考える①【ゲスト:佐藤栄記さん(動物ジャーナリスト)】——動物たちの本来の生態、動物園の歴史

動物園を考える①【ゲスト:佐藤栄記さん(動物ジャーナリスト)】——動物たちの本来の生態、動物園の歴史

2023年下半期からはじめたシリーズ「動物問題連続座談会」。第3回目は、ドキュメンタリー映画『かわいそうな象を知っていますか』上映会を開催し、この映画の監督であり動物ジャーナリストである佐藤栄記さんをアフタートークにお呼びしました。レギュラーメンバーとともに、動物たちの生態と動物園の実際、動物園と教育との結びつき、植民地主義との類似性など、動物園のあり方についてとことん議論しています。

※動画の

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動物から考える日本の暴力構造③前半 日本が遅れている理由もろもろ 【ゲスト:アニマルライツセンター】

動物から考える日本の暴力構造③前半 日本が遅れている理由もろもろ 【ゲスト:アニマルライツセンター】

2023年下半期からはじめたシリーズ「動物問題連続座談会」。第2回目は、実際に日本の動物たちの現状を大きく変えてきたNPO法人アニマルライツセンターより、代表の岡田千尋さん・スタッフの鈴木萌さんをゲストにお呼びし、日本における動物の扱いにはどういった問題があるのか、また、それらがハラスメント運動・野宿者支援・フェミニズムなどとどういった共通点や差異があるかを比較しながら、日本の暴力の構造的な問題に

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動物から考える日本の暴力構造②【前半】 日本のアニマルウェルフェア各論1——アップデートしようとしない国 【ゲスト:アニマルライツセンター】

動物から考える日本の暴力構造②【前半】 日本のアニマルウェルフェア各論1——アップデートしようとしない国 【ゲスト:アニマルライツセンター】

2023年下半期からはじめたシリーズ「動物問題連続座談会」。第2回目は、実際に日本の動物たちの現状を大きく変えてきたNPO法人アニマルライツセンターより、代表の岡田千尋さん・スタッフの鈴木萌さんをゲストにお呼びし、日本における動物の扱いにはどういった問題があるのか、また、それらがハラスメント運動・野宿者支援・フェミニズムなどとどういった共通点や差異があるかを比較しながら、日本の暴力の構造的な問題に

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12/10(日) 18時〜 オンライン映画上映会を開催します!

12/10(日) 18時〜 オンライン映画上映会を開催します!

12月10日18:00〜より、動物ジャーナリストの佐藤栄記監督をゲストにお招きし、ドキュメンタリー映画『かわいそうな象を知っていますか』の上映会を行います!

アフタートークには、「動物から考える社会運動」のシリーズに引き続き、栗田隆子さん・生田武志さんも出られます。

ぜひご参加くださーい

動物から考える社会運動⑨まとめ!

動物から考える社会運動⑨まとめ!

わたしたちはなぜハラスメント運動/野宿者支援をしながら動物の運動をするのか?——動物問題連続座談会の一回目第9弾。野宿者支援・労働運動など複数の問題に携わってこられた活動家の生田武志さん・栗田隆子さんをゲストにお呼びし、交差的な運動についての議論を深めていきます。

動物問題にかかわる漫画あれこれ
深沢 日本も漫画では畜産の問題というか、「生き物を食べる」ということについて問題提起するような作品は

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動物から考える社会運動⑧動物問題と交差性

動物から考える社会運動⑧動物問題と交差性

わたしたちはなぜハラスメント運動/野宿者支援をしながら動物の運動をするのか?——動物問題連続座談会の一回目第8弾。野宿者支援・労働運動など複数の問題に携わってこられた活動家の生田武志さん・栗田隆子さんをゲストにお呼びし、交差的な運動についての議論を深めていきます。

交差性(Intersectionality)ってなに?——ハラスメントと動物の問題、一見全然関係がなさそうで、重なる部分もあるという

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動物問題連続座談会第1回 動物から考える社会運動―なぜわたしたちはハラスメント運動/野宿者支援をしながら動物の運動をするのか? ①動物問題への入り方

動物問題連続座談会第1回 動物から考える社会運動―なぜわたしたちはハラスメント運動/野宿者支援をしながら動物の運動をするのか? ①動物問題への入り方

大学のハラスメントを看過しない会は、大学におけるハラスメントの問題を発端に2020年に形成された団体ですが、実は立ち上げ当初から、この団体で動物の運動もやることを決めていました。なぜ、ハラスメントなどの人権問題が動物問題とも関係があるのか、その理由なども含め、野宿者支援・労働運動など複数の問題に携わってこられた活動家の生田武志さん・栗田隆子さんをゲストにお呼びし、交差的な運動についての議論を深めて

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