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ソル・ルウィットのWall Drawingの方法

ソル・ルウィットのWall Drawingの方法

ソル・ルウィット(Sol LeWitt,1928- 2007/US)
現代アートの概念芸術のアーティストだ、そして、ソル・ルウィットのミニマル・アートとコンセプチュアル・アートの位置づけに果たした役割は大きい。
ソル・ルウィットの作品は、そのインテリジェンス(知性)に基づいてアイデアをまとめ、それをアシスタントが作品を作成するために従う、指示のルーブリック(課題の評価指標)を確立した。その流れは、

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ライナー・ルーテンベックの作品には既存の画材ない

ライナー・ルーテンベックの作品には既存の画材ない

ライナー・ルーテンベック(Reiner Ruthenbeck,1937-2016 独)
ドイツの彫刻家、そして、*コンセプトアーティスト。
当初は写真家であり、その後は、概念的な彫刻作品が多い。

1937年、フェルバート(Velbert /ドイツ)で生まれ
1956-1960年、デュッセル,ドルフ(Düsseldorf)で、フリーランスの写真家。
1962-1968年、デュッセル・ドルフ芸術アカ

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東京アダージョ-日本画家-佐藤土筆の奇妙な話

東京アダージョ-日本画家-佐藤土筆の奇妙な話

東京アダージョ-日本画家-佐藤土筆の奇妙な夢の話
その画家のアトリエの先には、アカンサスが咲いていた、それは、ギリシャ彫刻の文様にもあることを以前、伺っていた。
欧州から、大変なプロセスをへて、日本に持ち帰ったらしい・・・ただ、その時には、すでに、日本では日比谷公園には、それはあったらしいのだが・・
アトリエには、北向きの光が入る(1日を通して光量が変わらないからだ)、そして、南の庭には、そのアカ

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(今日のランド・アート)Michael HeizeのLevitated Mass(空中浮揚する塊)と奈良の石舞台古墳

(今日のランド・アート)Michael HeizeのLevitated Mass(空中浮揚する塊)と奈良の石舞台古墳

「Levitated Mass」(浮遊する塊)LACMA (Los Angeles County Museum of Art-2012年)は、ランド・アートとして、近年極めて著名だ。視覚と認識と言う概念を考える現代アートだろう。そして、それは、奈良の石舞台古墳に近似してないだろうか?

Fig.Levitated Mass

マイケル・ハイザー(Michael Heizer,1944- US)

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現代アートとその周辺文化を考える

現代アートとその周辺文化を考える

 現代アートが成立するバックグラウンドとその周辺は、不可解だが、分かりやすい世界かも知れない。
それは、現代アートの価値を論じる為には、*現代の「メディチ家」(Casa de' Medici:ルネッサンス期にイタリア・ファレンツェに於いて、その財力で芸術家を支援した)という存在のバックグラウンドで成立するという事だ。
そのバックグランドは、狭義の*アートワールド(現代アートの価値と価格)は、なん

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#1)クリストはグローバルに大規模な梱包プロジェクト等を展開した。

#1)クリストはグローバルに大規模な梱包プロジェクト等を展開した。

 包まれたライヒスターク(国会議事堂)(ベルリン,1971-95)、The Gates(ニューヨーク市,セントラルパーク,1979-2005)、梱包されたポン・ヌフ(パリ,1985)などの大規模作品で知られる。
そのクリストが、2020年5月31日、逝去された、84歳だった。
クリスト&ジャンヌ=クロードのアートエリアは何だろうと、後世に記憶される表象だろう、表象の原点についての問いかけだろう。

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トーマス・シュッテの第四の台座「Model for a Hotel」-2007

トーマス・シュッテの第四の台座「Model for a Hotel」-2007

「Model for a Hotel」(ホテルのモデル)は、ガラス彫刻だ。それは、黄色、青、赤のガラスと重量は8トン以上の21階建ての建物の建築モデル。
トーマス・シュッテの言葉(2007)「建築は、世界貿易センターのような魅力的な建物ではなく、本来の問題は、生きている都市、低価格の住宅、公園などです。」-The Guardian

トーマス・シュッテ(Thomas Schütte,1954- 独

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#2)インカ・ショニバレのバティック(ろうけつ染め)の意味

#2)インカ・ショニバレのバティック(ろうけつ染め)の意味

インカ・ショニバレ(Yinka Shonibare,1962- ):ナイジャリア系のイギリス人アーティスト。(国籍:ナイジャリア、イギリス)
絵画、彫刻、写真、インスタレーションアート、パフォーマンス他。

作品について、特筆すべきは「*バティック(Batik)」という素材だ。
鮮やかな色と奇抜な柄が特徴の綿布「*バティック(Batik)」を用いて、ヨーロッパ植民地主義時代を彷彿させる衣装をまとう

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(今日の一枚)日本画家-菊池契月の散策の空気感

(今日の一枚)日本画家-菊池契月の散策の空気感

実に爽やかだ、今の時期だろう、昭和の初めの空気感が伝わって来る、そして、モダーンだ。

Fig.散策-1934 (c)菊池契月

京都画壇の大御所である日本画家、菊池契月(きくち けいげつ)の散策は、絹本(173×173.5cm)、第15回帝展に1934年(昭和9年)の作品だ。
これを見ていると爽やかな朝の空気感を感じる、現代に通じる散策の姿であり、犬たちも、心地良さそうだ・・・
それは、スマホ

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#1)Luc Tuymans- 記憶の断片を検証する絵画

#1)Luc Tuymans- 記憶の断片を検証する絵画

リュック・タイマンス(Luc Tuymans、1958- ベルギー)
アーティストであり、映画、写真、そして、画家である。アントワープ(Antwerpen-オランダ)在住。
室内、家族写真、壁紙の模様などの日常的なものから、ホロコーストなどの歴史的事象まで、幅広い対象を描く、いわゆる概念芸術だ。
淡い色彩の絵画が多い、映画撮影(80年代)からの影響で、絵画のトリミング、クローズアップ、フレーミング

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Dave Tonge-ビジュアルアートの現在形

Dave Tonge-ビジュアルアートの現在形

Dave Tonge(デイブ・トング:Londonのフォトグラファー/映像クリエイター)
Dave Tongeは、写真と映像(ショートフィルム)でのシーンで、すでに30年以上のキャリアがある、現在進行形のアーティストだ。
当初は、映画ロケの現場での仕事等からキャリアを積み、現在では、影響あるビジュアル・アーティストの1人だ。
その作品はガーディアン(The Guardian:英国の新聞)から、ロー

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とんび(とび)の飛んでる姿を見るのが大好きなんですよ~

時には烏(カラス)に追いかけ回されたり、上空をクルクル飛んだり...と
のんびりしている感じがすきです

「眠る男」小栗康平監督

「眠る男」小栗康平監督

「眠る男」監督 小栗康平 (1996)製作:群馬県

小栗康平監督が、山間の温泉の湧く山間の町・一筋町を舞台にそこに暮らす人たちの四季を通じた日常の断片がつづられている。小栗康平監督の「泥の河」からの流れを感じる、日常の些事(さじ)を描いた、初のオリジナル脚本だ。

ストーリー(部分)
キヨジとフミの老夫婦の家には、山から転落して以来、意識不明のまま眠りつづける男、拓次(アン・ソンギ)がいる。フミ

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日本画家-小川芋銭(うせん)明治の鬼才

日本画家-小川芋銭(うせん)明治の鬼才

小川芋銭(おがわうせん、1868-1938)
日本画家・俳人。(本名は小川茂吉)
本多錦吉郎(洋画家)に洋画を学び、その後、特異な日本画の世界を展開した、その日本画は独学だ。
初期は、新聞(明治期の朝野新聞、平民新聞他)に、風刺画や、挿絵等を描いたが、その後、茨城県牛久沼、近くに住み、水辺の風物や河童をテーマに、素朴で、飄逸(ひょういつ:型にはまらずのびのびとした)な、画法だ。院展での日本画や、新

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