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80'sのショートショート 短編小説

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80's作のショートショート、短編小説を集めました!!是非、読んでみて下さいm(_ _)m♡♡♡
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#ショートショート

ショートショート「昭和 平成 令和」

ショートショート「昭和 平成 令和」

小学生の頃、突然、親父が家を出て行った。
中学生の頃、母親が男を連れて帰って来た。
俺がグレるのに、然程時間は掛からなかった。
俺は、いつの間にか、この中学の不良の長にまで、上り詰めていた。

毎日は、酷くつまらなかった。
単調で、平凡で、何もワクワクする事がなかった。
感情を持て余した俺は、ある日、バットを持ち、仲間を引き連れて、親父狩りに行く事にした。
すると、校門の前に、リーゼント頭の体育教

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ショートショート「ING」

ショートショート「ING」

ピーンポーン
ピーンポーン

玄関のチャイムが鳴り響く。
それでも、この家の住人は、出て来ない。
我々の訪問も、この家で最後だというのに…。
それにしても、この家は、古い。
レトロというべきか…。
築何年位の家だろう?

「出ないですね。中、入りましょう。」
と俺の相棒が言う。
まぁ、俺達なら、すぐに中に入れるよねなんて思っていたら、中から、この家の住人が出てきた。
「まぁまぁ、今から買い物にでも

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ショートショート「白衣」

ショートショート「白衣」

人は、思わぬ所で意図せずに、恋に落ちるものである。
その人を好きになろうとして、恋を始める人間など滅多にいない。
私は、こんな所で恋をするなどとは、全く思ってはいなかった。
田舎の外れにある、狭い狭い学習塾で…。

私の高校の白い成績表には、その教科の点数の下に、定規で丁寧に赤い線が引かれていた。
私の家族や親戚は、頭が良く、皆優秀だったので、前代未聞だった。
成績表を手渡した両親の顔は、二人して

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ショートショート「豆まき」

ショートショート「豆まき」

息子のタダシは、優しくて穏やかな性格だった。
まるで、春の平静な海みたいに…。
寄せては返す波の様に、折り目正しく、その中に一瞬の煌めきを見ていた私は、節分の時、鬼に豆を投げつけるタダシの姿を真横で見て、久しぶりに母親として、何か感じるものがあった。
あの優しい息子が、殺気立っている。
そして、物凄く怒っている。
何かに対して…。
その″何か″は、今は、明確には分からない。
恐らく。
母親の勘で、

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ショートショート「中途半端と偽者」

ショートショート「中途半端と偽者」

私とアキ先輩の出会いは、スローモーションだった。
「はい。」
と手渡された文芸本。
知り合いの大学の文化祭だった。
あまりにも暇だったので、何気なく、ついて行っただけだったのに…。
気付けば、文芸部で本を購入していたのだ。
その女の指の爪は、長くて赤かった。
歪めて笑う唇も、真っ赤だった。
私は、ゆっくり噛み締める様に文芸本を手に取った。
そして、しっかりとカバンにしまった。
それが、私とアキ先輩

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ショートショート「雨の唄」

ショートショート「雨の唄」

私は、重いランドセルをかるいながら、一人でトボトボと学校から帰っていると、登り坂、カートを押して歩いているおばあさんに出会った。
カートの上に置いているビニールの買い物袋が道路に、ずるりと落ちそうになっていたので、私が思わず手を差し出すと、おばあさんは、
「ありがとう。優しいねぇ。」
と目を細めた。
私は、ブンブンと首を横に振った。
おばあさんは、私のその姿を見て、笑っていた。

坂を登りきった所

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ショートショート「軌跡」

ショートショート「軌跡」

今、私の目の前には、誰の目にも見えない、透明な高い壁がある。
私自身が、勝手に感じている事なのだけれど。
多分、これは、きっと、いつかは乗り越えなくてはいけない″人生の壁″だ。

現在、高校二年生の私は、正直言って、自分のクラスに仲が良い友達がいない。
昼休みのお弁当タイムでは、クラスメイトの女子三人と一緒に食べているのだが、仲が良い三人は、いつも連れ立って、購買へパンを買いに行ってしまう。
弁当

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ショートショート「クリスマスの虹」

ショートショート「クリスマスの虹」

今年の冬は珍しく暖かかった。
季節というものを身も心も勘違いし始めた頃、何の足音もなく、冷え切った風が、突然冬を連れて来た。
身体に沁みた寒気が、私をハッと元の現実の世界に還したのかもしれない。
私は、最近1年間以上勤めていた会社を突然辞めた。
大卒で入社したので、現在23歳。
はっきり言う。
もう、限界だった。
若い時に見える人生は長い。
それなのに、私は、早々に躓いてしまった。
誰も褒めてくれ

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ショートショート「柿」

ショートショート「柿」

柿を見ると、私は祖母の事を思い出す。
祖母は、陽だまりの様なポカポカした心の持ち主で、いつも私の味方だった。
いとこや兄妹達の中でも、私は、かなり個性的な存在だった。
それでも何があっても、祖母は、私の味方をしてくれた。
(恐らく、出来が悪い子程、可愛いというものなのだろう…。)
私の中で、祖母は、大きな大きな存在だった。

柿は、祖母の大好物だった。
秋の季節に、祖母の家を訪ねると、祖母は、テー

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ショートショート「世にも奇妙な色々物語⑤「夜汽車に乗って」

ショートショート「世にも奇妙な色々物語⑤「夜汽車に乗って」

78歳。
この歳になると、朝、窓を開けたら差し込んでくる陽の光まで別の意味に思えてくる。
それを″希望の朝″と呼ぶのは、小学生までか…。
男やもめには、訳の分からんモンがわいてくるらしいなぁ。
昔から勉強が苦手やから、よぉ、知らんけど…。
ただ、今になって天国にいる女房の事をよく思い出す。
あの時には、分からなかった色々が、今となったら、後悔と共に押し寄せる。
ちくしょう。
わしが何したって言うん

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ショートショート「世にも奇妙な色々物語④ 占いペン」

ショートショート「世にも奇妙な色々物語④ 占いペン」

僕も、もう高校二年生になった。
まだ、ではなく、もう…だ。
そろそろ、受験勉強というものに本腰を入れなきゃならない。

この前、僕等は授業中、先生に三年寝太郎の例え話をされた。
この高校の生徒達は、まるで三年寝太郎。
一年の時には、寝ている。
二年の時にも、まだ寝ている。
三年になって、受験だと気付いて、飛び起きて勉強を始めても、もう手遅れ…。
他の高校の生徒達は、早くに受験勉強を始めているものだ

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ショートショート「世にも奇妙な色々物語③ 私が住む街」

ショートショート「世にも奇妙な色々物語③ 私が住む街」

誰も、私の事を知らない街へ行きたかった。
それが私が、この街に引っ越してきた理由。
詳しい理由は、もう忘れたいんだけど…。
会社の上司と色々あって、早い話がクビになったというだけ。
もう、お察し頂けたかしら?
どこにでもある、ありふれた…。
まぁ、よくある話でしょう?

私は、引っ越してきたアパートのベランダに出て、息を吐いた。
私が吐いた息は、真っ白になった。
冷たい風が、私の真横から強く吹きつ

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ショートショート「世にも奇妙な色々物語② ビンゴゲーム」

ショートショート「世にも奇妙な色々物語② ビンゴゲーム」

今日の空は青く、どこまでも澄み切っている。
見事な秋晴れの今日。
俺の大好きな先輩ーータケル先輩が結婚する。

タケル先輩とは、俺が大学時代、バイト先で出会った恩人だ。
仕事を教えてもらったのは勿論、人生相談、ささいな悩みすらも、聞いてもらっていた。
タケル先輩は、非常に優しく、俺にも気を遣ってくれる性格である。
だから、バイトを辞めた後でも親しい付き合いが続いていた為、タケル先輩の結婚式に招待さ

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ショートショート「世にも奇妙な色々物語① あの日、森に行った。」

ショートショート「世にも奇妙な色々物語① あの日、森に行った。」

どこの県の
どの地方にも
その土地だけの
″行っては行けない場所″というものが、必ず存在している。
決して、行っては行けない禁戒の場所。
それが、私達の田舎の場合、薄暗い森の中だった…。

「ねぇねぇ知ってる?あの森にだけは、一人で行っちゃいけないんだって!!」
小学生は、このテの話が大好きだ。
だから、勿論だけど、私達が通っている小学校にも七不思議がある。
多分、日本の全国にある学校の数だけ、七

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