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#ショートショート
ショートショート「世にも奇妙な色々物語⑤「夜汽車に乗って」
78歳。
この歳になると、朝、窓を開けたら差し込んでくる陽の光まで別の意味に思えてくる。
それを″希望の朝″と呼ぶのは、小学生までか…。
男やもめには、訳の分からんモンがわいてくるらしいなぁ。
昔から勉強が苦手やから、よぉ、知らんけど…。
ただ、今になって天国にいる女房の事をよく思い出す。
あの時には、分からなかった色々が、今となったら、後悔と共に押し寄せる。
ちくしょう。
わしが何したって言うん
ショートショート「世にも奇妙な色々物語④ 占いペン」
僕も、もう高校二年生になった。
まだ、ではなく、もう…だ。
そろそろ、受験勉強というものに本腰を入れなきゃならない。
この前、僕等は授業中、先生に三年寝太郎の例え話をされた。
この高校の生徒達は、まるで三年寝太郎。
一年の時には、寝ている。
二年の時にも、まだ寝ている。
三年になって、受験だと気付いて、飛び起きて勉強を始めても、もう手遅れ…。
他の高校の生徒達は、早くに受験勉強を始めているものだ
ショートショート「世にも奇妙な色々物語③ 私が住む街」
誰も、私の事を知らない街へ行きたかった。
それが私が、この街に引っ越してきた理由。
詳しい理由は、もう忘れたいんだけど…。
会社の上司と色々あって、早い話がクビになったというだけ。
もう、お察し頂けたかしら?
どこにでもある、ありふれた…。
まぁ、よくある話でしょう?
私は、引っ越してきたアパートのベランダに出て、息を吐いた。
私が吐いた息は、真っ白になった。
冷たい風が、私の真横から強く吹きつ
ショートショート「世にも奇妙な色々物語② ビンゴゲーム」
今日の空は青く、どこまでも澄み切っている。
見事な秋晴れの今日。
俺の大好きな先輩ーータケル先輩が結婚する。
タケル先輩とは、俺が大学時代、バイト先で出会った恩人だ。
仕事を教えてもらったのは勿論、人生相談、ささいな悩みすらも、聞いてもらっていた。
タケル先輩は、非常に優しく、俺にも気を遣ってくれる性格である。
だから、バイトを辞めた後でも親しい付き合いが続いていた為、タケル先輩の結婚式に招待さ
ショートショート「世にも奇妙な色々物語① あの日、森に行った。」
どこの県の
どの地方にも
その土地だけの
″行っては行けない場所″というものが、必ず存在している。
決して、行っては行けない禁戒の場所。
それが、私達の田舎の場合、薄暗い森の中だった…。
「ねぇねぇ知ってる?あの森にだけは、一人で行っちゃいけないんだって!!」
小学生は、このテの話が大好きだ。
だから、勿論だけど、私達が通っている小学校にも七不思議がある。
多分、日本の全国にある学校の数だけ、七