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他のnoterさんの小説で、特に良かったものです。長編は、私が名エピソードと思うものを入れました。 小説のネタになりそうな記事、書く上で必要な技術について書かれた記事も含みます。
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2024年8月の記事一覧

オレの相棒(あいぼう)第4回

オレの相棒(あいぼう)第4回

「小隊長どのーーー!

   ハチは、どこですか~!」

軍服姿の見慣れない男が、
東門から、部下たちを
後ろに連れて駆けてきた。

ここは、兵舎内にある草原。
成岡は、古びた木箱に腰を下ろし、
とある方向を指さし、

成岡「ホラッ!
   あそこにいるぞ!」

指さした方向には、
ハチが、ひとり遊びをしていた。
周りには、どの隊員もいない。

汗をハンカチで、ぬぐいながら、
軍服姿の見慣れない男

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そもそも魔王って倒さなきゃ駄目なのか?【第3章 ラスン救済編 3】

そもそも魔王って倒さなきゃ駄目なのか?【第3章 ラスン救済編 3】

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ーフィールド ラスン周辺区域ー

マサアキ
HP 76
MP 0
LV.8

ガラガラ……ッ!!
【ウマオは必死に荷車を引いている!】

「はぁ……っ!は…ぁ……!ん…ぐ…ぅ…!!」

お…おいウマオさん、流石にちょっと飛ばしすぎじゃねぇか?

あんたが潰れちゃあ元も子もねぇよ。少し位ペースを落としても……

「いや……自分なら大丈夫…っす。

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【創作長編小説】天風の剣 第138話

【創作長編小説】天風の剣 第138話

第九章 海の王
― 第138話 愚かで、無様で ―

 鉛色の空から、絶え間なく生み出される純白の結晶たち。
 炎の剣を構えたシルガーと、人間の大きさの姿の四天王パールは、空中で向かい合う。
 シルガーの瞳は、遮る雪ではなく、目の前の四天王パールを見据えていた。

「やれやれ。どうしても君は、僕を殺したいんだね」

 ふう、とパールは肩をすくめ、ため息をつく。
 パールの滑らかに輝く白い肌についた

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【創作長編小説】天風の剣 第139話

【創作長編小説】天風の剣 第139話

第九章 海の王
― 第139話 あの日の、約束 ―

 流星の中を行くように、雪が後ろへと流れていく。
 キアランと花紺青は、猛スピードで雪の降りしきる空を飛んでいた。

「花紺青っ。もっと、速度を上げられないかっ?」

「キアラン、振り落とされない? 大丈夫?」

「ああ! 私は平気だ! もっと、速く……!」

 速く、と思った。雪が全身を打ち付ける。痛いほどの冷たさに痺れる皮膚を、熱い血潮が鼓

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