カンナユウタ

塾講師です。 作詞作曲が趣味でした。 そして書くことが好きで、 また少しづつやりたいこ…

カンナユウタ

塾講師です。 作詞作曲が趣味でした。 そして書くことが好きで、 また少しづつやりたいことを取り戻そうと、ゆるく生きています。

記事一覧

あんなに熱中していたことをやらなくなってしまったって話

昔あんなに熱中していたことも なんだかすっかりやらなくなった なんてことはよくあること。 自分も数十年間続けてきた趣味を 父が亡くなったのをきっかけに ぱったりとや…

カンナユウタ
1か月前
13

あれが僕にとってロックが本当に面白かった時期なのかもしれないって話

1980年代の前半は、僕にとって 目まぐるしいことのオンパレードだった。 まず、当時中学生だった僕は、 びっくりするほどのド田舎で 友人とハードロックバンドを結成して …

カンナユウタ
1か月前
13

「これが自分のロックの芽生えなのかも」って話

小学生の頃の話だけにおぼろげなのだが、 きっとこれが自分にとっての ROCKの目覚めだったのかも…って話。 僕が初めて買ったレコードは、 「太陽にほえろ!」。 このレコ…

カンナユウタ
2か月前
14

「次の駅へ!」

僕の住んでいたド田舎の町には、 それでもローカル線が通っている。 1時間に1本から2本はあり、 住んでいた頃は特に不便を 感じることはなかった。 心配になるほどギシギシ…

カンナユウタ
2か月前
11

「たいして音楽が好きじゃない人」って言われちゃった話

あれは大学生の頃だろうか、 「レコードやCDを買うほど好きな  ミュージシャン」について 友人たちと話をしたことがある。 要するにレコードやCDを沢山買う人 のほうが音…

カンナユウタ
2か月前
55

ディストーションでギャァァーン

僕が中学生の頃はニューミュージックが 全盛で、ヒットチャートの約半分は ニューミュージック系のミュージシャン が占めていた。 このミュージシャンたちが宣伝した アコ…

カンナユウタ
2か月前
16

アリスとジューダス・プリースト   その5

放課後、教室で結果を待っていた僕たちに 職員会議が終わった先生から朗報が舞い込んだ。 「バンド、やってもいいってよ。」 話を聞くと、どうやら会議では 吹奏楽部以外に…

カンナユウタ
3か月前
6

アリスとジューダス・プリースト  その4

僕たちのバンドは、少しずつ ロックバンドに変容していった。 何より僕にとって大きかった変化は、 裕がバンドを抜けたことだった。 その頃の彼は、あまり人前に出ることを…

カンナユウタ
3か月前
6

思いがけない収穫?

ほとんどリサーチもしないで         「note」に飛び込んで 手探りで書いていますが、 レイアウトやら画像の貼り付けやら わからないことだらけです。 まぁわから…

カンナユウタ
3か月前
5

アリスとジューダスプリースト その3

その日僕たちは黒川の家にいた。 ドラムのオサムは部活動で忙しく、 僕と裕、そして黒川の3人だったと思う。 黒川の家は町の商店街の中にあり、 この町ではそこそこ知れた…

カンナユウタ
3か月前
8

アリスとジューダス・プリースト その2

僕たちのバンドは、その第一歩を踏み出した。 アコースティックギターとボーカルが僕と裕、 ドラムには野球部のオサム、 そしてエレキギターにイケメンの黒川だ。 4人の興…

カンナユウタ
3か月前
8

自己紹介

突然noteに書き込むことを決めた。 自分でも、なぜそうしたのかは うまく説明できないが、 もう十分歳をとったことで、 何かしら書き残しておこうと思ったようだ。 思い返…

カンナユウタ
3か月前
18

アリスとジューダスプリースト 1 

時は1980年代前半、 僕は中学生だった。 あの頃の日本は、原宿の「竹の子族」が踊り狂い、 校内暴力、家庭内暴力が社会問題となっていた。 しかし、僕が住んでいた田んぼ…

カンナユウタ
3か月前
8
あんなに熱中していたことをやらなくなってしまったって話

あんなに熱中していたことをやらなくなってしまったって話

昔あんなに熱中していたことも
なんだかすっかりやらなくなった
なんてことはよくあること。
自分も数十年間続けてきた趣味を
父が亡くなったのをきっかけに
ぱったりとやらなくなってしまった。
使い古されてしまった言葉を使うと
「心にぽっかりと穴が開いた」
ってやつなのかもしれない。

父はケガと病気で身体障がい者だった。
それは自分が生まれたときから
すでにそういう状態だったので、
自分にとっては

もっとみる
あれが僕にとってロックが本当に面白かった時期なのかもしれないって話

あれが僕にとってロックが本当に面白かった時期なのかもしれないって話

1980年代の前半は、僕にとって
目まぐるしいことのオンパレードだった。

まず、当時中学生だった僕は、
びっくりするほどのド田舎で
友人とハードロックバンドを結成して
ドラマーの座に就いたことだ。
当時はNWOBHM(ニューウェイブ・
オブ・ブリティッシュ・ヘビーメタル)
のムーブメントが起き始めた頃。
それまでは「ハードロック」
と言われていた音楽が、
「ヘビーメタル」に変わっていった頃だ。

もっとみる
「これが自分のロックの芽生えなのかも」って話

「これが自分のロックの芽生えなのかも」って話

小学生の頃の話だけにおぼろげなのだが、
きっとこれが自分にとっての
ROCKの目覚めだったのかも…って話。

僕が初めて買ったレコードは、
「太陽にほえろ!」。
このレコードがそんなに欲しかったのか
というと、実際はそんなでもなかった。
でも、その当時の僕には、
自分のレコードを持つということへの
強い憧れと意味があったのだ。

ド田舎の小学生だった僕が、
いろんなことを我慢して
ようやく貯めた3

もっとみる
「次の駅へ!」

「次の駅へ!」

僕の住んでいたド田舎の町には、
それでもローカル線が通っている。
1時間に1本から2本はあり、
住んでいた頃は特に不便を
感じることはなかった。
心配になるほどギシギシ音がしたり
ボックス席に他人同士が座ることを
許さない田舎の謎ルールがあったり、
都会生活に慣れてしまった僕には、
今となっては「トホホ」なことも
数多くあるが、
それでも思い出が詰まった
愛すべきローカル線である。

2011年3

もっとみる
「たいして音楽が好きじゃない人」って言われちゃった話

「たいして音楽が好きじゃない人」って言われちゃった話

あれは大学生の頃だろうか、
「レコードやCDを買うほど好きな
 ミュージシャン」について
友人たちと話をしたことがある。
要するにレコードやCDを沢山買う人
のほうが音楽好きだという、
ただのマウントの取り合いなわけだが
僕はこのことにとても傷ついてしまった。

クマよけの鈴を鞄につけて登校するほど
ド田舎出身の僕が都会の大学に入学して、
友達がいない寂しさから入ったのが
バンドのサークル。
ほと

もっとみる
ディストーションでギャァァーン

ディストーションでギャァァーン

僕が中学生の頃はニューミュージックが
全盛で、ヒットチャートの約半分は
ニューミュージック系のミュージシャン
が占めていた。
このミュージシャンたちが宣伝した
アコースティックギターはバカ売れし、
僕が住んでいた、あのドドドド田舎
でさえ、ちょっとした音楽好きなら
間違いなくギターを持っていた。
「えっ!?お前が?」っていう友達が
ギターを持っていた時には
目を丸くして驚いたものだ。

ちなみにこ

もっとみる
アリスとジューダス・プリースト   その5

アリスとジューダス・プリースト   その5

放課後、教室で結果を待っていた僕たちに
職員会議が終わった先生から朗報が舞い込んだ。
「バンド、やってもいいってよ。」
話を聞くと、どうやら会議では
吹奏楽部以外には演奏させないという方向で
話がまとまりかけていたらしいのだが、
最後の最後に、校長先生が、
「生徒がやりたいことに対して、
なんでもそうやって締め付けるのは
良くないのでは?」
という一声で一転。ロックバンドの演奏を
許す方向で決まっ

もっとみる
アリスとジューダス・プリースト  その4

アリスとジューダス・プリースト  その4

僕たちのバンドは、少しずつ
ロックバンドに変容していった。
何より僕にとって大きかった変化は、
裕がバンドを抜けたことだった。
その頃の彼は、あまり人前に出ることを
好まなかったため、
それは自然なことではあったのだが、
彼と始めたバンドに彼がいないのは、
とてつもなく寂しかった。

とにかく、中学2年生の後半になると、
僕はロックバンドのボーカルに
なっていたのであった。
しかしながら、そこには

もっとみる
思いがけない収穫?

思いがけない収穫?

ほとんどリサーチもしないで        
「note」に飛び込んで
手探りで書いていますが、
レイアウトやら画像の貼り付けやら
わからないことだらけです。
まぁわからないことはわからないとして、
とりあえずはいいんです。

ですが、他の方の記事を読むと、
皆さんのレベルの高さに
自分の稚拙さと薄っぺらさを痛感します。

で、自分にもわかる記事から
いろいろ勉強してみようと思って、
音楽関係やDT

もっとみる
アリスとジューダスプリースト その3

アリスとジューダスプリースト その3

その日僕たちは黒川の家にいた。
ドラムのオサムは部活動で忙しく、
僕と裕、そして黒川の3人だったと思う。
黒川の家は町の商店街の中にあり、
この町ではそこそこ知れた自営業を営んでいたので
家というよりは、店舗兼自宅のビルだった。
僕と裕は、黒川のお母さんが持ってきてくれた
紅茶とケーキを面の前にして、
わかりやすいほどに緊張していた。
4階建ての家、きれいなお母さん、そして紅茶とケーキ
という組み

もっとみる
アリスとジューダス・プリースト その2

アリスとジューダス・プリースト その2

僕たちのバンドは、その第一歩を踏み出した。
アコースティックギターとボーカルが僕と裕、
ドラムには野球部のオサム、
そしてエレキギターにイケメンの黒川だ。
4人の興奮は見た目にわかるほどで、
休み時間や放課後にはいつも肩を寄せ合い、
顔を近づけて、ずっとバンドのことを話し合っていた。
当然レパートリーは「アリス」だった。
また、ギターの黒川のたっての希望で、
「甲斐バンド」もレパートリーに加えられ

もっとみる

自己紹介

突然noteに書き込むことを決めた。
自分でも、なぜそうしたのかは
うまく説明できないが、
もう十分歳をとったことで、
何かしら書き残しておこうと思ったようだ。

思い返せば2年前に他界した父親が、
ずいぶん前に老後の楽しみの一環として
自分史を自費出版した。
そのときは、「へぇー」くらいにしか
思っていなかったのだが、
今にして思えば、
少し父が羨ましいと思っていたように感じる。
こうやって「書

もっとみる
アリスとジューダスプリースト 1 

アリスとジューダスプリースト 1 

時は1980年代前半、
僕は中学生だった。

あの頃の日本は、原宿の「竹の子族」が踊り狂い、
校内暴力、家庭内暴力が社会問題となっていた。
しかし、僕が住んでいた田んぼと畑と山しかないような超マイナーな田舎町では、そんなことはどこ吹く風。
テレビの中の騒ぎは、まるで遠い異国の出来事のように、中学生の僕には、本当にどうにかなりそうなほど、平和で退屈な日々が繰り返されていた。

「ニューミュージック」

もっとみる