見出し画像

あんなに熱中していたことをやらなくなってしまったって話

昔あんなに熱中していたことも
なんだかすっかりやらなくなった
なんてことはよくあること。
自分も数十年間続けてきた趣味を
父が亡くなったのをきっかけに
ぱったりとやらなくなってしまった。
使い古されてしまった言葉を使うと
「心にぽっかりと穴が開いた」
ってやつなのかもしれない。

父はケガと病気で身体障がい者だった。
それは自分が生まれたときから
すでにそういう状態だったので、
自分にとっては
特に衝撃的なことでもなかった。
父は優しく、都合の悪い体を
うまく使ってなんでもする人だった。
僕はそんな父が大好きだった。
そんなこと面と向かって
言ったことはないが、
たぶん大好きだった。
自分が自営業を始めるときも
みんなが反対して、説得してくる中
父だけはただ応援してくれた。
開業したときは本当に喜んでくれた。
だから、どんなことがあっても
やめたりしないと思って、
どんなに苦しい時も踏ん張って
頑張ってきた。
父が倒れた後
もう危ないと言われてから
数年間も生きていたので、
それなりに覚悟はできていた。
だから亡くなったときは泣かなかった。
でもその後、何がどうとは言えないような
虚無感がうっすらと胸の中に
膜を張っているような感じで、
以前の自分とは違う自分のような
気がしていた。

んで、気が付くと楽器を片付けて
手に取ることはなくなっていた。
あんなに熱中していた曲作りや
宅録もやめてしまって、
友達のバンドへの誘いも断った。
さらには宅録で録ったオリジナル曲の
データをことごとく削除していた。
「そんなことあるんだ」って
自分でも思うほどあっさりとしていた。
我ながらビックリだった。
でもしばらくして
YouTubeにアップしてた数曲を発見。
noteを始めたこともあって、
以前も、こっそりアップしてみたが
今回もちょこっとアップしてみることに。

また楽器を持つことがあるのか
わからないけれど、
自分の曲を聴くことは
そんなに苦ではなくなった気がする。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?