アリスとジューダス・プリースト その4
僕たちのバンドは、少しずつ
ロックバンドに変容していった。
何より僕にとって大きかった変化は、
裕がバンドを抜けたことだった。
その頃の彼は、あまり人前に出ることを
好まなかったため、
それは自然なことではあったのだが、
彼と始めたバンドに彼がいないのは、
とてつもなく寂しかった。
とにかく、中学2年生の後半になると、
僕はロックバンドのボーカルに
なっていたのであった。
しかしながら、そこには
大きな問題があった。
僕には、ヘビーメタルの
ハイトーンの声が出なかったのだ。