見出し画像

【自己紹介】14-4 かぐや姫系男性上司が女性課長をいじめた話 国際女性デーに寄せて(後編)

昨日、「大衆が無辜の人間を殺す」という話を書きましたが、『宇宙兄弟』27巻では伊東せりかを良く思わない人間によって大衆扇動され、せりかは厳しい状況に立たされました。『宇宙兄弟』と言えばウォルター・ゲイツも嫌な奴ですね、あの意地の悪い顔、かぐや姫課長に似てるかもしれません。
ラジオのアーカイブでアカデミー賞受賞『君たちはどう生きるか』の批評を聞いていたら、「戯画化されたインコが愚かな大衆として描かれているので、インコ好き界隈に波紋を投げかけた」と話されていました(2023年8月29日ライムスター宇多丸「アフター6ジャンクション2」)。
確かに。くらたが3つ挙げた劇団四季のミュージカルより、よっぽど悪意を持って描かれていた。さすが宮﨑駿先生。

さて。今日、やっと終わります!
毎日毎日、公共の場に怨嗟をアップし続けてしまい、申し訳ありませんでした。でも、誰かが語らなければ消えて行ってしまう、くらたの、シンデレラ課長の、あのとき理不尽な屈辱を味わったすべての人の、怒りや悔しさの供養に、少しでもなればと願います。
14-1前編14-2中編14-3中編の続きに引き続き、お目汚しでございます。
気の向いた方だけ、お付き合いくださいませ。


「これはフィクションです」

くどいようですが改めて。
この日本のどこかにいるくらたというIQ125のアラフォーと、かぐや姫っぽい上司を描いた「フィクション」です。

また例によって、この記事が消される時が来たら、何かあったのだなとご賢察のうえ、ご寛容をお願いいたします。

パワハラ通報部門も知り合いの管理職も、まあ役立たず

いじめの最中、くらたはパワハラ担当に通報したり、知っている管理職に相談しました。
パワハラもセクハラも、被害者当人はボロボロで通報する元気なんて残っていない
ことがほとんどです。ハラスメントする側は、そんな手心を加えてはくれません。くらたは経験上それがよくわかっていたから、シンデレラの代わりに通報をしました。第三者が通報していることそのものが、そのハラスメントの存在の信憑性を高めるという考えもありました。

代理人は本人ではない。
「本人」がまさにそこにいないという当の事実が「代理人」の存在理由を基礎づけ、同時に彼を「代理人」に指名した「本人」がどこかにいるという信憑を基礎づけてもいる。
つまり、「代理人」にとっては「本人」がどこかにいることがその存在根拠であり、一方「本人」の存在根拠はその「代理人」がここに出頭しているという事実によって支えられているのである。

内田樹の研究室「l'un pour l'autre」から引用

しかし、かぐや姫が偉すぎて、どなたも動いてはくれませんでした。

だれも!

だぁーーーーれも!!

きみもきみもきみもきみも…って、マジックランプシアターのジーニーみたいに一人ひとりを指差したいくらいです(公式HPへリンク。まさにこの場面のジーニーの写真が見られます)。

転載できないため、イメージ。
ジーニーファンの皆さますみません。

「せまじきものは宮仕え」(歌舞伎時代物の名作『菅原伝授手習鑑』四段目「寺子屋の場」での武部源蔵のせりふ)、みんな生活がありますからね……。自分が通報を受けた立場であっても、何もできないかもしれない。

余談ですが、くらたが昨夏休職に入ったとき、産業医面談に同席してくださった看護師の方は「組織には、パワハラを通報する制度もありますよ」と言ってくださいました。これはかなりくらた側に立ってくださった発言です。
あいまいに返事をしながらくらたは心の中で、「うん、もうすでに5年前にやったの……。誰も何もしてくれなかったうえにうちの職場にかぐや姫がきたの」と応えたのでした。
でも、産業医さんも看護師さんも、大変親身に相談に乗ってくださった。それだけで当時のくらたは救われた気がしました。ありがとう(泣)!!

かぐや姫、お供を従えてくらたの課に下る

閑話休題。
しばらくのち、かつて自分がパワハラ通報されていたとは露知らないかぐや姫が、課長としてくらたの前に異動してきたわけです。DAIGOさん(メンタリストじゃないほう)に聞いたらきっと「MIS」って言ってくれるでしょう。マジでイカれた組織。

異動してくるときにかぐや姫は、5年前にシンデレラDISプロパガンダに乗っていた本社の平職員を連れてきました。
通報されたことは知らなくても、5年前の経緯を知る職員が多く残っているくらたの課にひとり丸腰で降り立つ度胸は、さすがのかぐや姫にもなかったのでしょう。
この平職員もシンデレラを悪く言っていたのを、くらたは忘れていません。この巨大なささくれが刺さったままなのに「仕事仲間」というフィクションを演じてともに働くことも、とても辛いことだったと今これを書いていて思い至りました。この職員についてはそれだけじゃなくて全方位マウンティングマンなところもつらかったんだけど。

このMM(マウンティングマン)さんと一緒に働くことが辛い自分を認めてしまうと、四方八方全員が敵になってしまいさらにつらくなる気がして、なかなか認められませんでしたが、今やもう観念せざるを得ませんね。
しかし今思えば、何を今さら、四方八方が敵でなかったことなんて、係長になってから、さらに言えばこの組織に転職してから一度もなかったのかもしれないなとも思います。

ディストピア爆誕!

くらたのセクションに異動してきた後のかぐや姫課長は、さすがに表立って下等なふるまいをすることは少なくなっていました。というか、もともとかぐや姫は自分のお膝元にはジェントルなんでした(14-3中編の続き参照)。
でも、その手は桑名の焼き蛤(古い)、シンデレラを知っている職員たちはそんなにチョロくありません。
そうなるとまあ、腹の内の探り合いで冷えますよね、課内の空気は。
MMさんの全方位マウンティングも加わったことですし。

そして始まる課内での防衛合戦、すげー疲れる。
昨日まで味方だと思っていたおばさんに今日は背中から刺される。あっちのおじさんは表向きニヤニヤしてるけど、裏ではこっちの悪口を言っている。あの話題なら誰が味方で、この話題なら誰が敵。

くらた、そういうつまらないこと嫌いなんです。
この脳みそはそんなことに使いたくない。
本来、普通に仕事してる分には好きとか嫌いとか恨みとかないです。
仕事しよ?仕事に使おうよ、脳みそ。
でも、この会社のみなさんは、すぐつまらないことを始めるのはなぜなんでしょうか。なーんか、それが仕事だと思ってるみたいなんですよねえ……。これも岡田斗司夫のいう「感情の壁」なんでしょうか。
こんなところに何十年もいればそうなるか。
ここしか知らないのも、気の毒と言えば気の毒ですが。

くどいようだけど、前職ではこんなことホントになかった。
500人の中小企業でこんなことしてたら潰れる。
やばい人はいたけど、割合が低かったので遭遇しなくて済んだ。
前職の社長は「会社は経営者の能力を超えては成長しない(=自分が有能だから会社が成長している)」と朝礼でよく言っていたけど、優秀な職員のおかげだろ、って思っていました。しかし入社試験には必ず社長か副社長の面接があったので、彼らに優秀な人間を見抜く目があったことは認めざるを得ない。その点を含めたら、やはりすべては社長の能力だったのか……。

くらたが新卒の23歳のとき徒弟制度で師事したあにさんが教えてくれた金言はたくさんありますが、とくにくらたが大事にしているのは下記です。
「仕事は仲良くするためにするものではない。だが、仲が悪くなっていいことは一つもない」
どんな仕事、どんな相手、どんな局面でも、敬意をもって接するべきだと。
これはそのとき、まだまだ社会性の低かったくらたにもしっかりしみこんできて、そのあと大事にしてきた言葉です。

余談ですが、今は上述のMMさん(30代後半)が不機嫌を振り撒いて他の係員をビクビクさせているという話を人伝に聞きました。「仲が悪くなっていいことは一つもない」って教えてくれた当時、あにさんは当時26歳でした。

休職しておいてなんですが、ロクな話がありません。
逆か。ロクな話がないから休職してんのか。

気にかけてくださる皆さん・ご迷惑をおかけしている皆さんには大変申し訳ないけれど、まったく戻れる気がいたしません。
ここ数日、また耳の調子が悪くなってホッとしてるくらいです。ずーっと新幹線でトンネルに入ったときみたいなかんじ。

ディストピア演劇『フルタイマーくらた』のオファー待ってます☆(←しつこい)

かぐやとくらた

過剰適応者のくらたは、当初、表向きはかぐや姫と良好な関係を築こうと努力しました。かぐや姫の「ジェントル」というフィクションに乗ってやろうと思った。仕事だし、そうしないと係員に類が及ぶし、対立って純粋につらいし。
出張の行き帰りに課長の隣に座り、真面目な話をしたりしたこともありました。10年前・5年前よりはコミュニケートできた。

でもそれが逆に、くらたの内面に葛藤を巻き起こしたのだと思います。

  • 未整理のままの10年来の恨みを抱えている自分

  • 「割り切って外面仲良くしてうまく立ち回るべき」と考える自分

  • ジェントル演技に篭絡されて「少しはとるべきところがあるのだ」と感じてしまった自分

未整理の「10年来の恨み」

日々に流されて「10年来の恨み」を未整理のまま放っておいたのもよくありませんでした。くらたは、「やられたことは絶対に忘れない」とPodcastで語っていた馬瓜エブリン選手と同じくらい執念深い。今振り返れば、日々否応なく発生するかぐや姫とのコミュニケーションの度に葛藤が生まれていた。

いやーでもさあ、ここまで書いてきて、改めて思ったのですが、
これだけ恨みを抱えていたら、耳も聞こえなくなろうし捻挫もしよう!
そもそも恨みってどうやって整理するの。
脳科学者・中野信子さんは「嫌な気持ちにさせてくる人はいる。そういう人に出会ってしまったら、全力を尽くして逃げろ」とおっしゃっています。
ほんと……友達みんな言ってくれるけど、改めて、休職まで3か月も保ったくらたを褒めてあげたい。よくがんばった!
適応障害の定義は原因となる状況が発生してから遅くとも3か月以内に発症だそうなので、心身は最大限耐えたという見方もできます。

かぐや姫課長の長いキャリアの中で、彼とともに働いて耳が聞こえなくなった人はくらたひとりではないそうです。
どなたか被害者の会を立ち上げたらよろしい。
みんなでバカにならない医療費を払ってもらおう。聴力検査高いの。

……と、この物語は、いったんここまでとなります。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

誰かが語らなければ消えて行ってしまう、くらたの、シンデレラ課長の、あのとき理不尽な屈辱を味わったすべての人の、怒りや悔しさや悲しみの供養に、少しでもなればと願っています。

休職して迷惑をかけている分際で、感情の壁だの仕事に脳みそ使えだの四方八方敵だのディストピアだの言って申し訳ありません。

「これはフィクションです」

以上、日本のどこかを舞台にした「フィクション」でした。4回、1万7千文字以上にもわたってしまった恨み節の「物語」を、お読みくださってありがとうございました!
かぐや姫関連記事の「【自己紹介】13 」もいれたら2万2千文字超、1回あたり少なくとも3時間書いていたとして、5回で15時間。我ながら、かぐや姫への恨みが深すぎる……。

これでくらたも小さなカオナシに戻れる。戻りたい。戻れますように。

駄文にお付き合いくださった方、ありがとうございます!
うちのことかな?なんて思った方、違いますよ「フィクション」ですから!
似た状況にいる方、もしいらっしゃいましたら、どうぞご無理なきように。

お読みくださって本当にありがとうございました!

最近胸糞話が続いてしまったので、明日は超ハッピーな映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』の劇評を書きます!


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?