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【自己紹介】14-3 かぐや姫系男性上司が女性課長をいじめた話 国際女性デーに寄せて(中編の続き)


まだまだ終わらない

3.11は終わっていないのに

東日本大震災以降くらたの会社は毎年、3月11日が営業日であれば必ず午後2時46分には黙とうをささげていましたが、今年はなかったそうです。
新聞・ニュース、バラエティ番組でさえも3.11の特集は組まれているし、今でも避難者の方は2.9万人、行方不明の方は2500人以上いらっしゃるとのこと。まだ終わってないのに……。

代表が変わったからかなあ……。
ますます、くらたの戻るべき場所はなくなった気がしました。しょぼん。

肥大したカオナシのような底なしの恨み

さて、本当は「後編」として今回で終了しようと思ったのですが、8,000文字に近くなってしまったので、今回と次回に分けます。

『もののけ姫』のタタリ神のドロドロと言おうか、『千と千尋の神隠し』の肥大したカオナシの中身と言おうか、十余年分の怨嗟はなかなか底が見えません。(祝・『君たちはどう生きるか』アカデミー賞受賞!)

でもカオナシも、ぜんぶ吐いてしまって油屋を出たら、また無害な小さいカオナシに戻りました。くらたもカオナシを目指す。

14-1前編14-2中編に引き続き、お目汚しでございます。
気の向いた方だけ、お付き合いくださいませ。

「これはフィクションです」

くどいようですが改めて。
この日本のどこかにいるくらたというIQ125のアラフォーと、かぐや姫っぽい上司を描いた「フィクション」です。

また例によって、この記事が消される時が来たら、何かあったのだなとご賢察のうえ、ご寛容をお願いいたします。

シンデレラ課長が遭った深刻な「いじめ」(続き)

いじめ4:ネガキャン・プロパガンダによる大衆扇動

当時、本社ではかぐや姫部長によってシンデレラ課長のネガティブキャンペーンが隅々まで敷かれており、そのプロパガンダによってシンデレラ課長は本社の平職員にわたるまで軽んじられ、侮られまくっていました。
聞いた話によれば、かぐや姫部長は日常的に自分の近くにいる職員たちには、ヒラから課長に至るまで、ジェントルに接していたそうです。

いくらジェントルと言われても、くらたは「狡猾だな」という感想しか持てません。くらたのメガネは真っ黒メガネ、くーろいかぐやを見てたから♪
目の穴かっぽじってよく見てほしい(正しくは「目の玉ひんむく」です。詳細は14-1参照)誰かを恫喝するような奴が真のジェントルなわけがない

しかし、遡ってみれば、くらたが今の会社に転職して以降、職場の人同士が、「話している内容ではなく、どのような言い方か」に反応しあって言い争っている場面を見かけることが多く、不思議に思っていました
喧嘩をするような内容じゃないのに、「売り言葉に買い言葉」的にどんどん険悪になっていく朝礼。「双方主張は対立していないのに、雰囲気が対立しているのはなんでなんだろう?なんで朝からみんなを不快な空気に巻き込めるんだろう?」と思っていました。

また、好き嫌いで、どれだけ丁寧に話しても全く情報が入っていかない人もいる。くらたが引継ぎしているのにくらたのことを嫌いだったS先輩は全然聞いてくれなかった。また、同じ係だったUさんからAさんへの引継ぎを横から見ていたときのAさんも同様でした。
引継ぎをちゃんと聞かないで困るのは自分なのに……まあこういう人は困らないんですけどね。実際に困るのはこういう人の周囲の人。彼らは人の話をちゃんと聞かないでオリジナリティ発揮して前人未到のミスをするため、システム保守業者さんまで呼ぶ羽目になったこともあります。そういうとき彼らは「引継ぎしてもらってない」とか「引継書のやり方が非効率だと思ったから自分なりに工夫したらこうなった」等と言いました。
好き嫌いにしたって、S先輩はくらたと旧知で生意気なくらたをよく思ってなかったのはまあわかるけど、AさんとUさんなんて引継ぎの時が初対面だったのに、いつ、何をもって好き嫌いを判断しているのでしょうね……。
此岸と彼岸の間にはいろんな面でものすごい溝がある。

おりしも、最近見たYoutubeで岡田斗司夫さんが「感情の壁・論理の壁」という話をされていました。

へえー……、「論理の壁」は心当たりがあるが「感情の壁」は感じたことがない。あの無駄に険悪になっていく朝礼や、全く聞いてもらえない引継ぎは、「気持ちの壁」の向こう側の出来事だったのかもしれません。
確かにくらたにも人の好き嫌いはあるし仕事だって嫌なことばっかりだけど、その気持ち「だけ」では判断しないかなあ。ただ、「仕事だから」と我慢しすぎて適応障害で休職しているわけですから、中庸でいられるならそれがいちばんなのかもしれません。

もしくは、プロパガンダに乗った本社の彼らはただ関心がないだけなのかもしれませんね。好きでも嫌いでもない。関心がない。「愛の反対は無関心」とはよく言ったものです。
でも、中野信子さんの名前を出すまでもなく、脳は大食いで怠惰な器官。みんな、そんなに思考停止してると脳みその機能はどんどん衰えるよ!

ともあれ、こういう「気持ちで動く」もしくは「考えない」人たちを篭絡するのはかぐや姫部長には赤子の手をひねるよりたやすいでしょう(コンペデザインの良しあしはわからないのにね~※14-1前編参照)
この話の質の悪いところは、そうやって扇動された人たちは不利益は被らないこと。被害を、それも甚大な被害を被るのは、シンデレラであり、シンデレラの部下たるくらたたちだけです。

ええー……大衆扇動こわあ……。
でもまあ大衆とはそんなものかあ……。

一月に観た劇団四季『ひばり』では、ジャンヌ・ダルクは自分が聞いた神の声の存在を否定することはできず、「異端」として教会によって火刑に処されます。ジャンヌの奇跡に熱狂した人々が一転その火刑を望むようになる。ジャンヌは、自分を裁く異端裁判で教会の司教に対して「赦します、あの人たちを。そしてあなたも、司教さま。」と言います。

同じく先日観てきた劇団四季『ジーザスクライストスーパースター』イエス・キリストが磔刑に処されたのも、大衆がそう望んだからでした。「神よ、彼らを許し給え。今、自分たちが何をしているか彼らにはわかっていないのですから」という十字架の上のイエスの言葉が悲痛に響きました。

さらにくらたが3回観るほど好きな劇団四季『ウィキッド』でも、主人公のエルファバはオズの計略により大衆に「悪い魔女」として追われる立場となります。「エルファバが死んだ」というお祝いの歌で舞台が始まるくらい、『ウィキッド』はより現代的に鮮明に人気取り・大衆扇動の害を描いています。そして今思えばその害を乗り越えるラストではなかった(今度書きます)。

大衆が扇動されたために無辜の人間が死ぬ悲劇を、繰り返しくりかえし語り、描き、演じる。そのくらい、古来から続き現代社会にもはびこる、現在進行形の人類の課題なのかもしれません。

くらたも扇動されないように気を付けよう……。
内田樹先生とか中野信子さんとか林修先生が、絵とか壺とか売り始めたら買ったり売ったりするかもしれないので。

地震雷火事「親父」。権力おじさんは徒党を組んで悪事を働く

くらたに残ったトラウマ的「恨み」

いやしかし……
かぐや姫、どうしてそんなことするの??

14-1前編でも書いたけど、部下の足元を崩す=自分の足元を崩すことと同義です。定年後再雇用で階級もかぐやより下のシンデレラにそんな仕打ちをしてなんの得があるの?そんな生贄を作らなくてもすでにかぐやの上司の局長はかぐやの言いなりでした。

くらたは自分が怒鳴られるのも嫌だけど、シンデレラ課長が怒鳴られ無視されることで目に見えて生気を失っていくのを見るのも同じくらい嫌でした。

まず第一に、「能力も年齢も目糞鼻糞のジジイたちが60代女性のリンチに血道を上げてんじゃないよ!そんな暇あったら協力して顧客や社会に還元しろ」と思っていました。
そもそも前職の優れた30代管理職陣にくらべたら、かぐや姫と取り巻きたちは年齢は倍なのに能力はちびまる子ちゃんのハナクソぐらいなものです。顕微鏡で見るとハナクソやフケも綺麗らしいですよ。(『ちびまる子ちゃん』白黒オリジナル版8巻116ページ「その55 まる子みんなにばかにされるの巻」)。

第二には、男性中心の時代に管理職の座に自分の居場所を切り拓き、そこに長年いても心や思考がひねくれなかった、ごく真っ当な60代の女性が、そのキャリアの最後まできて、どうしてこんな不当な扱いを受けなければならないのかの義憤がありました。働かずに使い込む夫の代わりに働いて、家事も育児も全部やって、二人の娘に高等教育まで受けさせたシンデレラ課長は純粋にすごいと思ったし、年回りや体形になんとなく母を重ねていた部分もあります(くらたの母は元気で生きています)。

第三には、くらたは管理職になる気はないけれど、「60代の働く女性」という点ではくらたも行く道だから。キャリアの終わりにこんなに理不尽な屈辱を味わうなら、そんな真っ暗な未来に向かって生きる希望が湧く人間がどこにいる? かぐや姫たちはシンデレラ課長ひとりをいじめているつもりで、それを見て知っているすべての人間の生きる希望を失わせているのです。
いじめダメ、ゼッタイ。
ていうかいじめという言葉はやられた方からしたら生ぬるいですね。集団リンチ?集団暴行?

権力サイドのおじさんたちは徒党を組んで悪いことをする、というのは、『ミステリと言う勿れ』で整くんのせりふにありました。

おじさんたちって 特に権力サイドにいる人たちって
徒党を組んで悪事を働くんですよ

悪事とまではいかなくても 都合の悪いことを隠蔽したり
こっそり談合したり 汚いお金を動かしたり
でもそこに 女の人が一人混ざってると
おじさんたちはやりにくいんですよ

『ミステリと言う勿れ』(田村由美/小学館)1巻28ページ

だからこそ、若手女性である風呂光さんが必要なのだと。
くらたがシンデレラ課長に随行させられた(14-2中編参照)のは、これと同じ理屈だったのでしょう。権力おじさんの悪行の前に立たされた弱者がたどり着く一手なのかもしれません。
この作品がドラマ化されてこのせりふを菅田将暉さんの整くんが言う姿が地上波で流れたとき、くらたは手を叩いて喜んだ。
かぐや姫と取り巻きよ、これを見ろ。

今思ったけど、「地震雷火事親父」で最後に「親父」が入っているのは、日本に根ざす長年の叡智ですね。父権的なおじさん(権力おじさん)には気をつけろよと思った日本人がかつていたのでしょう。

シンデレラはどうなったか

シンデレラは丸2年このリンチを耐え抜きました。

後半はコロナ禍に見舞われ、愚かな他の管理職たちのうっ憤を一身に浴びてボロボロになっていきました。

愚かなおじさんたちの愚かな言行録はくらたの頭にまだあります。
コロナのときのアレと、台風のときのアレ、コンペのときのアレ(こないだ書いたのと別のコンペ)……話はまだまだ尽きないなあ。逆にすごい。
ディストピア演劇『フルタイマーくらた』のオファー待ってます☆(何様)

くらたはいつか自分にも降りかかるだろう災厄を減災するためにICレコーダーを購入しました。それをシンデレラに持たせたこともあります。
そのくらいの危機感が、当時のくらたにはありました。

シンデレラはその後異動して一年で、再雇用の満期も待たず退職しました。
くらたは彼女の退職後、人伝にそのことを聞きました。
せめて事前に知っていれば挨拶に行ったのに……。

今、どうか幸せで平和な日々を送っているよう、くらたは祈っています。

明日に続く

長々と、お目汚しで申し訳ありません。

くどいですが、この物語はフィクション、ということで。

駄文にお付き合いくださった方、ありがとうございます!
似た状況にいる方、もしいらっしゃいましたら、どうぞご無理なきように。

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