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行き着く場所が見えてなくても

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事実を元にした雑文です 所謂ギフテッドと言われる人が、それを理解されないまま程度の低いところにシンクしているとこうなってしまうという、そういう話です
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行き着く場所が見えてなくても(7・最終回)

いくつかの仕事を転々とした

超有名IT企業でのサラリーマン(全く社風に合わず2年でやめた)

保険販売のアウトバウンド営業(1件しか契約が取れず契約更改できなかった)

ドラッグストアの物流(頭を使わずに済んだので7年も続いたが所詮底辺の集まる場所だったので辞めるタイミングを図ってはいた)

そして、今の仕事に辿り着いた

某大手携帯電話会社の関連会社

一応は物流部門になるのでドラッグストアの

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行き着く場所が見えてなくても(6)

一応、拒否はできる

しかし、中隊の廊下の、階段の踊り場のような、通る人が誰でも目に入る位置に

「栄光 幹部候補生合格 ✕✕一士(当時の階級、下から2番め)」と朱書きの筆文字ででかでかと貼り出されてしまった

父親に幹部にはなりたくないと電話で相談したが、それはお前の勝手だが拒否したらお前には一生この家の敷居を跨がせない、と、最近ドラマでも聞かないような事を言われた

別に家に帰れるかどうかはど

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行き着く場所が見えてなくても(5)

自室の寝床で見慣れた天井の節の多い木目の模様を目で追いながら、少しずつ自分の考えをロジカルに整理した

やっぱり大学には行きたい

でも親は金を出してくれない

だとしたら自力で金をためてから自力で大学に行こう

よし、さくらに勤めよう

実家からさくらに2年か3年通って働いてカネをためて、そのカネで家を出て大学を出よう

そこから先のことはまたしばらくしてから真剣に検討すればいい

久しぶりにス

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行き着く場所が見えてなくても(4)

かといって、高卒で仮にさくらに勤められたとしても恭子ちゃんの家のような暮らしは手に入らなさそうだ

大学に行けないとなれば別に勉強もする必要がない

成績は落ち、彼女にも愛想を尽かされ、別れることになった

私と彼女は文化祭の前に部活をやめた

恭子ちゃんと後輩たちには大変迷惑をかけたが致し方あるまい

成績はとことん落ちた

赤点を取る科目もあり、優等生で通っていた私はもうどこにもいなくなった

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行き着く場所が見えてなくても(3)

というのも、当時、もともと住んでいた町にはある通信機器の大きな工場があり、そこに勤められれば一生安泰というなんとなく町民全員が持っている共通認識があったのだ

なので、なんとなく、高校を卒業したらすぐにその通信機器会社の工場に勤務して一生この街で暮らす、というのがこの町に暮らす庶民の中での最高のステータスだ、というのがみんなの中で薄っすらと共通認識として持たれていたのだった

私は、この工場に勤め

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行き着く場所が見えてなくても(2)

知識欲は旺盛だった

当時のガキにとっては知識の源はテレビだった

ただ、テレビで放送される内容はすぐに消滅してしまう

なので私はメモを取りながらテレビを見ていた

バカな父親はそれを嫌がった

なにか書くんだったらテレビは消せ、といった

いや、テレビの内容を書いている、と言ってもバカには理解ができなかったらしく、メモを取っているとすぐにテレビを消された

テレビを消されるとメモが取れないので

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行き着く場所が見えてなくても(1)

【この一連の文章は事実を元にしたフィクションです】

なりたい職業はアナウンサーだった
とにかく目立ちたかった

何故目立ちたかったのかはその当時は自分でも気づいていなかったが、今にして思うと、目立てるような環境ではなかったから、だったのかもしれない

自分自身、頭がいいんだ、と、多分九州の田舎町の保育園時代から自覚していたと思う
頭の良い私が言うことは田舎町のバカたちには理解できなかった
当時の

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