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『Overnight』 第7話 “Let's get started now”(終)
第7話
Let's get started now
「ゆうかさん、今日でラストって本当ですか?」
「えー、さみしい!」
「結婚するんですか?」
出勤するなり、女の子たちに囲まれた。ああ、皆かわいい。目の保養。
「いやいや、結婚しないって。もう一回、正社員になろうかなと思ってさ。残業や出張もあるだろうから、なかなかお店に出られなくなるの」
そういって、私はいつものドレスに着替える。もうこの戦闘服
『Overnight』 第6話 “Shall we go now? Without fail”
第6話
Shall we go now? Without fail
そのままタクシーで中目黒方面へと向かい、住宅地の一角で私たちは降りた。
20階建ての高すぎず低すぎない、ややこぶりなタワーマンション。
「うわ、お金持ちみたい」
普段さびれたシェアハウスに住んでいる私は、つい声を上げてしまう。先ほどのショックから少しずつ立ち直りつつあるが、まだ本調子ではなかった。
掃除の行き届いたエントランス
『Overnight』 第5話 “Feel hustle and bustle, I'll take you”
第5話
Feel hustle and bustle, I'll take you
冬の寒さがさらに深まった2月半ば、私は今日も渋谷で働いていた。今日は退勤後に、水野さんと食事に行く予定だった。
「やっと週末だね!石井ちゃん、今日スクランブルスクエアに寄ってから帰らない?」
と篠田ちゃんが誘ってくれたけれど、私は申し訳なさそうに断った。
「ごめん、今日は予定を入れちゃって」
「そっか、じゃまた来
『Overnight』 第4話 “Do you hear me? My voice”
第4話
Do you hear me? My voice
銀座の冬は冷え込む。
「うー、寒いねまりんちゃん」
「ほんと寒いです、ゆうかさん」
その日は22時すぎから、看護学校に通っているまりんちゃんと外で客引きをしていた。目元のセクシーなキャットラインすらかわいらしく感じるのは、19歳という若さ故だろうか。
銀座は規制が厳しくて、一歩でも路上に出ると、周囲のお店のキャッチから厳しい視線が飛んで
『Overnight』 第3話 “Melting into the crowd, I look for your answer”
第3話
Melting into the crowd, I look for your answer
今年の秋は暑いな、なんて思っていたら、11月半ばを過ぎて唐突に寒くなり、早めの冬がやってきた。
昼に、母からLINEが来た。
「今年の正月は有くんと帰ってくるの?」
私はまだ、有くんと別れたことを両親に伝えていない。別れてから3年以上経っているのに、だ。
有くんがとっくに会社を辞めていることも
『Overnight』 第2話 “Passing by many words, I can't find the truth one”
第2話
Passing by many words, I can't find the truth one
小さい頃から「まじめだね」「頭がいいね」と言われてきた人生だった。
完璧な家庭環境、完璧な両親。でもどこか居心地が悪くて、塾で勉強をしながら時間を潰すのが好きだった。
そうした学習習慣が功を奏し、現役で名の知れた大学に受かった。よかった、私はきっと両親のように「完璧な道」を歩んでいけるー
『Overnight』 第1話 “Hang out, why don't we? Let me know something”
第一話
Hang out, why don't we? Let me know something
「石井ちゃん、お昼行かない?」
11時半を過ぎて、同僚の篠田ちゃんが私の席にやってきた。
「行く行く。ちょっと待ってね」
私は手早く「お昼休憩いただきます」とチャットを打ってから、席を立つ。
7月、季節は夏。オフィスを出ると、ムッとした熱気に包まれた。
私の勤務先である渋谷のITベンチャーは、
【お知らせ】7/8(月)〜12(金)小説『Overnight』を連続公開します
noteやX、Instagram、そしてリアルの世界でいつもお世話になっております。カナサシです。
ちょっと告知させてください〜!ああ〜どきどき。
【告知】恋愛小説を7/8〜連続公開します!今回「note創作大賞2024」に合わせて、恋愛小説『Overnight』を【7月8日(月)〜12日(金)】に、note上で連続公開させていただきます!
詳細スケジュールはこんな感じです。
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【予告】note創作大賞の「恋愛小説部門」と「オールカテゴリ部門」に出品します!
恋愛小説はたぶん来週から公開!オールカテゴリ部門に出すのは言語聴覚士の支援を受けた方や家族きっかけで言語聴覚士になった方の取材記事で絶賛準備中🥹必死!!それぞれ多くの人に届きますように🙏
【募集】子どもが言語聴覚士の支援を受けた方&子どもがきっかけでSTになった方!取材させてください!
ご無沙汰しております!ライター・編集者の金指(かなさし)です。
このたび、新たな取材記事を製作したく、このnoteでご協力いただける方を募集したいと思います。
※2024年5月12日追記:
たくさん拡散+ご連絡いただき、本当にありがとうございます!
「子どもが言語聴覚士の支援を受けた方」は受付停止、
「子どもがきっかけでSTになった方」のみ募集しております!!
とにかく出会えない「小児をみる
12/1の文学フリマに出店できることになったので、ぼちぼちエッセイ再開しよかな〜と。書く筋力が弱っております。リハビリ!
「幸せ感じ力」の高め方
先日、終末期の患者を診ている在宅医の中村明澄先生に話をうかがった。
そのなかで、多くの患者を看取ってきたなかで、どんな状態でも「今が一番幸せ」と思えている人がいて、その人は幸せそうに逝くという話を聞いて、「そんな聖人いるの?」と驚いた。
「幸せ感じ力」に関する記述はこちら。
私が大人になってからきちんと「死」に向き合ったのは、2023年1月に義母が亡くなったとき。そのときに感じた「後悔」も、