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暮らし

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日々の生活こそが人生
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庭にヤマカガシ|毒のある美しい隣人

庭にヤマカガシ|毒のある美しい隣人

ただ蛇を愛ているだけの日記です。

※苦手な方は…そろそろとお進みください🙏

うれしいことがあった。
朝、賃貸の家についている小さな裏庭に出てカボチャの様子を見ようとしたら、背後でずずっと音がした。

振り向きながら、その音の雰囲気からなんとなく蛇だろうなという気はした。家の周りで出会ったことはなかったけど、我が家でボールパイソンという小型の錦蛇を飼っていたこともあり、蛇好きとしてはその這いず

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野鳥散歩|シギ・チドリ/干潟のペースで生きてみたい

野鳥散歩|シギ・チドリ/干潟のペースで生きてみたい

前半は江津湖湧水とラムサール湿地のシギチの可憐さ、後半は会社員のつぶやき。

自然のペースと都会のペースの話。

今年のGWは長めに休みが取れたので、熊本の実家に顔を出した。父は私が小学生のときに他界したので、我が家は関西で夫と暮らす私と、東北に住む弟、そして熊本に残った母の3人構成だ。弟が就職で家を出てから生まれて初めて一人暮らしをする母だけど、このごろなぜかシャキシャキ・キラキラしている。

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神戸|有機農園でのこと / ここは土と暮らしが近い街

神戸|有機農園でのこと / ここは土と暮らしが近い街

最近、スーパーで新玉ねぎをよく見かける。つやつや白い小ぶりの玉が袋いっぱい並んでいて嬉しくなる。

西神戸に来てから、野菜がとても身近になった。単純に食べる機会が増えただけでなく、生産の現場が近くなったという意味で、身近になった。有機農園で半年間くらいボランティアさせてもらうというラッキーに恵まれたのだ。

有機農園との出会い

ボランティアとして受け入れてもらっていたのは、神戸市西区にあるNat

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サステナビリティ考|ずっと続いてほしいものにエールを

サステナビリティ考|ずっと続いてほしいものにエールを

イッタラの花瓶を友達の結婚祝いに贈ることにした。表参道を歩いているときにたまたま見つけて、「これしかない」と思った。

一点一点手作りで、厚み、重さ、気泡の入り方、全部違うらしい。リサイクルガラスだからこその絶妙なグレーの色合いと、縁が描く不均一なカーブが、遊び心とかっこよさを併せ持った友達のイメージとぴったりだった。

***

心惹かれるものにお金を払いたいと思う。
例えば、職人やアーティスト

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エディンバラ暮らし|巡るキャロットケーキ

エディンバラ暮らし|巡るキャロットケーキ

後悔の残る旅はきっと良い旅だ。

2018/12|はじまりのキャロットケーキ

5年前の年の瀬、母と二人でイングランドにいた。

社会人3年目になった私からの「親孝行」旅のつもりだったけど、思い返せばあれはむしろ、私の好きな国についてきてくれた母からの「子孝行」旅だった。

あのとき、小さなベーカリーでどでかいキャロットケーキを見つけた。
茶色の生地に分厚いフロスティングがかかった、見るからに重た

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エディンバラ暮らし|旅するように生活する

エディンバラ暮らし|旅するように生活する

ひとり時間の記録と、生活について思うこと。

ごはん

散歩

例えば1年間、何でも自由に行動して良いと言われたら何をするだろう?
お金は割と好きに使えるものとする。

未知なる冒険、贅沢な体験、会いたかった人に会いに行くこと、新しい学習、

いろんな選択肢がある中で、
私がまず一番やりたかったのは「生活」だった。

エディンバラで過ごした期間は、場所が海外というだけで、やっていることは普通の生活

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絵日記|雨の日の結婚式、エディンバラ市役所にて。

絵日記|雨の日の結婚式、エディンバラ市役所にて。

エディンバラのMorningsideで、なんとかという教会が毎週木曜日に開く無料の英会話教室に少しのあいだ通っていた。
そこで出会った女の子と仲良くなり、彼女のパートナーや友人も交えて、ケイリー(スコットランドのダンス)や8月のフリンジフェスティバルに何度か一緒に出かけた。たまに遊ぶ程度だったけど、それでもその子が中国に一時帰国したとき、急に寂しい気持ちになったのを思い出す。

そんな彼女がイギリ

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エディンバラ暮らし|犬にやさしい社会

エディンバラ暮らし|犬にやさしい社会

ある日、ザ・メドーという、その名の通り芝生が広がる大きな公園のそばのカフェで、紅茶とスコーンのクリームティーを決め込んでいたときのこと。隣の席に老紳士と耳の垂れたおしゃれな犬がやってきた。

どう見ても介助犬ではないし、ここはドッグカフェというわけでもない。

静かにびっくり仰天していると、ひとりと一匹はあまりにも慣れた感じで、片方は新聞を広げ、片方はテーブルの下に身を伏せた。老紳士は私と同じセッ

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エディンバラ暮らし|チャリティショップのある街

エディンバラ暮らし|チャリティショップのある街

ある日、チャリティショップに救われる

夏の終わり、日本への帰国を控え、私は困っていた。持ち帰る予定の荷物がスーツケースに入りきらない。冬までの滞在予定を大幅に短縮したというのに、たった数ヶ月でいつの間に物が増えたのか?
(いやあなた、そりゃそうでしょうよ。という記事はこちら)

元々、帰国するときには処分する予定で持ってきた服や生活用品がある。別送品として日本に送るにも、手間とコストの割に合わな

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エディンバラ暮らし|物欲は希望だ

エディンバラ暮らし|物欲は希望だ

来た時はミニマルだったのに、数ヶ月の滞在で宝物が増えた話。

英国初日:リュックサックとスーツケースと私

今年の5月、冬が来るまでは英国で過ごそうと、リュックサックと大小のスーツケース2つを持って私はヒースロー空港に降り立った。

リュックサックにはPCやビザの書類、カメラ、イヤホン、Kindle、サングラスやアクセサリー類、もらったプレゼントなど失くしたくないものを。大きなスーツケースにはこの

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エディンバラ暮らし|家とお金と、あるイギリス人の庭

エディンバラ暮らし|家とお金と、あるイギリス人の庭

20代のフラットメイトや60代の夫婦と一緒に過ごして考えた豊かさの話。

フラットを追い出される

「この家、8月末に退去しなきゃいけなくなった」
7月のある日、イギリス人のフラットメイトが慌てていた。

「え?なんで?」

「元々3人で借りてたんだけど、オーナーとメインで契約を結んでた子がロンドンの家族と暮らすということで、出ていくことになったのね。そしたら残りの私たちも出ていきなさいって」

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エディンバラ暮らし|海鳥センターボランティア/自然への愛を育むのは

エディンバラ暮らし|海鳥センターボランティア/自然への愛を育むのは

ノースベリックにあるスコットランド海鳥センターで、夏の間すこしだけボランティアとしてお世話になった。
(応募したときの徒然なる日記はこちら)

地場の環境チャリティは何をしているのか、どんな人が関わっているのか。身近な自然や環境問題に対して、人々にいかに興味を持ってもらうのか。
そういうことを思い出しながら書いたら、長くなった。

ボランティアには、子供たちに海の自然環境を教えるホリデークラブや、

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エディンバラ暮らし|スープ日記

エディンバラ暮らし|スープ日記

カフェで見かけるSoup of the Day(今日のスープ)というメニュー。

野菜系のどろっとしたスープにパンの付け合わせといったシンプルな一皿で、派手ではないけど温かく、物価高の英国でそれでも安く、味も失敗が少ない。1人暮らしを支えた安心の存在の一つであった。

今日はそんなスープを取り巻く暮らしの話。

気を取り直してのカレンスキンク(スモーク魚のスープ) - スコットランド海鳥センター

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エディンバラ暮らし|版画の先生/戴冠式小話

エディンバラ暮らし|版画の先生/戴冠式小話

生活するように仕事をする人、自分の小さなビジネスを持っている人、自分の仕事を「見て!」と楽しそうに話す人。こんな人に私もなりたい。

もう2ヶ月も前のこと。ニュータウンにあるEdinburgh Drawing Schoolで版画の夏期講習に参加した。

英国にいるうちになにかしらのアートレッスンを受けたいと思っていて、直近で申し込めるものを探している中で見つけたものだった。版画なんて小学校の図工の

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