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この本いいよ!

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これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
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2022年7月の記事一覧

第171回:生きづらさを感じる毎日に効く物語(標野凪:『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』)

第171回:生きづらさを感じる毎日に効く物語(標野凪:『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』)

こんにちは、あみのです。
今回の本は、標野凪さんの『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』(双葉文庫)という作品です。

今作は、世の中の変化や日々の人間関係に疲れた心を癒してくれる優しい物語でした。毎日忙しいと感じる時こそぜひ手にしてほしい本です。

あらすじ感想2020年から今に至るまで、これまで以上に世の中が変わったと思います。
誰もが暮らしやすい社会へ少しずつなっているとは思うけど、一方でいろ

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第170回:美しいだけじゃない恋の謎(櫻いいよ:『わたしは告白ができない』)

第170回:美しいだけじゃない恋の謎(櫻いいよ:『わたしは告白ができない』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、櫻いいよさんのライト文芸作品『わたしは告白ができない』(角川文庫)です。

こちらの作品も「カドブン夏フェア」ラインナップからの1冊となります。昨年からいいよさんの作品をまたぼちぼち読み始めたので、未読作がラインナップに入っていたのは個人的に嬉しかったです。

今作はいいよさんが得意とする青春ストーリーではありますが、「日常の謎」要素も強くてどこか懐かしさもあ

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第169回:気分に合わせた喫茶店選びもまた良きかな(飯塚めり:『喫茶の効用』)

第169回:気分に合わせた喫茶店選びもまた良きかな(飯塚めり:『喫茶の効用』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、飯塚めりさんの『喫茶の効用』というエッセイ本です。

先月「ヒガクレ荘」で喫茶店をテーマにした本の特集をやっていて、その中から選んだ1冊です。可愛いイラスト満載の喫茶店紹介本も面白そうと思って手にしてみました。

著者の飯塚さんは喫茶店マニア。飯塚さんがこれまでに訪れた喫茶店の中から、気分別におすすめのお店を思い出と共に紹介した本となっていました。

雨の日が

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第168回:別れはいつ訪れるかわからないけど…(水沢秋生:『ミライヲウム』)

第168回:別れはいつ訪れるかわからないけど…(水沢秋生:『ミライヲウム』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、水沢秋生さんの『ミライヲウム』という作品です。
先日、本屋で見かけてどんな展開なのかとても気になったので読んでみました。

今作は恋愛小説ではありますが、ミステリー的な仕掛けも含まれているので、1冊で2度おいしい内容となっています。(ある程度ミステリーに触れていれば今作の仕掛けはわかりやすいかも?)
心が揺さぶられる物語を求めている人、気軽に謎解きを楽しみたい

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第167回:たくさんの「願い事」が自分を強くする。(いぬじゅん:『この恋が、かなうなら』)

第167回:たくさんの「願い事」が自分を強くする。(いぬじゅん:『この恋が、かなうなら』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、いぬじゅんさんのライト文芸作品『この恋が、かなうなら』(集英社オレンジ文庫)です。

この作品は、いぬじゅんさんのオレンジ文庫での前作『この恋は、とどかない』と同じ世界の物語となっていました。
前作に登場した場所や主要人物が再登場するシーンもあり、「とどかない」を読んでいると別の発見もある作品でした。

もちろん「とどかない」とは主人公は別なので、今作のみでも

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第166回:「かわいい」を深掘りすれば、世界の見方も変わるかも(益田ミリ:『かわいい見聞録』)

第166回:「かわいい」を深掘りすれば、世界の見方も変わるかも(益田ミリ:『かわいい見聞録』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、益田ミリさんの『かわいい見聞録』(集英社文庫)というエッセイ本です。

こちらは、毎年恒例の集英社文庫の夏のキャンペーン「ナツイチ」のラインナップからの1冊です。先日初めて読んだ益田さんのエッセイが面白かったので、次はナツイチのラインナップとなっていた今作を読んでみました。

今回のエッセイは、益田さんが日常や小さい頃の思い出から見つけた「かわいい」について語

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第165回:人との「縁」を大切にしたくなる物語(汐月詩:『妖しいご縁がありまして お狐さまと記憶の欠片』)

第165回:人との「縁」を大切にしたくなる物語(汐月詩:『妖しいご縁がありまして お狐さまと記憶の欠片』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、汐月詩さんのライト文芸作品『妖しいご縁がありまして』の第1巻(ことのは文庫)です。

この作品は、ことのは文庫の3周年フェアのラインナップからの1冊です。
最近気になっていた地域が舞台になっていたのもあったのですが、「和」を感じるカバーイラストや「失われた記憶を探す」というストーリーにも魅力を感じて選んでみました!

今作は不思議要素・コメディ要素も強いですが

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第164回:幸せな「魔法」にかかる物語(喜友名トト:『どうか、彼女が死にますように』)

第164回:幸せな「魔法」にかかる物語(喜友名トト:『どうか、彼女が死にますように』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、喜友名トトさんのライト文芸作品『どうか、彼女が死にますように』(メディアワークス文庫)です。

この作品はKADOKAWAの文庫レーベルの夏のキャンペーン、「カドブン夏フェア」のラインナップからの1冊です。
「なんでこのタイトル?」と前から気になっていた作品だったので、このキャンペーンを機に読んでみました。

王道な純愛ストーリーに見えて、実はファンタジーでも

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