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第166回:「かわいい」を深掘りすれば、世界の見方も変わるかも(益田ミリ:『かわいい見聞録』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、益田ミリさんの『かわいい見聞録』(集英社文庫)というエッセイ本です。

こちらは、毎年恒例の集英社文庫の夏のキャンペーン「ナツイチ」のラインナップからの1冊です。先日初めて読んだ益田さんのエッセイが面白かったので、次はナツイチのラインナップとなっていた今作を読んでみました。

今回のエッセイは、益田さんが日常や小さい頃の思い出から見つけた「かわいい」について語ったり独自でルーツを調べてみたりする内容となっていました。身の周りに溢れる「かわいい」をきっかけに、新しい世界の見方にも出会える1冊です!

あらすじ

シジミに毛玉、猫のしっぽ。さくらんぼからシャーペンの芯まで。見方を少し工夫すれば、この世界は”かわいい”で溢れている!ハッと気づいてワクワクドキドキ、ときにウットリしてみたり。語源や成り立ちを知ることで何だかちょっぴり得した気分。あなたもミリさんと一緒に”かわいい”探しの冒険に出てみませんか?読むと納得、優しい気持ちになれるコミックエッセイ。

カバーより

感想

普段何気なく私たちが口にする「かわいい」という言葉。特に女性が使う「かわいい」は非常に幅広いと思います。

プリン・ア・ラ・モードやパンダ、どんぐりと個人的に共感した「かわいい」もあれば、本の「スピン」や「ルビ」、シャーペンの芯といった著者の個性を感じる「かわいい」もある。世の中にある様々なモノを観察するのが楽しくなるエッセイでした。

個人的に面白かったのが「あやとり」の章。あやとりって日本独自の遊びなのかなと思っていましたが、紐を使って何かの形を作る遊びは世界各国にあり、技も国によって個性があるのが非常に興味深かったです。「たつまき」とか「コウモリの群れ」とかどう紐で表現するのか見てみたい…。

この本にはあやとりの他にも絵描き歌や、登下校中によくしたであろう石蹴りといった子どもの頃の遊びに注目した話も多く、ちょっと懐かしい気持ちにもなりました。絵描き歌は歌を覚えれば好きなキャラが簡単に描けてしまうので、私も小学生の頃一時期ハマっていました。

またところどころの挿絵・漫画もクスっと笑えるものが多かったです。
「シャーペンの芯」の絵は誰にでも描ける、本のスピンでできた「のれん」ってかわいいかもしれないetc…益田さんの発想は私には思いつかないものばかりで、ひとつひとつのイラストから刺激が貰えました。

中でもパンダの漫画では「リンリン」や「シャンシャン」のような「鈴の音」を連想するパンダの名前が好きとのことで、次の名前は「チリンチリン」はどうかと提案する益田さんは最高でした。

名前の由来や歴史を知ることで、今まで「かわいい」と思っていたモノたちがもっと愛おしい存在に変わる。この本を読んでそのようなことを強く感じました。

私も身近にある「かわいい」をたくさん見つけて自分なりに深掘りし、今見ている世界を変えてみたいと思った1冊でした!

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