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第168回:別れはいつ訪れるかわからないけど…(水沢秋生:『ミライヲウム』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、水沢秋生みずさわあきおさんの『ミライヲウム』という作品です。
先日、本屋で見かけてどんな展開なのかとても気になったので読んでみました。

今作は恋愛小説ではありますが、ミステリー的な仕掛けも含まれているので、1冊で2度おいしい内容となっています。(ある程度ミステリーに触れていれば今作の仕掛けはわかりやすいかも?)
心が揺さぶられる物語を求めている人、気軽に謎解きを楽しみたい人におすすめの作品です。

あらすじ

凜太郎は、中学と高校時代に、つきあっていた女性に触れた瞬間、未来を見てしまった。しかもバッドエンディングばかり。そんな体質だから、恋愛とは無縁の大学生活を貫いていた。大学二年の大晦日の夜、花火を見に出かけた同級生にキスされた瞬間、凜太郎はとんでもない未来を見てしまう。その結末を変えるべく、凜太郎は奔走するのだが……。

出版社サイトより

感想

人はいつかは死ぬけれど、「未来」は変えられる。作品に込められたこのようなメッセージが心に響きました。

未来予知を描いた恋愛小説はこれまでにもいろいろ読んできましたが、上記のようなことに気付いている物語って意外になかったなーと個人的には感じました。

私が今作で印象に残ったのが、凛太郎の父が亡き妻との思い出を語るシーンです。妻との時間のため、そして家族の未来のために様々な人と協力し合う父の奮闘ぶりに感動しました。

凛太郎はこれまで未来予知で見た場面から回避することばかり考えていたところがありましたが、父の思い出話を聞いて少しでも長く恋人のともと一緒にいたいと願うようになりました。

父の話や凛太郎の選択からは、たとえ嫌な結末を事前に知っていてそれを回避できたとしても、人生はそれで終わりじゃないことを強く実感しました。

これからのことはどうなるのかわからない。もしかすると意外な形で大切な人との別れの時が訪れるかもしれない。だからこそ一日一日を大切に生きていきたい!と今作を読んで思いました。

大好きな人と過ごす時間をもっと大切にしたくなる、素敵な恋愛小説でした!

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