遍く、(amaneku.)
『山ぐらし』とは? 周りを見渡すと山ばかり。ご近所さんは車で5分のところにあるスキー場。だけど自然豊かで四季折々の美しさが1年中楽しめる。そんな人里離れた場所に私の家(実家)はあります。 山や自然に囲まれた所で暮らしているからこその、その土地の材や知識を使った生活。化石燃料や電気をなるべく使わないような環境に負荷のかからないものを選んだ生活。そんな山での生活のほんの一部をご紹介します。
ふわふわの雪が 溶けて流れて滴って 透明度を増して また凍る そしてまた雪の中に戻っていく そんな氷柱(つらら)の詩です。 『氷柱』 _______________…
自分に正直な体であるために 普段、触れる機会が少ないであろう背中に 人より多く触れて 逆に、その背中は 普通よりも多くいろんなものに触れているな と感じそのことを散…
『夕焼け、目の中で』 _________________ わたしが見た夕焼けは あなたが見た朝焼けだった さよなら 触れる青も ただ、とどまっていてほしくて 朝日…
透明な窓 透けるカーテン ガラスの瓶 プールの中 水 雲 葉 フィルターのような様々なものを通して 捉える 光の形・色・存在。 そしてその光をなぜだかいつも 心地よく…
夏は暑くて身軽な服を着ることが多くなる分、素肌に触れる機会もいつもより多く感じます。 また、裸足でいることも。 そんな夏に書いた詩です。 『裸足の中』 _________…
フリーペーパー「山ぐらし」vol.2を発行しました。 今回は、わたしの実家の"木組みの家"について紹介しています。 木組みの家の特徴やできるまでの工程を ①木組み・・・…
先日初めて参加した、詩の合評会。 その際に提出した空の色に関する詩です。 夕日が沈む直前の まだ夜が夜になりきらない その時の空の明るさ、空の青の色について書きま…
小さい子どもが綺麗に並べたかのように、普段見せている顔を下に伏せて散っていくツツジの花。花を支えていた”がく”と一本のめしべを残して、そのめしべをつたうようにゆ…
普段書いている短い文章・詩のもととなっている、わたしの生まれ育った自然に囲まれた山でのくらしについてまとめた 『山ぐらし ー自然とよりそう山でのくらしー (vol.1)…
先日、自分の売るものを作るという機会があり 『天然ドライ植物 標本』というものを作りました。 山の中を散歩しているときに見つけたドライになった植物たちに、ほとんど…
街を歩いていると いろんな音が近寄ったり離れたりしていることに気づきます。 遠くでなっている信号の音 商店街に流れる女の人の歌声と音楽 風で草木が互いに擦れる音 す…
階段の隅に落ちていた、ツツジの花びら。 毎日同じ場所にあるその花びらですが 土から離れ、環境が変わることで 普段身に纏っている色ではなく 外側から順に侵食されてい…
音楽を聴いていたり、 個室や密閉空間、水の中にいると 「音」は体表に触れながら漂って 輪郭を覆うようにその空間を満たします。 そんな「音」についての文です。 『空…
形を少しずつ変えながら地面を照らす光。 その光と共にある 陰り。 新緑の美しさをさらに際立たせる陽光・木漏れ日の散文です。 『陽光の隙間』 _______________________…
お風呂のお湯は身体を芯から温めてくれるというしあわせをくれるだけでなく、 わたしをより鮮明に見せてくれるフィルターの一つとして存在します。 深さによってフィル…
『夜』と言ってもいろんな夜があります。 夜を感じる場所が違ったら、 夜を感じる人が それぞれの場所で夜を感じていたら、 その分異なるたくさんの『夜』が生まれます。 …
2021年2月4日 21:20
ふわふわの雪が溶けて流れて滴って透明度を増してまた凍るそしてまた雪の中に戻っていくそんな氷柱(つらら)の詩です。『氷柱』____________________生きている、わたしの中のなにが生きているという印になっているのか血が通っていても生き長らえながら死んでいて体温を失ってもなお生きている氷柱のように脆く壊れやすい受動装置はすぐに折れて そ
2020年10月11日 20:52
自分に正直な体であるために普段、触れる機会が少ないであろう背中に人より多く触れて逆に、その背中は普通よりも多くいろんなものに触れているなと感じそのことを散文にしました。『知らない背中』__________________痛みや違和感がなかったらおそらく意図的には一生触ることのなかった背中に素肌に数え切れないほど触れ何人ものひとに触れてもらうこんなことはないだ
2020年9月26日 21:06
『夕焼け、目の中で』_________________わたしが見た夕焼けはあなたが見た朝焼けだったさよなら触れる青もただ、とどまっていてほしくて朝日を夕日にかえた目をいつわりだと責めたてたがるその中からうまれる目でまた夕日をみている _________________
2020年9月6日 20:47
透明な窓透けるカーテンガラスの瓶プールの中水雲葉フィルターのような様々なものを通して捉える 光の形・色・存在。そしてその光をなぜだかいつも心地よく感じます。夏の太陽のようにギラギラ照りつけ、光る姿も魅力的ですがある一つのものを通して見える光の姿に魅せられてしまう。そんな光についての散文です。『てんくう光』__________________光が直接
2020年8月31日 21:13
夏は暑くて身軽な服を着ることが多くなる分、素肌に触れる機会もいつもより多く感じます。また、裸足でいることも。そんな夏に書いた詩です。『裸足の中』___________________________________________皮膚の内側には血が流れていることわたしたちはきっと忘れていた夏はそんなわたしたちをもといた場所にかえしてくれるように裸足の足のうらを
2020年8月19日 21:42
フリーペーパー「山ぐらし」vol.2を発行しました。今回は、わたしの実家の"木組みの家"について紹介しています。木組みの家の特徴やできるまでの工程を①木組み・・・木組みの家の土台となる、木と木のみで造る家の骨組みのこと。②木舞掻き(こまいかき)・・・木組みの家の、土壁の下地を作る作業。③土壁・・・土・砂・漆喰(漆喰)の3つを順に重ねて作る木組みの家の壁。④梁・・・木組みの家の重さを
2020年8月12日 21:15
先日初めて参加した、詩の合評会。その際に提出した空の色に関する詩です。夕日が沈む直前のまだ夜が夜になりきらないその時の空の明るさ、空の青の色について書きました。
2020年7月20日 20:11
小さい子どもが綺麗に並べたかのように、普段見せている顔を下に伏せて散っていくツツジの花。花を支えていた”がく”と一本のめしべを残して、そのめしべをつたうようにゆっくりと地面に落ち、散っていく。そんな魅力的なツツジの花の散り方をどうぞご覧ください。(参考文献)『足跡と最後の飾り付け』____________________あなたが必要とされなくなったいまいままで見ていた存在が嘘のよう
2020年7月16日 16:57
普段書いている短い文章・詩のもととなっている、わたしの生まれ育った自然に囲まれた山でのくらしについてまとめた『山ぐらし ー自然とよりそう山でのくらしー (vol.1)』というフリーペーパーを発行しました。自分ではあたり前だった山での生活が実はあたり前じゃなかったということ、山での生活から離れたことで気づいたことなど、あたり前ではないけれどあたり前だったそんな自然に囲まれた山での生活をフリー
2020年7月16日 16:51
先日、自分の売るものを作るという機会があり『天然ドライ植物 標本』というものを作りました。山の中を散歩しているときに見つけたドライになった植物たちに、ほとんど手を加えずにそのままの状態で、それぞれに詩を添えた『天然ドライ植物 標本』。↓ 『天然ドライ植物 標本』の説明__________________________________________ドライ植物一種類ごとに、その
2020年7月6日 21:20
街を歩いているといろんな音が近寄ったり離れたりしていることに気づきます。遠くでなっている信号の音商店街に流れる女の人の歌声と音楽風で草木が互いに擦れる音すれ違う人々の話声近寄ったらすぐ離れていく自転車の音降ってくるように波のように行ったり来たり近づいたり遠のいたり通過したりとどまったりして存在するそんな音の散文です。『見えない遠近感』_______________
2020年6月29日 20:48
階段の隅に落ちていた、ツツジの花びら。毎日同じ場所にあるその花びらですが土から離れ、環境が変わることで普段身に纏っている色ではなく外側から順に侵食されていくように色を変えていきました。その意図的にではなく自然と移り変わる色の変化は日に日に魅力をますように形を変え美しさを放っていきました。そんなツツジと色の変化の散文です。『反射と内在』________________
2020年6月7日 21:24
音楽を聴いていたり、個室や密閉空間、水の中にいると「音」は体表に触れながら漂って輪郭を覆うようにその空間を満たします。そんな「音」についての文です。『空中の音』___________________________________________耳を覆うその音はわたしの中に入りたいのか、わたしを犯しているのかただ覆っているだけなのか、守ろうとしているのか出入りを繰り返
2020年5月31日 22:48
形を少しずつ変えながら地面を照らす光。その光と共にある 陰り。新緑の美しさをさらに際立たせる陽光・木漏れ日の散文です。『陽光の隙間』__________________________________________影が日向になり日向が影になるその美しさに嫌でも気づいてしまう存在が影を示し、光が空間を表しているのならあり方を互いに示し合っているように動き合う 身を寄せ合う
2020年5月17日 22:08
お風呂のお湯は身体を芯から温めてくれるというしあわせをくれるだけでなく、わたしをより鮮明に見せてくれるフィルターの一つとして存在します。 深さによってフィルターを何重にも重ねることができるので、見たくない時はぼんやりと輪郭だけを見ることもできるし、聞きたくない時はフィルターを外してしまえば済みます。見えなかったもの聞こえなかったものがそのフィルターを通すことで可視化される。鮮明にだ
2020年5月10日 20:57
『夜』と言ってもいろんな夜があります。夜を感じる場所が違ったら、夜を感じる人がそれぞれの場所で夜を感じていたら、その分異なるたくさんの『夜』が生まれます。夜の闇を照らすコンビニのあかり。照らすというよりも射すようなその光は、長年田舎に住んでいた私にとって異様な一つの夜のあり方でした。良い悪いではなく、この光景からわたしがみたものをお届けします。『一方向の夜』______