詩 『裸足の中』
夏は暑くて身軽な服を着ることが多くなる分、素肌に触れる機会もいつもより多く感じます。
また、裸足でいることも。
そんな夏に書いた詩です。
『裸足の中』
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皮膚の内側には
血が流れていること
わたしたちは
きっと忘れていた
夏はそんなわたしたちを
もといた場所に
かえしてくれるように
裸足の足のうらを天井に向けて
ここだと
ここにいていまもいると
わたしの中を覗かせてくれる
同じように
わたしたちの足元には
根がはっていて
自分から離れてはいけないというように
根を這わせ
気がついたら
目に見える足下だけでなく
その根は全身を覆っていた
わたしから離れないように
逃げないように
自身にゆっくりと
ただ 根をはっている
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