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50歳にして大反省、おそるべきは「中島みゆき」。まだ間に合うか?「ファイ…トッ!」
「ファイ…トッ!」
その声が、誰かへの声援だとすれば
恐らく届かないほど、小さすぎる。
「ファイ…トッ!」
強大な敵を前にして、
自分を追い込み、相手を威嚇する声だとすれば
そのトーンは軽すぎる
初めてその曲を聞いたのは、
手あたり次第にレンタルレコードを
カセットテープにダビングしていた学生時代だった。
LP盤のB面、最後の曲だ。
とにかく暗い、口ずさむことさえ
はばかられるような、そんな
海のむこうはアメリカ
「とりあえず言うとく。
海のむこうは、アメリカや!」
何かに行き詰まったとき
こころ折れそうなとき
嫌になって、逃げたくなったとき
遥か記憶のかなたから
時代錯誤で意味を伴わない、このフレーズが
控えめにリフレインしてくる
そのたびに失笑を誘うのだけれど
なぜか元気と勇気、やる気が湧いてくる。
ことばの力は、
”何を言っているのか” ではなくて
”誰が言っているのか” が重要なんですね。