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テイラー・スウィフトと英米文学⑧ The Albatrossと『老水夫の歌』
4月19日にリリースされたテイラー・スウィフトの最新アルバム『The Tortured Poets Department』の19曲目に収録されている『The Albatross』についての記事です。
アルバトロスとはアホウドリという海鳥の英語名です。英語圏では「逃れられない罪」の文学的メタファーとしても知られています。
今回はそのメタファーの元ネタと言える長編詩、サミュエル・テイラー・コールリ
Taylor Swift: The Eras Tour Filmの#推し短歌
全国上映中のツアー映画The Eras Tour Filmを観た感想をどこかに纏めたかったけれど、色んな想いが溢れてとても書き終えられる気がしなかったので、いっそ短歌という字数制限を設けてみた。noteの#推し短歌という企画の締切は過ぎてしまっているけど、せっかくなのでタグも付けておきます。
軽やかに十の時代を翔けていく 幾万人を翼に乗せて
The Eras Tourはデビューから今までに発表し
【Eras Tour予習用】 曲の内容をざっくり紹介
テイラー・スウィフトのEras Tour来日公演に参戦される方向けに、セットリストに含まれる曲の歌詞の内容をざっくりと紹介してみます。
この記事は「テイラーの曲は好きだけど歌詞の内容までは知らない」「有名曲なら知っているけど知らない曲も結構ある」という方に向けたものです。
テイラーのソングライターとしての真髄は歌詞にあるといって差し支えないでしょう。ライブでの演出も歌詞の内容に合わせたものにな
テイラー・スウィフトと英米文学⑦ evermoreとエミリー・ディキンソン
テイラー本人がfolkloreの「姉妹盤」と呼ぶだけあって、evermoreもまた一冊の詩集のようにテーマやモチーフが絡み合いながら進んでいく作品です。
evermoreの個人的な好きポイントを一つあげるとすれば、アルバム全体が船旅に始まり船旅に終わること。
一曲目の冒頭では語り手である「私」や「あなた」が海や船に喩えられていてなかなか壮大な雰囲気を醸しながらも、アルバムの最後の曲に辿り着く頃に
テイラー・スウィフトと英米文学⑥ ロマン派詩人William Wordsworthとthe lakes
テイラー・スウィフトと関連の深い文学作品を勝手に紹介します。第6弾です。
久しぶりの更新となりましたが!
今回はfolkloreのボーナストラックthe lakesについて、知っておくと少し嬉しいかもしれない豆知識を書こうと思います。
英文学好きにはたまらないモチーフやフレーズが散りばめられている情緒的な歌詞です。読書家のテイラーらしさが詰まった素敵な曲ですね…。
ElegyとEulogy
テイラー・スウィフトとマッドな女たち
昨年テイラー・スウィフトがリリースしたThe Manという曲に好きな一節がある。
世間の男女に対する扱いの違いを歌っている。
この一節の中のmadとbadの使い方がとても好き。特に最後の二文。
What's it like to talk about
Raking in dollars, and getting bitches and models?
And it's all good if
テイラー・スウィフトのfolkloreと時間について
深夜1時。リリースされたばかりのテイラー・スウィフトのアルバム「folklore」を、ひたすらノートに書き写している。
大学院時代、研究対象の作品やその周辺の論文を理解するために時々とっていた手段だ。ひたすらに目の前の言葉を手書きで写し続けることで思わぬ発見をすることがある。
ファンとしてテイラーを応援してきた13年間の中で、曲の歌詞を書き写そうと思ったのは初めてだと思う。
様々な語り手が交
テイラー・スウィフトと英米文学⑤ 『グレート・ギャツビー』とreputation
テイラー・スウィフトと関連の深い文学作品を勝手に紹介します。第5弾です。
今回は、1920年代アメリカを代表する作家の一人、F.スコット・フィッツジェラルドについて書いていきます。
テイラーはフィッツジェラルドが大好きテイラーはこれまで数々のインタビューで「フィッツジェラルドの作品が好き」と公言してきました。
Instagramにも、何度も彼の引用を投稿しています。
飼い猫のベンジャミン・バト
テイラー・スウィフトと英米文学 ②ナサニエル・ホーソーン『緋文字』
テイラー・スウィフトと関わりのある文学作品を勝手に紹介します。
第二弾です。
Love Storyに出てくる不思議な表現前回はLove Storyの題材である『ロミオとジュリエット』についてでした。
今回はもうちょっと細かく、Love Storyに出てくる歌詞のワンフレーズについて書こうと思います。
(2番Bメロ)
“But you were Romeo /
I was a scarlet
テイラー・スウィフトと英米文学 ①『ロミオとジュリエット』
読書好きの方ならば、誰しもお気に入りの作品との忘れられない出会いがあると思います。
「たまたま表紙のデザインが可愛くて読んでみたら人生変わった」とか「友達に貸してもらったあの本で世界観がひっくり返った」とか。
私の場合、人生を変えた作品との出会いのいくつかはテイラー・スウィフトがキューピッドになってくれました。私が英米文学の沼に沈んだ責任の一端は彼女にあります。
そこで、テイラー・スウィフト