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エナジー系読み物

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数十秒で読める超短編小説や物語を書いています。読むと少しだけ元気が出るかもしれないエナジー系読み物。
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記事一覧

『シール1枚日記』/掌編小説

『シール1枚日記』/掌編小説

姪っ子がシールにはまっている。
小学三年生の元気な女の子だ。
姉の住む家と私と両親のいる実家は近く、姉は姪っ子を連れてしょっちゅう家にやってきていた。私も仕事が休みの日には姪っ子と一緒にゲームをやったり、絵本を読んだり、楽しく過ごしている。

そんな姪っ子の今のブームが、かわいいキャラクターのシールを集めること。姉に文房具屋さんや大きな本屋さんで買ってもらったシールを大事にシール手帳へ貼って、いつ

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『丑三つ時の幽霊』/掌編小説

『丑三つ時の幽霊』/掌編小説

なにかが枕元に立っている。

深夜2時44分。丑の刻に加えて4のゾロ目。昔から怖がりで、心霊写真やホラー番組の類いが大の苦手である私は、この時間帯には時計すら見たくないのに、頭上に視線を感じるような気がして、はたと目が覚めてしまった。

そこには去年亡くなった祖父がいた。
不思議と怖さはなかった。
じいちゃん。会いたいと願ったときも、夢にも出てきてくれなかったのに。
それが枕元に立つなんて。よっぽ

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『ランナーズ』/掌編小説

『ランナーズ』/掌編小説

彼は走る。

ダン、ダン、と固いアスファルトを足裏に踏みしめて、全身で風を切る。

――もう、息が、上がって、きた。

毎年恒例の市民マラソンに参加する度、思い出すことがあった。

止め、ときゃ、よかった__。

後悔の想いだ。
どういうわけか、バカみたいに、
毎年ゴールラインを切った瞬間、苦しみも、息のつまりも、痛む脚も、全て忘れてまた来年の大会のエントリーシートに、先の丸まった鉛筆でスルスルと

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『魔法のどんぐり』/掌編小説

『魔法のどんぐり』/掌編小説

ころっとした一粒のどんぐりを両手で包む。
「どんぐり、どんぐり、どどんぐり。」
両手の隙間からパッと光が漏れる。

ゆっくりと手を開くと、どんぐりがきれいな包み紙のキャンディーになっていた。
子供たちが歓声を上げる。
「わ~。すげー。」
「なんでぇ?」
「これって魔法?」

「魔法だよ。みんなにもできる。温めながらほしいものをイメージするんだ。失敗しても諦めないで。希望はいつだって、君の中にあるん

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『Hello world』/掌編小説

『Hello world』/掌編小説

ハロー、ワールド。
生まれたよ。

いろんな遊びをして、いろんな失敗をして、いろんなことを学んで、
いろんなことで傷付いて、いろんな人を傷つけて、
なにもかも嫌になって、立ち止まって、休んで、絶望して、
希望を探して、また歩き出すよ。

ハロー、ワールド。

『サンドイッチと回転寿司』/掌編小説

『サンドイッチと回転寿司』/掌編小説

決して叶わぬ願いだった。

もう一度、お父さんと回転寿司に行きたいな。
小さい頃から、なにかうれしいことがあると、決まって回転寿司に連れていってくれた。
「回るお寿司で悪いけど。」
そう言いながら嬉しそうに、白い大きなエスティマで近所のお店まで家族でドライブ。

その日は私が学校の中間テストで学年4位を取ったときだった。
「がんばったなぁ。」
好物のサーモンのお皿をとりながらボソッと言う。お父さん

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