![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99226108/rectangle_large_type_2_ac55f2d81bbb1fc7209dd85475bb718e.png?width=800)
Photo by
take_kuroki
『魔法のどんぐり』/掌編小説
ころっとした一粒のどんぐりを両手で包む。
「どんぐり、どんぐり、どどんぐり。」
両手の隙間からパッと光が漏れる。
ゆっくりと手を開くと、どんぐりがきれいな包み紙のキャンディーになっていた。
子供たちが歓声を上げる。
「わ~。すげー。」
「なんでぇ?」
「これって魔法?」
「魔法だよ。みんなにもできる。温めながらほしいものをイメージするんだ。失敗しても諦めないで。希望はいつだって、君の中にあるんだよ。」
あの日以来、魔法使いのおじさんには会えなかったけれど、どんぐりを見つけるとつい拾って帰るようになってしまった。
ポケットにはいつもどんぐりがいっぱい。
還暦を過ぎた今、ずっとやりたかったマジックに挑戦しようと思っている。
よろしければサポートをお願いします!日々の創作活動や生活の糧にさせていただきます。