ホロロギ

北海道出身のゲームクリエイター志望。シナリオ担当。イラストも描けるがアマチュア。週に一…

ホロロギ

北海道出身のゲームクリエイター志望。シナリオ担当。イラストも描けるがアマチュア。週に一度、なんらかの記事を投稿している(たまに休む)。

マガジン

  • 創作物の陳列棚

    短編小説、コミックエッセイなどです。「この人、普段どんなの作っとるんだ?」と思われたら、是非覗いていってください。

記事一覧

創作者クラスチェンジ!

創作を円滑にするための型を、いろいろと試したり、使いやすく微調整したりしている。 例えば、物語を作る上で「起承転結」という型がある。 これを「起承転転」にして、「…

ホロロギ
4日前
6

魔王ホロロギと鼻の孔のデカい勇者

作家が小説を書くにあたって、最初にテーマを決める。 その後、どういう表現をするかを考える。ストーリーやキャラクター、結末などを決めていく。 角田光代さんや辻村深月…

ホロロギ
11日前
9

人から影響を受けやすいよね

感受性が良いことを褒めてもらえるのは、十歳くらいまでだと思う。 それを過ぎると、途端に「クサイ」「厨二病」と誹謗されがちだ。 豊かな感性から生まれたはずのイメージ…

ホロロギ
3週間前
16

フォトジェニックな人

うつ病は、心身とも、強い疲労感にさいなまれる病気だ。 とはいえ、家にこもってばかりになると、体もなまるし、気も滅入ってくる。 適切な抗うつ薬が処方され、外に出られ…

ホロロギ
1か月前
38

佐藤宏美個展「mymyth」の思い出

ゲーム制作の相棒が、先日、とある個展に行きたいと言い出した。 「何の個展?」と問うと、見せられたのがこの記事のヘッダー画像。 色彩のない写真だったこともあり、私は…

ホロロギ
1か月前
21

マンガ「ぶんかちゅ」

キャラクター原案:暗号化エンリ 作画:ホロロギ

ホロロギ
1か月前
16

笹倉鉄平のアーティスティックな瞳

笹倉鉄平という画家をご存知だろうか。 海外の港の風景をファンタジックに描く人で、「光の情景画家」と呼ばれる。 私がこの画家の絵を知ったのは、二十歳くらいの時だった…

ホロロギ
1か月前
11

ワコム国際芸術祭2024の思い出

noteでの投稿が、とうとう100回を数えました。 今日はイベントレポなどをしてみようと思います。 今年2月17日、北海道札幌市で行われた「ワコム国際芸術祭(WIAF)」に、私…

ホロロギ
2か月前
34

縦スク漫画「君の頭の中どうなってんの?」(2)

ホロロギ
2か月前
22

短編小説「大卒ぼんくら」

最後に、彼女は言った。 「あなたは、きっと何言われても、わかんないよ」 顔はこちらを向いているのに、まともに目を合わせともしない。 うんざりしたような表情を背けて…

ホロロギ
2か月前
37

不細工で短足、そこがいい

前の職場で、猫のデジタルイラストを描いたことがある。 私はいわゆるブサ猫、不細工な猫が好きだ。大好きだ。だから、その時描いていたイラストも、不細工で短足な猫だっ…

ホロロギ
2か月前
27

うまくいかない時は基礎

新しい作品づくりを試みようと、情報や知識をインプットしている。 興味のある分野の本を買って読んだり、YouTubeで専門家の話を聞いたり。 いざ、アイディア出しになると…

ホロロギ
3か月前
29

短編小説「グズの男」

これは、後から聞いた話だ。 俺も、そいつの身の上については、何も知らなかったよ。だって、ろくに会話したことなかったもの。 あるとしたら、そいつが俺の店にやって来て…

ホロロギ
3か月前
81

君が君なのは偶然じゃない、必然だ

作品を作っていると、偶然性に頼りすぎているな、と感じたことがある。 そもそもアイディアというもの自体、私は偶然に頼っていた。 カラーバス効果というものがある。意識…

ホロロギ
3か月前
14

こういう年の取り方をしたい

青春時代にファンだった歌手が、年齢を重ねた現在、ふたたびマイクを握っている。そんな動画を、私はしばしば視聴している。 今流行りの楽曲をカバーしたり。 若かりし頃…

ホロロギ
3か月前
49

これからはアサーティブに

ライトノベル作家を目指していた頃は、とにかく自分を捨てなければならないと思い込んでいた。 ライトノベル作家を目指したといっても、私はそもそも、プロが書いたライト…

ホロロギ
4か月前
13
創作者クラスチェンジ!

創作者クラスチェンジ!

創作を円滑にするための型を、いろいろと試したり、使いやすく微調整したりしている。
例えば、物語を作る上で「起承転結」という型がある。
これを「起承転転」にして、「結」を読者に意識させないくらい、あっさり控えめにした方が収まりがいい、とか。
そういう型の試行錯誤をしている。

前は、こういう理論を、自分の創作に適用することをしなかった。
書きたいものを、書きたいように書いていた。

他者の創作論など

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魔王ホロロギと鼻の孔のデカい勇者

魔王ホロロギと鼻の孔のデカい勇者

作家が小説を書くにあたって、最初にテーマを決める。
その後、どういう表現をするかを考える。ストーリーやキャラクター、結末などを決めていく。
角田光代さんや辻村深月さんといったプロ作家のインタビューを拝見すると、それぞれ決まった創作のプロセスがあるようだ。

いくつか創作論の本を読んだところ、ドラマが生まれるのは多くの場合、誰かと誰かが対立した時だ。
いや、対立とまでいかなくてもいい。ただ一緒に行動

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人から影響を受けやすいよね

人から影響を受けやすいよね

感受性が良いことを褒めてもらえるのは、十歳くらいまでだと思う。
それを過ぎると、途端に「クサイ」「厨二病」と誹謗されがちだ。
豊かな感性から生まれたはずのイメージや言葉が、だんだんと周りの感性にそぐわなくなっていくのだろう。

私が十六歳の時、思春期らしく、親のことで悩んでいた。
親が過干渉で、好きなロックバンドのライブに出かけることができなかった。
同級生たちは、高校に進学した途端に髪を染めたり

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フォトジェニックな人

フォトジェニックな人

うつ病は、心身とも、強い疲労感にさいなまれる病気だ。
とはいえ、家にこもってばかりになると、体もなまるし、気も滅入ってくる。
適切な抗うつ薬が処方され、外に出られるようになったのは、かれこれ十年ほど前になる。
ある日、一念発起し、Nikonのデジタルカメラを買った。
インスタグラムにアカウントを作り、発表する場所もできた。
精神科の主治医には、写真を撮る目的での散歩をすることに、大いに賛同してもら

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佐藤宏美個展「mymyth」の思い出

佐藤宏美個展「mymyth」の思い出

ゲーム制作の相棒が、先日、とある個展に行きたいと言い出した。
「何の個展?」と問うと、見せられたのがこの記事のヘッダー画像。
色彩のない写真だったこともあり、私は最初、何かの生き物の死骸かと思った。本当は死骸ではなかったものの、生命の重さやリアリティのようなものが見て取れた。
それが、アーティスト・佐藤宏美さんの創作物の第一印象だった。

佐藤宏美さんの個展「mymyth」(マイミスと読み、「私の

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マンガ「ぶんかちゅ」

マンガ「ぶんかちゅ」

キャラクター原案:暗号化エンリ
作画:ホロロギ

笹倉鉄平のアーティスティックな瞳

笹倉鉄平のアーティスティックな瞳

笹倉鉄平という画家をご存知だろうか。
海外の港の風景をファンタジックに描く人で、「光の情景画家」と呼ばれる。
私がこの画家の絵を知ったのは、二十歳くらいの時だった。大きい文房具屋の一階にカレンダーの売り場があり、そこで販売されていた一つが目に留まった。
やんわりとした青と紫の溶け合う宵闇に、ふわっと染まっている港町が、うきうきするような光であふれている。笹倉鉄平の絵を用いたカレンダーだった。
アー

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ワコム国際芸術祭2024の思い出

ワコム国際芸術祭2024の思い出

noteでの投稿が、とうとう100回を数えました。
今日はイベントレポなどをしてみようと思います。
今年2月17日、北海道札幌市で行われた「ワコム国際芸術祭(WIAF)」に、私は相棒とともに行ってきました。

私も相棒も、ワコム製品のヘビーユーザー。二人ともCintiq 16という液晶タブレットを使って、修行をしたり作品を作ったりしています。
このほど、ワコムのイベントが、札幌市民交流プラザで催さ

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短編小説「大卒ぼんくら」

短編小説「大卒ぼんくら」

最後に、彼女は言った。
「あなたは、きっと何言われても、わかんないよ」
顔はこちらを向いているのに、まともに目を合わせともしない。
うんざりしたような表情を背けて、玄関のドアノブをひねる。
その華奢な背中に、俺の影が必死にすがりついている。
だけど彼女はひとりで玄関を出る。まばゆい白日が、彼女を迎え入れるように陽射しを下ろしている。
そんな光景も束の間。容赦なく閉められたドアが、俺の鼓膜をびくっと

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不細工で短足、そこがいい

不細工で短足、そこがいい

前の職場で、猫のデジタルイラストを描いたことがある。
私はいわゆるブサ猫、不細工な猫が好きだ。大好きだ。だから、その時描いていたイラストも、不細工で短足な猫だった。

すると、たまたま通りかかった同僚が、そのイラストの猫にダメ出しをしてきた。
まず、猫に見えない。
顔が大きい。鼻が低い。いっそ別の生き物に見える。
おまけに短足で尻尾が短く、美しさに欠ける。
毛の色も全部ネズミ色で、印象も良くない。

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うまくいかない時は基礎

うまくいかない時は基礎

新しい作品づくりを試みようと、情報や知識をインプットしている。
興味のある分野の本を買って読んだり、YouTubeで専門家の話を聞いたり。
いざ、アイディア出しになると、うーんうーんと頭を悩ませる。
さっぱり手が動いてくれない。
ああでもない、こうでもない。
あれもボツ、これも使えない。
気がつけば、鈴木雅之の名曲「違う、そうじゃない」をリピートして聴いていたりする。

アイディアを出す環境につい

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短編小説「グズの男」

短編小説「グズの男」

これは、後から聞いた話だ。
俺も、そいつの身の上については、何も知らなかったよ。だって、ろくに会話したことなかったもの。
あるとしたら、そいつが俺の店にやって来て、一番安いラーメンを注文する時だけ。食って、会計して立ち去るまで、雑談なんかする余裕なんかない。こっちも、住宅地の真っただ中にある食堂とはいえ、仕事帰りの若いやつらが、そこそこやって来る。一人で営んでいるんだから、客と話しているゆとりなん

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君が君なのは偶然じゃない、必然だ

君が君なのは偶然じゃない、必然だ

作品を作っていると、偶然性に頼りすぎているな、と感じたことがある。
そもそもアイディアというもの自体、私は偶然に頼っていた。
カラーバス効果というものがある。意識していると、街を歩いて風景を眺めるだけで、欲しい情報が目に留まるようになる。
それに頼って、普段からアンテナの感度を上げ、いくつかのキーワードに似つかわしい情報を収集していく。
さながら、餌や仕掛けを使わずに釣りをするようなものだ。

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こういう年の取り方をしたい

こういう年の取り方をしたい

青春時代にファンだった歌手が、年齢を重ねた現在、ふたたびマイクを握っている。そんな動画を、私はしばしば視聴している。

今流行りの楽曲をカバーしたり。
若かりし頃のヒット曲を、キーを下げて歌ったり。
伝説的なロックバンドの歌手でさえも、ファルセットやビブラートなどの発声が変わっていたりすると、「この人も大人になっちゃったんだなぁ」と感慨深くなるものだ。

寂しくなることもあったが、「こんな年の取り

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これからはアサーティブに

これからはアサーティブに

ライトノベル作家を目指していた頃は、とにかく自分を捨てなければならないと思い込んでいた。

ライトノベル作家を目指したといっても、私はそもそも、プロが書いたライトノベルの文章の軽さが、どうしても好きになれなかった。
シーン作りや設定の浅さなどは、まだ我慢できる。
心情描写が説明くさかったり、形容が薄かったりすると、途端に堪忍袋の緒が切れた。

それでも、その作家たちは、文学賞を取って本を出版してい

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