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#空回る

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普通になれなかった、
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#自由詩

薄紅花葛/usubeni hana kazura

薄紅花葛/usubeni hana kazura

夢なんて重くならないうちに 
綿毛みたいに飛んでしまえばいいのにさ 
いつまでも涙を吸い込んで ぐずって 
情けなくって 散っていけないのよ 

交差点 うつむいて下がる前髪 
白い軽トラックのライトがスローモーション 
イエローグリーンの光に
僕の亡霊だけ轢かせておいたんです 

あの扉を開けたらあの子がいて 
だらしなく口の端を上げて
おかえりって言うんだ 
薔薇の棘でトびたいっていう君は 

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凍狼星 / Lupus

凍狼星 / Lupus

黒い月が染み出す夜に 
青い鳥を探す狼は誰 
飼い殺しの時限爆弾の中身は 
滑稽な道化師であればいいのに 

手を合わせたら 虚夢に溶けてほら 
音もなく魂まで融解する 
懺悔なんて 大そうなものじゃない 
見よう見まねで 傲慢に祈るだけ 

ステンドグラスで照らされた眼窩は 
白昼 君の目元の鮮やかさに似て 
赦されたみたいな清々しい顔で 
ヒトの目を欺く 

「嫌いになったでしょう」 
不釣合

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暗室ト花向ケ

暗室ト花向ケ

白百合を口に詰められて 
窒息する夢を見よう 
僕に触れないで 綺麗にしてみせてよ 
もう 何も汚したくないから 

待ち構える太陽には とびきりの作り笑いを 
大好きな音楽を 消える感傷にしないで 

君が僕を忘れる前に 
僕が僕を忘れる算段で 
排煙ファンの隣で息をする 
瞳は 何度目かの雑踏を捉えた 

三日月の破片を水槽に沈めて 
逃げる魚の残映が 
何もない部屋の壁に 
仄暗く 陰って

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紙吹雪は微笑まない

紙吹雪は微笑まない

開ければ 幸せが出てくる箱なら
君は 喜んで値を付けた?
売った時間と 人肌と 後悔
記憶の中 自画像に爪を立てる

昨日まで蕾だった 花 踏んで
狂ったみたいに 笑い出す
蹴り上げる靴の先は
檻の中から吹き出す シャボン玉 潰していった

絵本の兎が 赤い瞳に涙を溜めた
怯える剥製は 言葉を持たず 不満の色
鏡に映ったのは 古びた体躯だけ
幸いだ 誰も心など見たくはない

首をもたげた サーカス

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アブノーマル・ルーティーン

アブノーマル・ルーティーン

女学生に道を譲れない
雨の道は 醜く濡れていた
黒い服を好んで着るのは
少し優しくするだけで 喜ばれるから

駅のホームのどこまで歩いたら
平穏な気持ちでいられるかな
誰だっていいさ 思い通りにならない日の
僕の心を 逆撫でしないなら

車内 不眠明けの頭は 感傷までバグって
幼い少女の大げさなセリフが 刺さったまま
『 だ い す き 』 その言葉を
誰もが 誰かに 言われたがっているのに

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Xは妄説より奇なり

Xは妄説より奇なり

路上で廻る パペットショーに投げ銭
対価は心 狂うほどの高値
構って欲しそうな顔が いくつも並んで
搾取されるのを待っている

昨日の詐欺師は 今日の被害者
避雷針の上で カラスが嗤う
聞こえないふりをして
ダミーの善人を あしらってゆけ
ここじゃ皆が人間不信さ

マッチ売りの少女は 喫煙所でダウナー
憐憫と同情は 好奇の眼差し
ネオン街で夢を追う
インソムニア・ボーイとすれ違う

迷路になって

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只、捨てて欲しかっただけ

瞳を凝らして見つめた 道路の先に気球
子供の頃から飛び立たないまま
道化に目的を求めては 一人傷ついて
仮面が割れ落ちる 歪な音がうるさい

3階のアパートの誰かの部屋には
まだ明かりがついていて
ベランダの椅子で 出ない煙を吸うのでしょう
ドーム型の白い月と青
狂いだした昼下がりに 手を振っていたなら
一方通行で 友達になってくれますか

運ばれていく 透過した雲の一群が
意識のない

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橄欖石/vivid

3、2、1 アンサーの次に Q
倒れた写真立て カーテンは風を逃がす
目隠しされた籠の鳥の自由は 空想の世界
君はそれを 幸せじゃないと言うの

虹がかかるときの 光と街の不調和
思い出した 知っていた
これは救済の前触れ

今年最初の入道雲を見て
青くハイライトされた空に怯えた

あの日 君が 切り落とした封筒から
サルビアの花びらが飛び散った
約束なんてしていない
僕はいつだっ

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南風と紗幕

悲しみの石を 夜の海に投げ捨てた
あの光の溜まり場まで 飛んでいっただろうか
喜びは離着陸 悲しみは操車場
片翼の天使 一輪の花に 飽きてしまった

喜怒哀楽はレンタルだから
いつまでも待っていてはくれないの
感情のクローゼット ノスタルジアの甘い毒
取り出しては 身につけて 眺めて
この身にも君の心にも 戦闘服があるのでしょう

何も感じなくなるのを待っていた
囚われていた 君が幸せにな

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中継塔の画面は閉じ忘れで

昨日と今日を切り分ける 午前7時の光は春で
行く宛の無い シャドーブラウンの猫が眠る
いつか頭を撫でられると 期待し続けていた
待ち惚けの耳が落ちる 涙を忘れた無関心な双眸

すりガラスの水槽で 熱帯魚が滲み出す
極彩色の体躯の前に 僕の悩みは薄汚れた
この孤独に目が慣れた時 世界はどう見えるのか
押し固めた幻覚は紙粘土みたいに
遊び飽きた頃には 軽くなって 転がっていた

不自然な人形劇の

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251で終わる冬

あいつが二曲弾き終わる前に飲み切ったよ 感傷
夢見がちガールズ ミーツ 夢見がちボーイズ
譜面台から 腐り掛けの林檎が落ちたら 大発見
ねぇ気づいてる 僕ら出会った時から他人だった

メロウな青に染め上がって 心拍数はBPM120
狭くて暗い場所で 君の表情が明るく見えた
五線譜の隙間から あいつの夢が溶け出したら
白くて何も無かった 君の手のひらに 血が通う

君を救うものが全て 僕であれば

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グリューワインと蜜

尾ひれの折れた銀色のイルカの魔法を
信じて信じて 下駄箱の前で座って待っていた
青い上靴の少女が ハイヒールを履く
六本木のクリスマスマーケットは色付いていた

パラレルワールドの きみは内気で
絵筆の水彩絵の具を 水道水に溶かしてしまう
錆びれた滑り台に右手をかけて
映り込む姿は ぐにゃり 歪んで 鏡の世界へ

言えないことだらけね
何度目かの冬の涙は 睫毛の先で凍えた
こんなことをする

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蜉蝣は水底で

ぶっ壊れた翌日だって 一人で起きられるように
君の好きなパンを買って 眠るんだ
君が触れたものは 何だって偽薬になるから
私を強くして あと一日しか 生きられないかも

この目覚ましかけたら
明日目が開く おまじない
信じれば 嘘だって 真実だって 何だって十字架
白い嘘 捕まえたまま 手が離せない

群像劇のカメラ裏で 泣いた日のナイフ
遮断機の処刑台に 引っ張られていく 妄

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かなしみマニピュレーター

誕生日にもらったテディベアは喫煙席で
ガラス窓に冷やされて 高架の向こう側へ 微笑む
探してるのはイノセンス
どこまでも付いてくる満月に 手を振っていた日

プレゼントの中身は 不思議なことだらけ
迷信でもいい 綺麗に生きる為なら
何だって この瞳に映して 願っていた
誰かが笑ってくれるなら 君が笑ってくれたから
そうやって生きてきたのに 君はもういない

絡まったコードを解く煩わしさ

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