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紙吹雪は微笑まない

開ければ 幸せが出てくる箱なら
君は 喜んで値を付けた?
売った時間と 人肌と 後悔
記憶の中 自画像に爪を立てる

昨日まで蕾だった 花 踏んで
狂ったみたいに 笑い出す
蹴り上げる靴の先は
檻の中から吹き出す シャボン玉 潰していった

絵本の兎が 赤い瞳に涙を溜めた
怯える剥製は 言葉を持たず 不満の色
鏡に映ったのは 古びた体躯だけ
幸いだ 誰も心など見たくはない

首をもたげた サーカスの猛獣へ
悔しくはないか 哀しくはないか
轟けど 尚遠い
忘却は 誘惑の付け焼き刃
与えられた花束と冠を
回転灯の裏側で 燃やしてしまうの

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