かなしみマニピュレーター

誕生日にもらったテディベアは喫煙席で
ガラス窓に冷やされて 高架の向こう側へ 微笑む
探してるのはイノセンス
どこまでも付いてくる満月に 手を振っていた日

プレゼントの中身は 不思議なことだらけ
迷信でもいい 綺麗に生きる為なら
何だって この瞳に映して 願っていた
誰かが笑ってくれるなら 君が笑ってくれたから
そうやって生きてきたのに 君はもういない

絡まったコードを解く煩わしささえ
新宿の一人席では 心地良く思えた
無関心 無責任 もう 慣れたけど
花が枯れるように失っていくの
愛されたいという 人並みの感情を

ただれてしまえよ かぶれてしまえよ
八方塞がりな人形劇は カーテンが燃えて終演
バッドエンドは忘れた頃に訪れる
操り糸が切れて 踊り出す
ひしゃげた笑顔の子熊

#詩 #現代詩 #散文詩 #自由詩 #創作 #ポエム #テディベア #青春 #病み #生きづらさ #都会

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?