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ふむふむ・エブリデイ

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時に世を救うのは、お腹を満たさないものだと思う。本とか映画、音楽など好きなものの記録。考察とか難しいことはできない。本当にただの感想文
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#生活

うまく生きることができなくても、いいんじゃないかな

自分の人生、全然進んでいないんじゃないのか。

時々、そう思ってしまう。決まって仕事終わり、くたくたになった夜だ。考えることがなくなった、夜だ。

これがあふれ出てしまうと良くないことがわかっているから、あわててその気持ちに蓋をしようとするのだけど、疲れがたまっているとうまく蓋ができない。

そんな時に少しでも自分をごまかしたり、なだめたりするために入るのが、コンビニだ。

わたしは夜のコンビニが

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いい子じゃなくてもいいんだ

いい子じゃなくてもいいんだ

今日嫌なことがあった。
誰かに愚痴を言いたい。
共感してほしい。

相談した。
幼い頃の相談相手は親しかいなかった。

「そんなんあんたが悪いねんやろ」というのが、いつも返ってくる答えだった。

あぁ、そうか、集団でうまくできないわたしが悪いのか、と思った。

勉強も運動も飛び抜けたものがなく、最後から数えたほうが早いわたしが悪いのか、と。

なぜか、女子のコミュニケーションのなかのいざこざでやっ

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落ち込んでいる人へ贈りたい本#本棚

「今、人生のどん底だ」っていうぐらい、落ち込んだり傷ついたりしている人が目の前にいたら、この小説と甘いお菓子をそっと渡してあげたい。

お菓子は何がいいだろう、そうだ、カステラがいい。カステラは消化にいいし、栄養価も高いから、きっと食べたら元気が出ると思う。

けれどその人は今、そんな気分じゃないだろう。もしかしたら、渡しても嫌がられてしまうかもしれない。

小説とか読まないから。
カステラとか要

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ボブという名の猫

ボブという名の猫

昨日は早めの晩御飯を食べながら、『ボブという名の猫〜幸せのハイタッチ』をNetflixで観た。(この日のメニューは餃子、厚揚げの炊いたん、中華風カニカマサラダ、途中で油揚げのネギ味噌焼きを追加した)

ジェームズはミュージシャンを夢見つつ、麻薬依存からもなかなか抜け出せず、日々を暮らしている。そんな中、1匹の野良猫の「ボブ」が迷い込んできた。ボブを飼うことになったジェームズは、ベティやヴァルに支え

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さようなら、おかえり 【#本棚】

さようなら、おかえり 【#本棚】

お葬式の夢を見た。

まわりがてきぱきとテーブルを並べたり、お寿司を準備している中、わたしは喪服を着て、肩をふるわせながら涙が流れるままに泣いていた。

どうしてもっとやさしくしてあげられなかったんだろう。
どうしてもっと娘らしいことをしてあげられなかったんだろう。

わたしは何もしてあげられなかった。

本当の意味で本当にその人が居なくなってから、わたしはずっとそのことばかりをぐるぐる考えていて

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あつあつを召し上がれ

仕事をして、
「ただいまあ」
と家に帰ると、すでに部屋が涼しくて心地いい。ラジオをつけて、部屋着に着替える。
「今日も疲れたあ」
と急いでご飯の準備にとりかかる。
といっても、今日はとてもらくちんご飯で、魚の南蛮漬けをすでに朝、作っていた。
あとは、インスタントのお味噌汁と、ひじき煮。
「いただきます」と言って手を合わせる。
「おいしいねえ、いい感じ。また今度作ろうか」
と言いながら、もぐもぐ食べ

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西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

日曜日。家で寝転びながら、青空にもくもくと浮かぶ白い入道雲を見て、あれにいちごとかメロンのシロップかけたら絶対おいしいやろなあ、とかぼんやり考えている。そういえば今年もかき氷、食べなかった。毎日のように素麺をすすり、時折スイカを食べたら、いつの間にかスーパーのお菓子は栗やらかぼちゃやらの限定商品に変わっていた。こんなに暑いのにと思ったけれど、蟬の声はもう聞こえないし、風が秋仕様になっているのを肌で

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誰にも相談できません

誰にも相談できません

今日は仕事が休み。外は雨。冷たい風。ときたら、もう家にひきこもるしかないでしょう、と思って、この本を読んだ。

毎日新聞でおよそ5年間にわたって掲載された「人生相談」から選り抜かれた本書。

新聞の人生相談のコーナーってついつい読んでしまう。弱さや苦悩が見れるからだ、と言うと真剣に悩んでいるのになんだか趣味の悪い言い方になってしまうけれど、そうじゃなくて、皆「わたしは何もありません」みたいなフツー

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海の見える理髪店 #本棚

海の見える理髪店 #本棚

『海の見える理髪店』(萩原浩著)を読み終えた。
6つの短編集で、どれも読みごたえがあった。

●海の見える理髪店●
登場人物は店主と僕。店主の一人語りで物語は進んでいく。読み進めるうちに店主の送ってきた人生が紐解かれていくのだけど、衝撃の告白があったりで、けっこうどきどきする。

●いつか来た道●
他人事とは思えない話。母親がこのような状態になったとき、自分だったらどうやって接するんだろう、と思い

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『並べて包んで焼くだけレシピ』#本棚

『並べて包んで焼くだけレシピ』#本棚

『並べて包んで焼くだけレシピ』
(上田淳子著)を読んだ。

絵の通りに具材を置いて、レンジかオーブンかフライパンで調理するだけ。発想が斬新だなあと思った。面白い。クッキングペーパーを敷くからあまり汚れたりしないし、そのまんま食べられる。

レシピ通りにチーズタッカルビを作ってみた。

このまま端っこをもって包んで、2,3回振って、耐熱皿に乗せて、レンジで5分。

できあがり。レンジは2回に分け

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「生きる」を整える-禅と食 #本棚

「生きる」を整える-禅と食 #本棚

食事をつくること、食べること、そのすべてが「修行」であり、「生きること」そのものなのです

「生きる」を整える―『禅と食』枡野俊明著を読み終えた。

禅、というと坐禅とか写経とかそういう特別なものを想像してしまうのだけど、そうではないらしい。日常生活のなかで行う全てのこと、歩くも寝るもありとあらゆるふるまいが「禅」で、自分を高めて輝かせるための修行につながっている。そのなかでもこの本は「食

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『ひとりごはんの背中』 #本棚

『ひとりごはんの背中』 #本棚

『ひとりごはんの背中』(能町みね子著)を読み終えた。

37人の一人暮らしのひとの家におじゃまして、能町さんとキサラヅさんが住人に手料理を作らせて、いろいろ語らせる、っていう感じの企画。(ざっくり)

能町さんの文章がうまくて流暢なのもあるけれど、キサラヅさんと能町さんのコンビにはきっと面白いひとが舞い降りているようになっている気がする。わりとさくさく読めた。

世の中、本当にほんとう

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