見出し画像

誰にも相談できません

今日は仕事が休み。外は雨。冷たい風。ときたら、もう家にひきこもるしかないでしょう、と思って、この本を読んだ。

毎日新聞でおよそ5年間にわたって掲載された「人生相談」から選り抜かれた本書。

新聞の人生相談のコーナーってついつい読んでしまう。弱さや苦悩が見れるからだ、と言うと真剣に悩んでいるのになんだか趣味の悪い言い方になってしまうけれど、そうじゃなくて、皆「わたしは何もありません」みたいなフツーの顔をして生きているようで、全然違うんだなあと思って、なんだかホッとするのだ。自分はずっとずっと、一人の人間としても女性としても欠点があるんじゃないかと思って生きていて、それに関してどうしようもなく、ものすごく悩んだりもするし、醜いものだから比べて嫉妬したりもするんだけど、それってカタチが違うだけで、他の人もそうなんだなあって。隣の芝生は青く見える、じゃないけど、やっぱり表面だけで判断するのは良くない。

高橋さんが最初に「わたしに誇れる点があるとするなら、誰よりもきちんと、悩みを抱く人たちのことばに耳をかたむけようとしてきたことだと思います」と書かれているように、「もし自分だったら…」ということを織り交ぜながらであったり、一辺倒ではない回答がまたユニーク。時々ドキッとさせられたり、そういう視点で見るのか!と新たな発見があったりで、ちょっと胸がスッとしていく。どれも素敵だけど、1番好きなのはここ。

人間としてやらなければならない経験などないと思います。わたしたちはみんな「わたし」という、誰にもできない経験をしているのですから。いまいちばん楽しいということをしてください。それで充分です。

相談者さんはまず、新聞に投稿した、という時点で本当にすごい勇気だと思う。悩みや弱さをさらけだすって、なかなかできない。そしてそれに勇気づけられる自分がいつの間にかいた休日だった。



ありがとうございます。文章書きつづけます。