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100. 羅針盤

一本のキャンドルの炎の前で

共に揺らめく世界を見つめよう

この光が届く空間の

最後の一歩まで

私は背を向けずに歩くから

その顔を上げて

君の呼吸を聞かせて


長い永い人生の灯火

精一杯の記憶の綱が

不意に途切れたとしても

私ならサングラスを通して見た

方丈の記録や

喧しい潮風の動きを  

ちゃんと覚えていられるから


君は私のどこかを震わせ続ける

眠りからうっすらと覚める時の

ハルカトオクの鈴の音

芸術は危うさの一歩手前

だから私はその白い手を引く

何者になれなくてもいい

どんな道が

後ろに続いていたっていい

この蜜柑色の明かりは

量子力学の真髄を超える

寄る辺ない温度の

色彩の体をした

手招き


       ↡↡↡💙🕯️💙↡↡↡

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