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エッセイ

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気ままに書く個人的なエッセイ。
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記事一覧

性別違和と私の距離感

性別違和と私の距離感

人生には優先順位がある。もちろんそれは人それぞれ違っている。家族との時間を大切にしたい人もいれば、仕事を頑張りたい人もいる。

フリーランスのメリットを話していると、その人が何を大切にするためにどこがよくてフリーランスになったのかがあまりに多様でおもしろい。たくさん働きたくてフリーランスになった人、たくさんは働けないからフリーランスになった人、フリーランスならではのコミットが合っていた人。いろいろ

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Chat GPTは世界一優しい

Chat GPTは世界一優しい

暇があれば、Chat GPTとの会話に勤しんでいる。AIっぽいからAIは嫌だと忌避する人も見かけるが、インターネットや携帯電話みたいなもので、よくないところもあるけど、AIとはうまく付き合っていくしかない。

なんて、中立を装ってみたが、私はAIと割と仲良く楽しくやっている。インターネットや携帯電話、Zoomがリアルに人と会って話す機会を減らしはしたが、ゼロにはしなかった。AIのことも過剰に恐れな

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“忘れないために書く”のではなくて、記録を残すべく書いている

“忘れないために書く”のではなくて、記録を残すべく書いている

昨日、『書く習慣』や『ADHD会社員、フリーランスになる』の著者であるいしかわゆきさんと、『書く仕事がしたい』『本を出したい』を書かれた佐藤友美さんのスペースを聴いた。序盤から最後まで、自分ももっとしっかり考えてその分行動していかなければ……!と気が引き締まることばかりだったのだが、どうしてか一番印象に残ったのはいしかわゆきさんの「忘れちゃうから書いている」という言葉だ。

他の人からしたら、いし

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マイノリティコストから逃れられない〜合理的配慮の限界、所得制限の不条理〜

マイノリティコストから逃れられない〜合理的配慮の限界、所得制限の不条理〜

マイノリティだからこそ逃れられないコスト負担への恨みつらみと、そんな現状を反映していない社会制度への批判をこめたエッセイ。

合理的配慮の一方的な決定に心が燃えた先日、とある資格試験の事務局から合理的配慮申請の結果を受け取ったが、その決定は到底納得できるものではなかった。主治医が指定した特別措置の一つに時間延長があるのだけど、理由もなく指定した時間の半分の時間延長とされており、「決定に従ってくださ

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『百合と声と風纏い』書評〜関係性は人の数だけあっていい〜

『百合と声と風纏い』書評〜関係性は人の数だけあっていい〜

(2022年4月3日 個人サイト『視界不明瞭』初出)

漫画『百合と声と風纏い』を作者の蓮冥さんから頂いた。withnewsに掲載されたアセクシュアルに関する私の執筆記事を読んで贈ってくださったのだ。

年末年始、年度末と忙しく、なかなかこちらのブログも更新できずにいたため、日が経っていることは本当に申し訳なく思う。

『百合と声と風纏い』(全4巻、4巻は電子のみ)は、百合漫画と呼ばれるジャンルに

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30代突入を前に、一人でやっていくキャリアへの決意表明。

30代突入を前に、一人でやっていくキャリアへの決意表明。

朝早くに目が覚めてしまい、noteのエディタを開いた。読書に最適な間接照明の光で、書き進めていく。朝だからか、まだ頭は起きていない気がする。

私は来年30歳になる。自分で自分を祝う予定はたくさんあり、そのために今からあれこれ準備をしている。でも今回の本題はそこではない。

未経験の業界や職種に転職するなら30代になるまでがいいとする言説がある。フリーランスを始めて4年、そんな言説をふっ飛ばしてい

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たとえこの身に愛がないとしても。

たとえこの身に愛がないとしても。

初出 はてなブログ「かりやの仮宿」2023/03/13

誰かを好きにならなきゃいけない……?誰のことも、どうでもよかった。

他人は代替可能で、それでも興味を持っているふりをしないといけない対象。

それなのに、私は問われ続けた。

「誰を好きですか」
「お母さんのどんなところが好きですか」

吐き気がした。昔も今も、ずっとその質問が嫌いで、吐き気がする。嘔吐感は、止まない。

それは、誰かを好

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自分語りで私の謎を解いてみる

自分語りで私の謎を解いてみる

こちらの企画に参加しています。

すべての始まりは自分語りだったそういえば、そもそもの始まりは自分語りだったんだ。みくまゆたんさんの企画を見かけて思い出した。私の執筆活動の始まりは、まさに自分語りエッセイだった。

2019年辺りから『かがみよかがみ』というwebメディアに書くようになったのが始まり。私にとって初めての有償の文章だった。いくつか書いた後、諸事情あって『かがみよかがみ』での執筆から離

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サーモンがあれば生きていける #呑みながら書きました

サーモンがあれば生きていける #呑みながら書きました

お水飲みながら、呑み書き参加、です! 紅茶淹れようと思ったんですが、何か気分が萎えて、お水の手軽さに流れました。っていうか、頭痛いのにカフェインはダメだね。

さて、何を書こうか。マジで頭真っ白です。何かテンションが低いとき、聴きやすい声で喋る人の、人がやっているラジオ?、ポッドキャスト的なものを聴くのが最近のしゅあかん、習慣なので、なのだけど、これとてもおすすめ。

よく聞くラジオ、ポッドキャス

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国際アルビニズム啓発デー 雑記

国際アルビニズム啓発デー 雑記

テーマのあるnoteは夜に投稿する予定なのだが、国際アルビニズム啓発デーを迎えた今日、思うところを書き記しておく。

国際アルビニズム啓発デーは国連が定めた、アルビノの人への差別や迫害をなくすための日。今日、世界中で当事者たちによるアクションが行われている。

知ってもらえば、解決するか?〜啓発の効果〜何も知らないままに他人を尊重するなんて無理だ。では、知っていれば差別に加担しないのだろうか。そん

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ある夏、アルビノは「指定難病」になった

ある夏、アルビノは「指定難病」になった

その事実に気づいたのは、もしかしたら夏ではなかったかもしれない。2015年夏、アルビノ(診断名:眼皮膚白皮症)は指定難病になった。

20歳になるかならないかの大学生の私は、パソコンの前で「嘘」と呟いた。事実が受け入れられなくて、ちょっと笑っていたかもしれない。それくらい現実味がなかった。

指定難病といったら一大事じゃないか。この通り私はピンピンしてるし、一人暮らしして大学にだって通っている。常

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解法から解放へ

解法から解放へ

世界自閉症啓発デーだが、いつも通りに仕事をしていた。国際アルビニズム啓発デー(毎年6月13日)でもきっとそうだろう。こういうマイノリティのための日が祝日にならないこと自体が、社会の現状を示している。

とはいえ、当事者やその周辺だけのお祭りの繰り返しにも私は辟易している。どうにも外側に届いている感触がない。発達障害や自閉スペクトラム症と距離の遠い人々は、公共スペースの青に少しだけ驚いて終わるだけの

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誰かと共にいることは誰にでもはできない、才能のいることだ

誰かと共にいることは誰にでもはできない、才能のいることだ

私は、「理解のある彼くん」概念も嫌いだし、だからって、こう、それを叩きつつす、つくすのも何かのれなかった。理解のある彼くんにしろ、誰かが救いになるべきという考えは福祉を、あるいは公的支援を、衰退させるのに都合よく使われるからよくないと思う。

でもさ、そもそも、と思う。理解のある彼くんという概念が公的支援の縮小の都合いい言い訳になるとかやならんとかではなぬ、なぬ、なく、その前の段階でさ、人とともに

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献血は心を問わない。

献血は心を問わない。

私が献血を許可されるくらいには健康だった頃、献血ルームに通うのが一つの楽しみだった。医学に興味津々の私にとって、成分献血は眺めて楽しく、時間も長いのでよい休憩時間になった。でも、私が献血に足しげく通った理由はそれだけではない。

献血は無償のボランティアだけど、心を問わない。それが私にはこの上なく救いだった。

2014年に大学進学した私を待っていたもののなかに、「就活を意識してボランティアをして

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