映画「グーニーズ」　いつの時代も古びない冒険心

「冒険の教科書的映画と言えばやっぱりコレ」

懐かしい作品を見直して、冒険ってイイなぁと改めて思いました。グーニーズは子供にとっては今見ても廃れてない冒険映画です。そして、大人にとっては、子供の頃を振り返って自分の成長を感じさせてくれる良作です。

この映画の良さを見てみましょう。

「グーニーズ」とは

舞台は、カリフォルニアの北、オレゴン州の港町アストリア。主人公は「グーニーズ」と名乗る、落ちこぼれの悪ガキ仲間のブランドとマイキー兄弟、マウス、チャンク、データの5人の男の子達。

ブランドとマイキーの家は親の借金のカタに差し押さえられ、明日には立ち退かなければならない苦境に立たされていた。土地の買い占めを図る開発業者が住民を追い立て始めたため、引っ越さなければならなくなったのだ。つまりグーニーズは解散寸前の状態。

そんな中、5人は家の屋根裏から地図らしきものを発見する。それは１７世紀の海賊ウィリーが残した宝の地図だった。宝物が見つかれば、両親は家や土地を売らずにすむ。そうなればグーニーズも解散しなくてすむ。少年達は海賊の財宝を求めて旅立つ決心をする。

脱獄犯で凶悪なフラッテリー一家と遭遇し、逃げ出すグーニーズ。後を追ってきたアンディとステフという2人の女の子もメンバーに加わり、フラッテリー一家の目を盗みながら一同は海賊の財宝を目指す。

グーニーズは洞窟に辿り着くが、海賊が仕掛けた死のトラップが次々グーニーズに襲いかかる。後ろからはお宝の存在を知ったフラッテリー一家の魔の手も迫る。

果してグーニーズは、海賊が隠した財宝を手にすることが出来るのか。立ち退きによる解散を迫られるグーニーズはどうなってしまうのか。

グーニーズのここがスゴイ

自己投影できる個性豊かなキャラクター

この映画に登場するキッズたち＝5人の男の子＋2人の女の子は、それぞれのキャラクターが立っていて、とても個性的に描かれています。

繊細で病弱だけどそれを乗り越えたいマイキー、食いしん坊で運が強いチャンク、ガジェットおたくのデータ、頭が良くて機転がきく口達者なマウス、おっちょこちょいだが憎めないアニキ役のブランドなど。キャラクターの誰かに自らを投影して、物語と同化できる設計となっています。そしてそのまま、映画の中の冒険の旅に出掛けることができるのが見ている者を夢中にさせます。

冒険はすぐ近くにある

屋根裏で見つけた地図を頼りに、宝探しに出掛けるストーリーですが、子供の頃に見た時は気づきませんでしたが、冷静に考えると家から半径5km程度で繰り広げられる冒険物語です。これは冒険は日常の隣り合わせにある事を教えてくれています。普段目にしている噴水の下は実はこうなっている、など意外に知らない日常の裏側を探る楽しさがあります。

色々足りない、そこがイイ

この映画、実は公開が1985年、約35年も前の映画です。でも、今見ても廃れた感じはしません。それは冒険という普遍的なテーマを扱っているからです。

グーニーズとは「ダサい奴ら」という意味らしいです。この言葉の通り、どこか足りない悪ガキ達が知恵と勇気を振り絞って前に進みます。

この「足りなさ」がとてもイイです。35年も前なので映像的にもいろいろ足りない。仕掛けもどこか足りないし、海賊ウィリーが財宝を隠した背景も思い切り足りない。そこが今見ると逆に新鮮で良いです。

子供が大人になるストーリー

子供達のグーニーズは様々な試練を子供達なりの工夫で乗り越えます。ギャングのフラッテリー一家との駆け引き、海賊の片目のウィリー船長との知恵比べなど、その過程で子供達は成長していきます。その努力は「立ち退きを阻止するため」という極めて大人の事情に真正面から向きあうために注がれています。大人が見ても、子供の頃を思い出すとともに、自分の子供に対してどんな経験をさせていくべきかを考えさせてくれる、希有な作品です。

まとめ

グーニーズが描いているのは「子供達が直面する大人になる過程のドキドキ感」と「諦めずに力を合わせる素晴らしさ」だと思います。当時、見た後にちょっと大人になった気分になれたのを今でも覚えています。

「子供でもやれるんだ」「やっていいんだ」と思えた作品でした。子供だった自分を数ミリでも大人にしてくれた映画。今更ながら、ちょっと感謝してしまいます。

子供に夢を与える映画って最近あまりないように思います。メッセージが錆びなければ、作品は古びない。そういう意味では貴重な作品ではないでしょうか。

久しぶりに観た、ださカッコイイ グーニーズ達にちょっと憧れたのでした。

まだ観てない方も、久しぶりに観る方にも、お盆休みにひと夏の子供達の冒険から刺激を得るのも良いのではないでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。