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エッセイ

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自分のこと (機能不全家族、依存、仕事、恋愛、心療内科、発達障害)
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#恋愛

1と1が交差する地点

1と1が交差する地点

先日、彼のご実家へご挨拶に伺った。
よく手入れされ、花が咲き誇る庭先。
細やかで丁寧な"営み"を感じた。

『こんな私が伺って大丈夫かな?』『うまく話せるかな?』と胸をどぎまぎさせながら玄関の中に入る。
彼のご両親は、「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくださった。
その表情に少し安堵する。

ご両親は朗らかに話しかけてくださった。
さすが彼のご両親だ。言葉の節々に優しさが滲み出る。
彼がこんなに立派に

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"優しさ"と"都合がいい"は紙一重

"優しさ"と"都合がいい"は紙一重

彼に対して、最近変に気を遣ってしまう。
お付き合いして一年が過ぎ、沈黙になる場面が増えた。
別に悪い雰囲気じゃないのだけれど、中身の無い会話で空白を埋めたくなって、空回り。
元々無口な彼だから、別に沈黙の時間を気まずいとかは思っていないだろうが。

また、彼も慣れてきたからか、一緒にいる時もスマホを弄っている時間が増えた。
「私といてもつまらないのかな」
「一人で居たいって思っているんじゃないかな

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宵闇の中で描けるだけの絵空事を

宵闇の中で描けるだけの絵空事を

世間一般の『女性の憧れ』は、私に無縁なものだと思っていた。

高価なブランド品にも価値を見出せなかったし、冷めるのも構わず、"映える"ご飯の写真を撮る友だちにも辟易していた。
結婚だってできると思っていなかった。
勿論、結婚式も婚約指輪も自分には必要ないと思っていた。
「自分には似合わない、勿体ない」
「高いものなんて見栄を張るための手段でしかない。くだらない。」
なんて卑屈になっていた。

でも

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優しさの種類

優しさの種類

母曰く、「優しさには2種類ある」らしい。
"外に向ける優しさ"と"内に向ける優しさ"のふたつ。

"外に向ける優しさ"は、一目見てわかる。
欲しい言葉をくれる。盛り上げ上手。
ドアを開ける、車道側を歩くなど、
簡単に下手に出る。
だから一緒にいて気持ちがいい。
でも、その優しさは都合よく映された錯覚。
周りからの評価に依存し、自分をよりよく見せたいだけ。
誘き寄せ、手に入れるための手段でしか無い。

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幸せシエスタ

幸せシエスタ

「美味しいね。」
と言い合いながら、
お腹いっぱいカレーを食べて、
「食後のお昼寝タイムね。」
と2人でベッドに並んで横になる。

隣の貴方は早速、スースーと寝息を立てる。
いっぱい食べていっぱい寝れる。
その健やかさが尊くて、貴方の寝顔を、ただぼんやり見つめる。

陽光がさしこむ部屋。
清らかに吹き抜ける風。
パタパタとはためく真っ白なカーテン。
絶好のお昼寝日和。

『ビューティフル・マインド

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2024.05.25

2024.05.25

貴方にプロポーズされた日。
世界で一番愛する人に、
「これからもずっと一緒に居てください。
結婚しよう。」
と真っ直ぐな目で伝えられた日。
夢にまで見た言葉。
こんな幸せ、私に訪れると思わなかった。

仕事、家族、自分の心身のこと、…色々な壁にぶち当たって一人で俯いていた。
その壁を貴方は、いとも簡単に、ひょいと乗り越え、私の日常に入ってきてくれた。
貴方が隣に居るから、楽に息ができる。
これまで

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へそ天リストリクト

へそ天リストリクト

人との距離感がバグっている。
と自分でも分かっている。

傷つきたくないからと誰にでも壁を作ってしまう。
プライベートのことは極力話さないし、相手のことも自分からは聞かない。
飲み会や集まりにも顔を出さない。
職場でも、業務に関係のあることしか話さない。

反面、心を許した人(彼氏)に対しては童心に戻ったかのように甘えてしまう。
お互い身動きが取れないぐらいにべったり引っ付く。
「あのねあのね」と

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貴方には勝てない

貴方には勝てない

彼とお出かけをした帰り道。
最近の仕事の悩みを相談した。
「仕事のキャパについて悩んでる。専科で関わっている学年だけ手伝うのも不公平だなと思って、色々な学年の頼まれごとを引き受けるようにしている。でも、『これって私がする仕事?』って思うことや、おざなりに頼まれることが増えてきてモヤモヤする。」

彼から返ってきた答えは、
「それは不公平感を生みだすシステムが悪い。そもそも管理職は、他の学年も時数を

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帰り道は信号の色が気になる

帰り道は信号の色が気になる

この三連休、彼が私の住む町まで泊まりに来てくれた。
一緒にコメダ珈琲で好きな本を読んだり、モンハンの実況を見ながらご飯食べたり、夜に散歩しながらマイナーソングイントロクイズをしたり。
特別なことは何もしていないけれど、格別に楽しい。
彼と居る世界にピントを合わせれば、こんなにも幸福なんだって改めて思う。
この時間が日常になればいいのに。

という訳にもいかず、それぞれの家に帰る時間。
「また三日後

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唯一無二のガラスの靴

唯一無二のガラスの靴

「人生で一番刺さった本」という帯の謳い文句が気になって手に取った、
『傲慢と善良』辻村深月 著
刺さった…刺さりすぎた……。
読んで感じたのは、彼との出会いって奇跡だなということ。

ネタバレになるため詳しい内容は伏せるが、この作品は婚活をメインテーマとしつつ登場人物の持つ”生きづらさ”を浮き彫りにしていく。

誰と会っても心が動かない。
贅沢言ってる訳じゃない。
ただ、"ピンとくる"人に出会いた

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今の彼と別れたら放蕩の旅に出よう

今の彼と別れたら放蕩の旅に出よう

4月から彼に直属の後輩ができるらしい。
新卒の女の子。
同じ課に、20代は彼とその女の子だけだって。

彼は浮気なんかする人じゃないって思ってる。
…けど、やっぱり心配。
彼は優しいし面倒見もいいし、その女の子も一番頼れるのは歳が近い彼だろうから。
女の子が好きになってしまうのではないかと。
彼の魅力がその子に知られるのではないかと。戦々恐々。
なにより彼が、遠くにいる私よりも、仕事の話ができて若

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女たちは本音を折りたたむ

女たちは本音を折りたたむ

何でも相談すりゃいいってもんじゃないんだなって思った。

前回の記事でも言及した、希望から外れた人事について悲しいって彼に言ったところ、
「組織だから仕方ない。与えられたポジションを一生懸命しないとね。」
との答え。
うん、その通りだよ。
その通りなんだけど、今、正論をぶつけられるのはきついんだ。
重々承知の上で貴方に言ってるわけで。
ただ、不安で悲しい気持ちを共有したかったんだよね。
という本音

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私と彼氏と弟と

私と彼氏と弟と

引きこもりニート歴2年。まもなく3年目を迎えようとしている弟がいる。
「彼氏とご飯行くんだけど一緒に行かない?」
「ん、いいよ。」
「…え、いいの!??」
ダメ元で誘ったのに。
奇跡が起きました。

本日、私、彼氏、弟の3人でお昼ご飯に。
弟たっての希望で近所の王将へ。
久しぶりに日の下で弟を見た気がする。
万年、半袖半ズボンボーイなのに、今日は長袖長ズボンを着用していた。
弟なりに格好に気を遣っ

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大口を開けて食べられる幸せ

大口を開けて食べられる幸せ

前回の投稿で、スマホを取り上げられたブチ切れババアになってしまっていた…。お恥ずかしい限りです。
何のかんの言いながらも、一番大切なのは彼。
感謝してるし、私なんかには勿体ない人。
可愛げ無いな、私。
あれぐらい笑い飛ばせばOK。
大したことない。
彼が私を傷つけたいはずないんだから。
そう思えるのは、ご意見をくださる方がいるからです。
皆様のお陰で、感情見切り発車特急で怒ることが無くなりました。

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