VECTION

社会的チートの撲滅&死の恐怖からの非宗教的解放について、「それは無理」と確信しつつ、ど…

VECTION

社会的チートの撲滅&死の恐怖からの非宗教的解放について、「それは無理」と確信しつつ、どうにかならないものかとあがく有志の会。

記事一覧

リアルタイムbot議員のすすめ

GIGAZINEの記事によると、googleのDeepMindが数学オリンピックレベルの幾何の問題を解けるようになったという。数学ができると、あらゆる論文を読んで考えることができるの…

VECTION
6か月前

トラストレスなイメージへ

 自律した個における多様なアイデンティティの尊重と、それを裏付ける人権意識の高まりは、他方でどうしても、つながりを失って分断された個人に、孤独感や孤立感をもたら…

VECTION
7か月前
2

予算案から顔(能面:オモテ)を作ってみた

「予算案から顔(能面:オモテ)を作ってみた」というテキストをmirrorに公開しました。 2020年の夏頃、VECTIONでは、当時の大規模言語モデルであるBERTを利用して、予算…

VECTION
1年前

ChatGPT3.5の方が、4より良いケース

マイナス功利主義について聞いてみたら… 事実の認識 要約の非自明さ 反復の少なさ 無関係な話題に逃げない ・・・の点で4がイマイチにみえる。だいぶ規制がかかって…

VECTION
1年前
1

VECTIONについての詩をChatGPTに詠ませてみた

GPT-4が試せるようになったので、「権力分立と希望の幾何学」のまえがき部分を読ませて要約、かつ行頭の縦読みがVECTIONになるように7行で韻を踏ませてみた。 Venturing i…

VECTION
1年前
2

条件、目標、制度、三つ揃わないと政治的チートが起きる

mirrorに、「条件、目標、制度、三つ揃わないと政治的チートが起きる」というテキストを投稿しました。 要約すれば、 という内容なのですが、これだと当たり前のことを言…

VECTION
1年前
3

bot議員のすすめ

「bot議員のすすめ」という記事を書きました。 「支持政党なし」という政党の存在や「合成党」というAIを党首とする政党の話に刺激を受けて、現在の制度からも地続きでも…

VECTION
1年前
2

仮想政府があるといいな (7)

特別行政区と仮想政府ミラーバジェットのような「仮想政府」は、いわゆる「特別行政区」の発想に似ている。 「特別行政区」とは、ある地域を指定して、そこでだけ規制を緩…

VECTION
2年前
5

仮想政府があるといいな (6)

仮想政府がたくさんあるといい理由2 「強化学習」というAIの技術がある。 ちょっと昔にAtariのビデオゲームをAIが、人間より上手くプレイして話題になった。しかし、そ…

VECTION
2年前
3

仮想政府があるといいな (5)

仮想政府がたくさんあるといい理由 I 一つ目の理由。 公園などの公共財(そのための税負担)に対する選好が地域ごとに違う場合、中央政府が平均値をとってしまうと、全て…

VECTION
2年前
2

仮想政府があるといいな (4)

上の続き。 ミラーバジェットと仮想政府があふれる未来 ところで、我々は以前こんな提案をしている。 詳しくは引用先を見て欲しいが、要するに、国民全員が「政府」とな…

VECTION
2年前
1

仮想政府があるといいな (3)

上の続き。 クリーンな環境(OSまたは政府)を目指して 政府、改革、とくれば、セットでついてくるのは「過去のしがらみ」。 何か新しくていい仕組みがあっても、既得権…

VECTION
2年前
1

仮想政府があるといいな (2)

仮想環境 前回はこちら 仮想環境とは、ある環境(OS)があったら、その上に別の環境(OS)を「インストール」して、まるで一つのアプリのように動かすことのできる「アプ…

VECTION
2年前
4

仮想政府があるといいな (1)

アプリやプログラムの開発者はみんな知っている。 「(アプリの)開発環境設定」の大変さ。 なるべく干渉が起きないようお互いに隔離されたスマホアプリのような世界では…

VECTION
2年前
2

「現代の奴隷」を解放する仕組みについて

※アイキャッチ画像 https://www.metmuseum.org/art/collection/search/302361 "Wilson, Branded Slave from New Orleans" Charles Paxson 1863  世間ではSDGsが流行して…

VECTION
2年前
5

「現状を変えられない」と諦めがちな人に試してほしい、いくつかのアイディア

個人を責任の呪縛から解放する「同時編集」のススメ「同時編集」という作業のやり方があります。 Google Docsなどで、一つの文書を、複数人がリアルタイムかつ同時に編集…

VECTION
2年前
2
リアルタイムbot議員のすすめ

リアルタイムbot議員のすすめ

GIGAZINEの記事によると、googleのDeepMindが数学オリンピックレベルの幾何の問題を解けるようになったという。数学ができると、あらゆる論文を読んで考えることができるので、ほとんどシンギュラリティだ。

たとえば、リアルタイムで、シャーロック(コナン・ドイル作『シャーロック・ホームズ』シリーズを翻案したイギリス・BBC製作のテレビドラマの主人公)並みの推論ができるのならば、トリックだ

もっとみる
トラストレスなイメージへ

トラストレスなイメージへ

 自律した個における多様なアイデンティティの尊重と、それを裏付ける人権意識の高まりは、他方でどうしても、つながりを失って分断された個人に、孤独感や孤立感をもたらしてしまう。

 そのような孤独感につけ込んで、多くの個がその傘の下に寄り添い合うことができるかのような、全体性の回復や伝統回帰のイメージ、あるいは、この人こそが世界を華々しく変革してくれるカリスマであるかのようなイメージを提示することで、

もっとみる
予算案から顔(能面:オモテ)を作ってみた

予算案から顔(能面:オモテ)を作ってみた

「予算案から顔(能面:オモテ)を作ってみた」というテキストをmirrorに公開しました。

2020年の夏頃、VECTIONでは、当時の大規模言語モデルであるBERTを利用して、予算案の「意味」に基づき「顔」を生成するという遊びを開発していた。

予算配分は集団の性質をよく表す。だが、その全体像やつながり方を数値とグラフだけで把握することは難しい。

予算案の複雑で掴みづらい性質を、人の「顔」に要

もっとみる
ChatGPT3.5の方が、4より良いケース

ChatGPT3.5の方が、4より良いケース

マイナス功利主義について聞いてみたら…

事実の認識

要約の非自明さ

反復の少なさ

無関係な話題に逃げない

・・・の点で4がイマイチにみえる。だいぶ規制がかかっているにせよ、上の点はあまり関係がないので不思議。生成速度は五倍ぐらい3.5が速いので
涙目である。

プロンプトの工夫で回避できるとしても、素朴な入力が使いたい昨今ではある。

以下、その例。(「続けて」というプロンプトは省略)。

もっとみる
VECTIONについての詩をChatGPTに詠ませてみた

VECTIONについての詩をChatGPTに詠ませてみた

GPT-4が試せるようになったので、「権力分立と希望の幾何学」のまえがき部分を読ませて要約、かつ行頭の縦読みがVECTIONになるように7行で韻を踏ませてみた。

Venturing into society's maze,
Each issue faced, to analyze and appraise.
Combating collusion, we're set ablaze,
To se

もっとみる
条件、目標、制度、三つ揃わないと政治的チートが起きる

条件、目標、制度、三つ揃わないと政治的チートが起きる

mirrorに、「条件、目標、制度、三つ揃わないと政治的チートが起きる」というテキストを投稿しました。

要約すれば、

という内容なのですが、これだと当たり前のことを言っているだけのようにも思えるので、少し説明します。

VECTIONでは、「最小限の理想」として、PS3(苦痛最小化Pain reducing、持続可能性Sustainability、、スケールをまたいだ安定性Scalabilit

もっとみる
bot議員のすすめ

bot議員のすすめ

「bot議員のすすめ」という記事を書きました。

「支持政党なし」という政党の存在や「合成党」というAIを党首とする政党の話に刺激を受けて、現在の制度からも地続きでもできる分散化・アルゴリズム化された政治への道について書きました。

上の画像はMidjourneyで生成したbot議員のイメージ。悪そう。

仮想政府があるといいな (7)

仮想政府があるといいな (7)

特別行政区と仮想政府ミラーバジェットのような「仮想政府」は、いわゆる「特別行政区」の発想に似ている。

「特別行政区」とは、ある地域を指定して、そこでだけ規制を緩和することで、地域活性化や実験を行う仕組みだ。

特別行政区と仮想政府は、何が違うのだろうか?

仮想政府は「政府」そのものを別に作るというところに特徴がある。

開発ツールを入れるためにOSをオマケでつけるという発想は、余計な命令やしが

もっとみる
仮想政府があるといいな (6)

仮想政府があるといいな (6)

仮想政府がたくさんあるといい理由2

「強化学習」というAIの技術がある。

ちょっと昔にAtariのビデオゲームをAIが、人間より上手くプレイして話題になった。しかし、その時点では、いくつかのゲームで人間に全く及ばなかった。人間にとって簡単な「迷路の脱出に使う鍵を遠くの部屋から見つけ出す」というようなタスクが解けなかったのだ。

もちろん、その後も地道な改良が続けられて、ついに全てのAtariの

もっとみる
仮想政府があるといいな (5)

仮想政府があるといいな (5)

仮想政府がたくさんあるといい理由 I
一つ目の理由。

公園などの公共財(そのための税負担)に対する選好が地域ごとに違う場合、中央政府が平均値をとってしまうと、全ての地方で平均値とその地域に即した理想的な税負担の差だけ不効率が生まれてしまう。これが、地方分権の基礎的な根拠の一つとされている。誰にとっても幸せでない、つまらない施策という感じだろうか。

恐らく、現代社会では、「地方」という物理的境界

もっとみる
仮想政府があるといいな (4)

仮想政府があるといいな (4)

上の続き。

ミラーバジェットと仮想政府があふれる未来

ところで、我々は以前こんな提案をしている。

詳しくは引用先を見て欲しいが、要するに、国民全員が「政府」となって予算配分を決め、それをうまく集計することで、できるだけ政府なしに税金の使途を決めるという仕組みだ。リンク先では、それを「ミラーバジェット」と呼んでいる。

現状、税金の徴収には中央政府の強制力が必要で、政府をなくすことはできない。

もっとみる
仮想政府があるといいな (3)

仮想政府があるといいな (3)

上の続き。

クリーンな環境(OSまたは政府)を目指して

政府、改革、とくれば、セットでついてくるのは「過去のしがらみ」。

何か新しくていい仕組みがあっても、既得権として使われていた法や利害関係者のせいでうまく採用できない、というのは世の常だ。

「現実をみろ!」という恫喝は大抵、この手のしがらみを直視して、目の前の作業(すぐできること)に集中しろ、という意味で使われる。

確かに、大体、制度

もっとみる
仮想政府があるといいな (2)

仮想政府があるといいな (2)

仮想環境

前回はこちら

仮想環境とは、ある環境(OS)があったら、その上に別の環境(OS)を「インストール」して、まるで一つのアプリのように動かすことのできる「アプリ」だ。

よくわからない人は、たとえば「NintendoSwitch」という環境で動く「ファミコンエミュレータ」の関係を思い浮かべてもいいし、Androidのスマホ上にiOSをアプリとしてインストールするような状況を想像してもいい

もっとみる
仮想政府があるといいな (1)

仮想政府があるといいな (1)

アプリやプログラムの開発者はみんな知っている。
「(アプリの)開発環境設定」の大変さ。

なるべく干渉が起きないようお互いに隔離されたスマホアプリのような世界では、過去にインストールした他のアプリの影響で新しいアプリがうまく動かない、という昔からある事態はずいぶん減った。

けれども、単にアプリをインストールするわけではなく、「アプリを開発する」場合、色々と「アプリの作成専用のプログラム(Visu

もっとみる
「現代の奴隷」を解放する仕組みについて

「現代の奴隷」を解放する仕組みについて

※アイキャッチ画像
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/302361
"Wilson, Branded Slave from New Orleans"
Charles Paxson
1863

 世間ではSDGsが流行している。大企業のウェブサイトを見ればSDGsへの貢献がアピールされているし、NHKが「SDGsのうた」を制作して、子ども

もっとみる
「現状を変えられない」と諦めがちな人に試してほしい、いくつかのアイディア

「現状を変えられない」と諦めがちな人に試してほしい、いくつかのアイディア

個人を責任の呪縛から解放する「同時編集」のススメ「同時編集」という作業のやり方があります。

Google Docsなどで、一つの文書を、複数人がリアルタイムかつ同時に編集する方法です。ネット上で共有した一つのファイルをロックして、順番に編集するのとは違い、同じ文書の部分(例えば違う行)を同時に互いの許可なく編集できて、しかもお互いにその様子が見えます。

プログラマーの間では似た仕組みが盛んに用

もっとみる