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仮想政府があるといいな (4)


上の続き。

ミラーバジェットと仮想政府があふれる未来


ところで、我々は以前こんな提案をしている。

詳しくは引用先を見て欲しいが、要するに、国民全員が「政府」となって予算配分を決め、それをうまく集計することで、できるだけ政府なしに税金の使途を決めるという仕組みだ。リンク先では、それを「ミラーバジェット」と呼んでいる。

現状、税金の徴収には中央政府の強制力が必要で、政府をなくすことはできない。だが、「集めた税金の使い道を政治家が決める」という部分は無くし(あるいは減らし)、集合知に任せてもいいのでは?という感じの提案になっている。政府、という仕組みが、公共財の財源=税金を集めるのに便利でも、その使途に関しても優れているとは限らないからだ。原理的、理念的、建前上は、「国民の代理」であるはずの政府が自律的に国民を抑圧したり、無意味なことをする例には事欠かない。

ちなみに、引用先の原稿では、「ミラーバジェット」はいきなり制度そのものを変えようという話ではなくて、「そういう仕組みをまず仮想的に作って皆が予算案を作るようになれば、それがそれを集計した結果が、圧力となって現実も変わるかも」というストーリーになっている。

しかし、実際のところ、なぜミラーバジェットが「一人一政府」で、しかも仮想的なものでなくてはならないのか、提案したときには、はっきりしていなかった。

けれども、「アプリ開発とそれに必要になる環境ツール、そして過去のしがらみがもたらす時間の無駄」という問題の構造が、「制度改革に時間がかかる理由」と似ている、というアナロジーがそれなりに正しいとしよう。もしそうなら、ミラーバジェットを、無駄にたくさん(国民一人一人!)作ることには意味があるかもしれない。壊してもいいミニ政府=仮想環境がたくさんあると、新しい制度を、好奇心だけで実験しやすくなるからだ。

好奇心を使って色々予算の使い方を探索した方が良い理由は二つある。


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