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仮想政府があるといいな (5)

仮想政府がたくさんあるといい理由 I


一つ目の理由。

公園などの公共財(そのための税負担)に対する選好が地域ごとに違う場合、中央政府が平均値をとってしまうと、全ての地方で平均値とその地域に即した理想的な税負担の差だけ不効率が生まれてしまう。これが、地方分権の基礎的な根拠の一つとされている。誰にとっても幸せでない、つまらない施策という感じだろうか。

恐らく、現代社会では、「地方」という物理的境界だけではなく、「趣味」や「スキル」といった「仮想的境界」による選好の違いも無視できない。「地方」ごとに政府があった方が効率がいいという論理が正しいなら、仮想的境界ごとに政府があったら、やはり効率がいい事になる。

そして、極端に「地方」分権化された世界が、一人一政府だ。人ごとに公共財への選好は違う。それを平均に合わせると無駄が生じる。

そこまで行かなくても、(投票などの匿名性が確保可能といわれる)20万人程度の政府をたくさんつくってみるとか、ミラーバジェットの集計単位を、たとえば20万人ごとの「地方政府」にしてインフラを共有するとか色々やり方はある(「ミラーバジェット」については下を参照)。

これが仮想政府があった方がいい一つ目の理由だ。技術的な可能性を使ってカスタム予算をつくる余地を広げようという感じだ。

二つ目の理由はなんだろうか?

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