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仮想政府があるといいな (7)

特別行政区と仮想政府

ミラーバジェットのような「仮想政府」は、いわゆる「特別行政区」の発想に似ている。

「特別行政区」とは、ある地域を指定して、そこでだけ規制を緩和することで、地域活性化や実験を行う仕組みだ。

特別行政区と仮想政府は、何が違うのだろうか?

仮想政府は「政府」そのものを別に作るというところに特徴がある。

開発ツールを入れるためにOSをオマケでつけるという発想は、余計な命令やしがらみがついてこないようにする必要があるという理由からだった。

つまり、ある個別の新しい制度を変えようと思ったら、その周りを囲む環境全部をクリーンにした方が速く、そして良くなる。入れ物と中身の関係が常識とひっくり返っているのがポイントだった。

一方、特別行政区では、しがらみ(=特別行政区以外の環境)はそのままなので、結局特別行政区を拡大する時や、あるいは特別行政区の初期設定を決める時に、環境とのバッティングが生じる。入れ物(環境)と中身(特別行政区)の関係は、そのままなのだ。

部分のために全体を変えるしかないのに、全体はしがらみが重すぎて変えられない。そのジレンマを解消するのが、「全体」のスクラップ&ビルドを可能にする仕組み=仮想環境だった。

仮想環境の変化は速い。速さは希望につながる。
実制度改革なら千年かかるところ、仮想改革なら十年だ。それなら生きている間に何回か結果を見ることができる。

なんてことを、三重に積み重なった仮想環境をとある事情から使っていて妄想したのであった。
無駄にしか見えない仮想環境を重ねても、なお「環境をいつでも捨てられる自由」を愛す。それが開発者。そして、プログラミングが日本の義務教育で必須になった今、人々のマインドセットは開発者方向に向かうはずだ。

いずれ、ある仮想政府上に複数の仮想政府を建てて、疑似国連を各国が運営することすら合理的である理由が見つかるに違いない。仮想環境は実際そうなったわけだから。

今は、全然必要性がわからないけれど。

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