【RIJF2019 ライブレポート】 破格の才能、King Gnuの快進撃が止まらない。
【8/4(日) King Gnu @ 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」 PARK STAGE】
あまりにも破格な才能だ。
この時代において、ロックが秘める可能性を、心から信じさせてくれるバンドは決して多くはないが、彼らは間違いなくその一つであると断言できる。
歪で、不可解。そして獰猛。
そうだ、本来ロックとは、これほどまでに手に負えないものだったはずだ。
それでいて、知的で、セクシーで、スタイリッシュ。
彼らが僕たちに提示する新たなロック観は、最高にクールである。
そしてやはり、King Gnuの音楽の真髄は、ライブにこそ宿る。そのことを再確認できたステージだった。
ボーカル・井口理は、その佇まいからして「華」を感じさせる、非常に稀有なフロントマンだと思う。フィクサーである常田大希の、ダーティーなオーラと挑発的なステージングも堪らない。
また、メンバー4人からみなぎる堂々たる自信は、高い音楽リテラシーと精緻な技巧に裏付けされていることが分かる。
全てのリズム、メロディ、アレンジに意義があり、ロジックがある。(特に、コーラスパートの音の重ね方は、少なくとも現行の邦楽ロックシーンでは見られないものだ。)
その高みまで無自覚に達してしまうアーティストもいるが、おそらく、彼らの場合は意図的だろう。一つ一つの歪な「ロック」が、総体として「ポップ」な表現になるように緻密にチューニングされていることが、その証左だ。
いずれにせよ、あまりにも濃厚な音楽体験だ。
そして、ついに披露された新曲"飛行艇"が圧巻であった。
アメリカのスタジアムロックを彷彿とさせるギターリフ。グッと重心を下げたグルーヴ。そして、大陸的なスケール感を湛えたメロディ。これまでの楽曲の通奏低音となっていた祈りのブルースも、今回も高らかに鳴り響いている。
この曲を手にした彼らは、ここから、もっと高く、もっと遠くまで飛んで行けるだろう。
そう、King Gnuの快進撃は、まだ始まったばかりなのだ。
この破格の才能から、目が離せない。
【関連記事】
最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。 これからも引き続き、「音楽」と「映画」を「言葉」にして綴っていきます。共感してくださった方は、フォロー/サポートをして頂けたら嬉しいです。 もしサポートを頂けた場合は、新しく「言葉」を綴ることで、全力でご期待に応えていきます。