音楽ライター

カール・リヒター、ミュンヘン・バッハ管弦楽団/J.S.バッハ:マタイ受難曲(1979年セッション録音)【慇懃に無視された「本音」】

最初に断っておくが筆者はバロック音楽が嫌いで「音楽の父」J.S.バッハの音楽も好んで聴くのはアレンジものくらい。「マタイ受難曲」に至っては長く退屈で御説教くさい作品と感じるほど。たまに第1曲を聴く程度である。

語る資格のはなはだ疑わしい人間の意見だが色々聴いた第1曲の録音の中で最も心に刺さるのはカール・リヒター(1926-1981)の1979年録音。遅く沈殿した響きに波打つ情念の大海原、まろやか

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朝比奈隆、大阪フィル/ブラームス:交響曲全集(1994-1995)【起死回生のツィクルス】

「肩たたき」の危機生涯最後の数年間の人気ぶりからすると想像がつきにくいが、80代序盤の朝比奈隆(1908-2001)は苦境に立っていた。
新日本フィルハーモニー交響楽団とのベートーヴェン、ブラームス両ツィクルスの成功で東京における認知度が上がった一方、1990年から1991年は体調不全により度々キャンセル。同時進行で大阪フィルハーモニー交響楽団との亀裂が表面化、以前記したように腕利きの中堅団員が大

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人は出会った言葉でしか話せない

「人は出会った言葉でしか話せない」

数日前、Twitterで見かけて頭から離れなくなった言葉です。

文筆を生業としていても、どうにもこうにも筆が進まない(キーボードが叩けない)ときがあります。

書くべき内容はイメージできているのに、形にしようとするとなんだか輪郭がぼやけてしまって、ブルーライトに照らされながら固まってしまいます。

昔読んだ本に、自分から生まれる表現は、今まで自分が触れてきた

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朝比奈隆述、東条碩夫編『朝比奈隆 ベートーヴェンの交響曲を語る』(中公文庫)

1988年12月から1989年5月にかけて朝比奈隆は新日本フィルハーモニー交響楽団を指揮してベートーヴェンの交響曲全曲演奏会(全5回)を行った。公演は好評で長年「関西のブルックナー指揮者」と見なされきた朝比奈隆の東京での人気が上昇する契機となり、ライヴ録音がCD化された(フォンテック;2021年5月現在廃盤)。

本書は全ての演奏会とそのリハーサルに立ち会った音楽評論家の東条碩夫が各演奏会の翌朝、

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【プレリリースレビュー】「外山雄三生誕90年記念自作自演集」with大阪交響楽団(キングインターナショナル)

作曲家、指揮者として60年以上の芸歴を持つ日本クラシック界の重鎮、外山雄三(1931年5月10日-)。
1960年、敗戦から15年後にNHK交響楽団が挙行した世界一周演奏旅行の殆どの公演の指揮を岩城宏之(1932-2006)と担い、成功に導いた。しかも外山はアンコール用の楽曲として「管弦楽のためのラプソディ」を書き上げ、「ソーラン節」「黒田節」「八木節」などの民謡を織り込んだカラフルで鮮烈なリズム

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朝比奈隆指揮、大阪フィル/ベートーヴェン:交響曲第7番(ベルリンライヴ)【瀬戸際のなかで】

1992年11月9日、自由ベルリン放送協会(SFB)ゼンデザールにおけるライヴ録音
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
ベートーヴェン:交響曲第7番
Altus ALT317 2015年
※ベートーヴェンのみ過去にビクターから発売

会心の演奏俵孝太郎はこのライヴ録音を

数ある朝比奈氏のベートーヴェンの演奏記録の中でも、まさに屈指のものだと思う。さすがに高齢を反映

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【ディスクレビュー】ムーティ指揮、ウィーン・フィル/ニューイヤー・コンサート2021

時勢により無観客で行われた2021年のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ニューイヤー・コンサートについては生中継を視聴した感想を既に記した。

そして例年通りCD、DVD・Blu-ray、さらに昨今復活傾向のLPでソフトがリリースされた。

無観客で挙行した、できた大きな理由は上記リンクでも記したようにチケットの売上がなくてもソニーとの契約に基づき、本稿で取り上げるソフトが販売され、確実に一定数が

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スターンが晩年に遺したドヴォルザーク【和やかさに通る強い芯】

2021年はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)生誕180年、ヴァイオリニストのアイザック・スターン(1920-2001)没後20年。そこでスターンのドヴォルザークの室内楽作品録音を取り上げる。
【曲目】
ピアノ四重奏曲第2番 op.81
エマニュエル・アックス〔ピアノ〕、アイザック・スターン〔ヴァイオリン〕、ハイメ・ラレード〔ヴィオラ〕、ヨーヨー・マ〔チェロ〕
1996年4月15日、

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【ブログ記事紹介】俵孝太郎のコラムから見た朝比奈隆のベートーヴェン

note開始以前に「アフターアワーズ」のタイトルでhatenablogを開設していた。最近は更新頻度が低くて恐縮だがありがたいことに御覧下さる方は結構いらっしゃる。評判の良い記事の1つがこちら。

俵孝太郎氏(1930-)はタワーレコードのフリーマガジン「intoxicate」にクラシック音楽コラム(現在のタイトルは「クラシックな人々」)を約四半世紀レギュラーで執筆している。上記リンクの記事は俵氏

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25歳Webライター、イラストも描いちゃう

三波です。

noteは、何度か登録しなおしているので初めての投稿ではないですが、三波名義では初初めての投稿になるので、何者なのか、どんなことがしたいのかについて簡単にまとめようと思います。

お暇つぶしに、見ていただければと思います。

名前:三波企画

年齢:25歳

職業:音楽ライター、音楽イラストレーター

出身:osaka

好きなもの、コト:音楽、猫、家

これからしたいこと:インスタ

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