【公演回顧】2024年4月・5月鑑賞分


2024年(令和6年)4月13日(土)東京文化会館 大ホール 東京・春・音楽祭 合唱の芸術シリーズVol.11

ローター・ケーニッヒス指揮
東京都交響楽団
東京オペラシンガーズ
ハンナ=エリーザベト・ミュラー(ソプラノ)
オッカ・フォン・デア・ダメラウ(メゾ・ソプラノ)
ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー(テノール)
アイン・アンガー(バス)

ワーグナー:ジークフリート牧歌
〜休憩20分〜
ブルックナー:ミサ曲第3番ヘ短調 WAB28

明らかにチケット代が高過ぎ ブルックナーイヤーなのに閑古鳥マックス 内容は都響の演奏力を背景にちゃんとしていた ミサ曲第3番はレーグナーのCDで出会ってから25年余り 初の生鑑賞 交響曲第1番そっくりの箇所など気づきがいくつもあった

若いクラシックファンと一緒に行き 食事もした 学ぶこと多々

2024年(令和6年)4月20日(土)東京外国語大学管弦楽団 第106回定期演奏会

指揮:清水醍輝
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
グリーグ:「ペール・ギュント」第1組曲
〜休憩〜
カリンニコフ:交響曲第1番
アンコール〜チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」からワルツ

以前井上道義のコンサートにご一緒した方が楽団員(チェロ)にいらっしゃり 公演の案内を頂戴した

夭折の作曲家カリンニコフ(1866-1901)の交響曲第1番は 20世紀前半に一定の人気を博した
日本の洋楽受容史上の重要イベントとなった1925年4月の「日露交歓音楽会」のプログラムにもある(指揮 近衞秀麿)
翌年 現在のN響の前身にあたる新交響楽団が結成 同曲は黎明期のレパートリーの1つとなる 朝比奈隆(1908~2001)はエマヌエル・メッテルの指揮するこの曲を聴き 指揮者を志した
しかし 戦後演奏機会は減少 いつしか忘れられた存在に
ちょうど私がクラシック音楽を聴き始めた1990年代半ば デジタル録音 CDの定着により それまで埋もれていた作品の録音が一気に増え カリンニコフの名も再認識される
作品を知っておよそ30年 ようやく実演で聴いた
チャイコフスキーの交響曲第1番「冬の日の幻想」との近似性が頭に浮かぶ
以前NHK-FM「ブラボー!オーケストラ」で音楽学者の伊東信宏は 終楽章の弱さを指摘していたが 私はむしろ中間楽章が若干退屈に感じる
オーケストラは量感と見通しの両立させた弦を軸に凸凹の明確な音楽を展開 作品の特徴を過不足なく響きに反映できていた

2024年(令和6年)5月19日(日)和田太郎 × 松本陽 デュオ・リサイタル

後半のラスト モーツァルトの2台のピアノのためのソナタは 一時期「頭が良くなる」とかで話題を呼んだ曲 今回実演で接して アンサンブルの難しさがよく見えた(聴けた)
2024年6月9日のEテレ「クラシック音楽館」で1983年 昭和音楽大学人見記念講堂における当時の人気デュオ クリストフ・エッシェンバッハとユストゥス・フランツのリサイタルライヴ映像が流れた やはりメインプログラムのモーツァルトは緊張度の高いアンサンブルだった

全てのアーティストに改めて感謝

※文中敬称略

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