ヘイリー・ロレン『ドリームズ・ロスト・アンド・ファウンド』
何を歌うか。ヘイリー・ロレンは、その選択肢が幅広く、今回も意外性を含めて選曲がいい。1曲目は、ジャズの有名なスタンダードナンバー『For All We Know』だけれど、そのあとレナード・コーエンの『Dance Me To The End Of Love』やジョニ・ミッチェルの『All I Want』を歌う。しかもアレンジ、とりわけ『All I Want』ではアコギが演奏されるので、オリジナルの面影がいいカタチ
ダイアン・バーチ『Flying On Abraham』
そんな経緯もあって、ダイアン・バーチは、私の中で依怙贔屓しているアーティストのひとりだけれど、その感情を超えて、アルバム全体から醸し出される70年代シンガー・ソングライターの匂いが大好き。生楽器の演奏があって、キャロル・キングを彷彿させるアルト・ヴォイスで歌う。そこにジャズやソウル、ポップ、カントリーなどがごく自然に絡み合っている上質な音楽。このナチュラル感も惹かれるポイントのひとつだ。
2009年にアルバム『バイ
エルミーン『Marking My Time』
人柄がにじみ出ているような優しい声。ベイビーフェイスを若くしたような甘さもあって、その魅力といかつく見える写真のギャップに興味を持ったのがエルミーンとの出会いだった。情報は少ないけれど、調べてみると、スーダン出身の両親とUKオックスフォードで育ったという。ロンドンなどの都会に比べて、アフリカ系の子供は少数派の環境のなか、おとなしい性格のエルミーンは、音楽に心の拠りどころを見出したようだ。
そのなかで、どんどん時代を遡ってR