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相法早引現代語訳

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江戸時代に活躍した観相家水野南北が、初学者のため『南北相法』のスタンダードな内容を再編集した書を現代語訳しました。この本は南北翁の師である水野海常の追善供養のため、人相術を学びた…
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相法早引79(七穴が司る意味を論ず)

相法早引79(七穴が司る意味を論ず)



・官録(=官禄、かんろく)の宮(きゅう)は、その当時の吉凶を司る。

・神光(しんこう)の宮は、神仏を祈っているか否かを司る。

・駅馬(えきば)の宮は家の普請(=増改築)、宅変え(=引っ越し)を司る。

・印堂(いんどう)の宮は、諸々の望み事を司る。

・魚尾(ぎょび)、家続(かぞく、=田宅)の宮は、その当時の心気の吉凶を司る。

・右身左身(うしんさしん)の宮は盗難、失せ物(=失くした物)

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相法早引78(二十一穴における八色を論ず)

相法早引78(二十一穴における八色を論ず)



《天中、天陽、高広に現れる八色を論ず》

・天中、天陽、高広の官は、思いもよらぬ(≒予想外の)吉凶を司る。

・青白紫の三色が現れると、思いもよらぬ愁い、あるいは驚きがある。

・黒色が現れると、思いもよらぬ損失、あるいは失敗がある。

・赤色が現れると、思いもよらぬ災い、難事がある。

・黄紅美の三色が現れると、思いもよらぬ悦びがある。

《主骨に現れる八色を論ず》

・主骨の官は主人、目上

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相法早引77(八色が司る意味を論ず)

相法早引77(八色が司る意味を論ず)

・青色(せいしょく)、白色(はくしょく)、紫色(ししょく)の三色は、何れも愁い、驚き、辛労を司る。

・黒色(こくしょく)は離別、損失、失敗を司る。

・赤色(せきしょく)は災難を司る。

・黄色(おうしょく)、紅色(こうしょく)、美色(びしょく)の三色は、何れも悦(よろこ)び、善事を司る。

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相法早引58(胸を論ず)

相法早引58(胸を論ず)

・胸が広い者は内心が丈夫で、思慮深い。逆に、胸が狭い者は諸事において忙(せわ)しく、思慮が浅い。

・骨が露わになっているような胸の者は心気が弱く、運が悪い。病人や老人は考慮に入れない。老人で鳩尾(みぞおち)にしこりがある者は、未だ運が尽きていない人である。

・胸は肝気の勢いが現れる。若者は胸に勢いがあるのが常である。

・若者で胸が落ちくぼみ過ぎて、腹が出ているように観える者は、気は豊かだが大

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相法早引57(手を論ず)

相法早引57(手を論ず)

・手が豊かで長く観える者は、人の下につかない。下僕(げぼく、≒家来、部下)を相応に使う。

・手が太く、短く観える者は下賤である。人に使われる。手先が大きい者も同様である。また、手先がしなやかで和(やわ)らかく観える者は、自ずと人を使う。

・左手を上手く使える者は、人を使わない。心が忙(せわ)しく下相である。

・手は一身の左右の甲(かしら)であり、龍虎の臣下の如く、縦横無尽に動く事が出来る。ゆ

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相法早引56(肩を論ず)

相法早引56(肩を論ず)

・肩が厚く豊かな者は運気が強く、相応の福分がある。逆に肩が薄い者は運が悪く、辛労が多い。また、肩の肉付きが薄く、骨が露わになったような者は、気を使い身を楽にして暮らす(≒精神労働で暮らす)。

・肩の肉付きが厚く、骨が底にあるように観える者は、身を使い気を楽にして暮らす(≒肉体労働で暮らす)。

・肩が大いに怒っている者は下相。

・肩がすぼまっている者は子に縁が薄い。生涯、辛労が多い。

・肩は

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相法早引33(惣領/家の跡継ぎに女子がいる相を論ず)

相法早引33(惣領/家の跡継ぎに女子がいる相を論ず)

男で柔和に観える者は、必ず惣領に女子を授かる。また、この相は、涙もろく、根気が薄い相でもある。

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相法早引32(子孫に縁がない相の類を論ず)

相法早引32(子孫に縁がない相の類を論ず)

・頤(おとがい、あご)が細く、尖っている者。

・口が尖っている者。

・耳が柔らかい者。

・ひどい出目の者。

・喉の骨(=喉仏)が高く、尖っている者。

・鼻が異常に大きく、高く、肉付きが良過ぎる者。

・鼻が高く、肉付きが悪く、骨の形が露わになっている者。

・鼻が小さい者。

・眉が濃く、粗い者。

・鼻の下が、少女のように締りがない者。
*前項で記したように、人中の溝がないような男も、

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相法早引31(子孫の有無を論ず)

相法早引31(子孫の有無を論ず)

・鼻が赤い者。

・眉が目よりも短い者。

・小鼻がないように観える者。

・無意識に手を差し出した時、小指が開く者。

以上の内、一相でもある者は、必ず子供に縁がない。あったとしても、頼りにならない。逆に、以上の相が一相もない者は、必ず子供に縁がある。もし、実子がないとしても養子を得て、子孫は長久となる。

*人中(にんちゅう、鼻の下の溝)がクッキリと出ていない女性は子供に縁が薄い、と観る。女性

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相法早引30(妻縁・夫婦関係の吉凶の相を論ず)

相法早引30(妻縁・夫婦関係の吉凶の相を論ず)



↑妻妾

↑印堂、奸門、妻妾

↑魚尾

・魚尾、妻妾、奸門の辺りにほくろか傷がある者。

・同様に、魚尾、妻妾、奸門の辺りの皮膚が荒れたようで、健全でない者。

・魚尾が落入っている者。

・同様に、魚尾が落入り、黒ずんでいる者。

・中指と無名指(むみょうし、=薬指)の間に隙間があるか、開いている者。

以上の内、一相でもある者は生涯、妻に満足出来ない。貴人であったとしても、必ず縁が変わる

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相法早引29(養子の相を論ず)

相法早引29(養子の相を論ず)



↑養子へ行く相

・図の如く、両眉の間から鼻の中程までの内に、疱瘡(ほうそう、≒天然痘)の痕のような傷がある者は、必ず養子へ行く相である。痕の数が多い場合は判断しない。一つから4つまでは、判断する。

・印堂の上が少し低い者は、養子に行った先では己の一存を通そうとする。

・養子の相があったとしても、短気の相や目上に背く相がある者は、養子に行くと万事が悪化し、家産(≒財産)を損なう。

・養子

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相法早引23(目上に背く相を論ず)

相法早引23(目上に背く相を論ず)

・何かと眉が動く者。

・額に傷がある者。

・眉が異常に濃く、粗(あら)い者。

・額に凸凹など、角がある者。

・ひどい出目の者。

・鼻が仰向いている者。

・前歯(=中心の門歯)の左右にある歯(両端門歯、犬歯)が尖っている者。
*前歯の中心は己の表象で、その歯を守るように隣り合う歯を部下、目下と観る。また、前歯の中心を両親の表象とする観方もある。

・鼻が横に曲がっている者。

以上の内、

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相法早引22(不敵/乱暴者の相を論ず)

相法早引22(不敵/乱暴者の相を論ず)

・頭が後ろへ長く、顴骨が高くなくて鋭く、眼中に深みがあり、その奥に鋭さがある。鼻は相応に高い。以上のような場合は、必ず不敵の相である。大体において、不敵な者の眼は、一見すると和気があるようだが、よく観ると鋭さがあり、悪死の相のように観える。不敵な者には、円面(えんめん、=丸顔)、露眼(ろがん、=出目)、低鼻(ていび、=低い鼻)はない。ゆえに、円面、露眼で不敵に観えても、不敵ではない。みな短気で、思

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相法早引21(家が広い相、狭い相を論ず)

相法早引21(家が広い相、狭い相を論ず)



↑地閣

・顔全体に比して地閣が狭い者は、必ず住んでいる家は狭い。この者が広い家に住んだ場合、必ず運が衰える。あるいは、生涯、家庭が落ち着かない。

・顔全体に比して地閣が広い者は、必ず住んでいる家が広い。だが、頬が垂れ、頤(おとがい、あご)の肉付きに締まりがないゆえに地閣が広いように観える者については、判断してはならない。

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