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相法早引現代語訳

83
江戸時代に活躍した観相家水野南北が、初学者のため『南北相法』のスタンダードな内容を再編集した書を現代語訳しました。この本は南北翁の師である水野海常の追善供養のため、人相術を学びた…
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記事一覧

相法早引83(述書出板目録)

相法早引83(述書出板目録)

『南北相法前篇』 五冊
“骨格理論”

『南北相法後篇』 五冊
“この書は初めに血色の明断(=観分け方と判断法)を説き、次にその理論を説き、八色一口の伝を著し、その働きを述べ、一項目ごとに論説を付している。また我が一門の秘伝、奥説である流年、方角、十干十二支、月割日割、家宅の伝、発病、他身五臓、万法方角、正五九月、二八月などの伝を具体的に明らかにしている。誠に相法の珍宝である。”

『南北相法続篇

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相法早引82(相法早引付録)

相法早引82(相法早引付録)

《陰陽四象の気色》
・大陰(=太陰)の気色がある者は、その当時は物を施す事を失う。貪る事のみを欲する。また、正直な者の徳を覆い、暗ませる(≒心を乱す)事を好む。つまり、その気は満月合夜(まんげつごうや)に位置する。
*満月合夜…「合」は再読(返読)文字の「まさに…べし」で、「合夜」は真夜中のことで、最も暗く、寒くなる時間帯にあたる。また、大陰は陰が最大となる状況、つまりは陰極で、文中の満月も合夜も

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相法早引81(離血色の部)

相法早引81(離血色の部)



《貴人から招かれる相を論ず》                    ・天陽から印堂に黄潤(こうじゅん)が下る時は、必ず近日中に貴人から招待される(≒上役から重用される、昇進がある)、と判断する。

《加増(≒増収)がある相を論ず》
・天陽から官録に黄潤が下り、その黄色(こうしょく)が口を取り巻く時は、必ず近日中に加増がある。

《主君(≒上司)に諫言(かんげん、≒欠点などを指摘)する相を論ず》

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相法早引80(血色判断の部)

相法早引80(血色判断の部)



「日月、主骨の官は目上の事を司る」

・良い色が現れれば、目上に善事があるか、自分の頼りになる目上がいる。
・悪い色が現れれば、目上に悪事があるか、目上から自分に悪事が来る。よく考えなさい。

「顴骨の官は世間、他人を司る」

・良い色が現れれば、世間からの評判は良い。自ずと人気が集まる。
・悪い色が現れれば、世間が塞がり(=世間で障害が起り)、自ずと世間からの評判も悪い。

「兄弟の官は親族

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相法早引79(七穴が司る意味を論ず)

相法早引79(七穴が司る意味を論ず)



・官録(=官禄、かんろく)の宮(きゅう)は、その当時の吉凶を司る。

・神光(しんこう)の宮は、神仏を祈っているか否かを司る。

・駅馬(えきば)の宮は家の普請(=増改築)、宅変え(=引っ越し)を司る。

・印堂(いんどう)の宮は、諸々の望み事を司る。

・魚尾(ぎょび)、家続(かぞく、=田宅)の宮は、その当時の心気の吉凶を司る。

・右身左身(うしんさしん)の宮は盗難、失せ物(=失くした物)

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相法早引78(二十一穴における八色を論ず)

相法早引78(二十一穴における八色を論ず)



《天中、天陽、高広に現れる八色を論ず》

・天中、天陽、高広の官は、思いもよらぬ(≒予想外の)吉凶を司る。

・青白紫の三色が現れると、思いもよらぬ愁い、あるいは驚きがある。

・黒色が現れると、思いもよらぬ損失、あるいは失敗がある。

・赤色が現れると、思いもよらぬ災い、難事がある。

・黄紅美の三色が現れると、思いもよらぬ悦びがある。

《主骨に現れる八色を論ず》

・主骨の官は主人、目上

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相法早引77(八色が司る意味を論ず)

相法早引77(八色が司る意味を論ず)

・青色(せいしょく)、白色(はくしょく)、紫色(ししょく)の三色は、何れも愁い、驚き、辛労を司る。

・黒色(こくしょく)は離別、損失、失敗を司る。

・赤色(せきしょく)は災難を司る。

・黄色(おうしょく)、紅色(こうしょく)、美色(びしょく)の三色は、何れも悦(よろこ)び、善事を司る。

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相法早引76(二十一穴が司る意味を論ず)

相法早引76(二十一穴が司る意味を論ず)



・天中(てんちゅう)・天陽(てんよう)・高広(こうこう)の官は、思いもよらぬ吉凶を司る。

・主骨(しゅこつ)の官は主人、目上を司る。

・日月(じつげつ)の官は父母、目上を司る。

・山林(さんりん)の官は、先祖から受け継いだ家督(≒財産)の盛衰を司る。

・辺地(へんち)の官は、旅行(たびゆき)や遠方との掛引(かけひ)きを司る。

・福堂(ふくどう)の官は、金銭の事を司る。

・諸友(しょ

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相法早引75(寝入る相/寝ている時の相を論ず)

相法早引75(寝入る相/寝ている時の相を論ず)

・寝ている時、笑っているように観える者は心に毒がなく、必ず人から取り立てられる(≒抜擢される)。

・寝ている時、愁い顔(=愁訴しているような顔)に観える者は必ず天(≒神仏、上司、目上)に不満がある。生涯、辛労が絶えない。

・寝ている時、その姿が淋しそうに観える者は心気が弱い。また、短命である。その寝姿に陽気が現れてくるに随って、自ずと命が延び、運が自然と順(めぐ)るようになる。

・寝ている時

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相法早引74(歩行を論ず)

相法早引74(歩行を論ず)

・歩く時、体がぶれず、豊かに観える者は、気が丹田にある人である。自ずと人を使う。

・忙(せわ)しく歩く者は肝気が強く、子に縁がない。

・歩く時、何事もないのに、度々後ろを振り向く者は、必ず近い内に欠け落ち(≒逃亡)する。

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相法早引73(座相を論ず)

相法早引73(座相を論ず)

・正座をした時、畳から生えているかのように座る者は、必ず人の頭となる。自ずと人を使う。

・正座をした時、尻が治まらないような者は、心が安定していない。家業も安定していない(=はっきりしていない)。あるいは、下賤である。

・正座をした時、膝をすぼめて座る者は心が小さく、驚きやすい。

・正座をした時、膝を広げて座る者は心が丈夫で、不敵(ふてき、=肝が太い、乱暴)である。

・座相は軍中の一陣に属

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相法早引72(息を論ず)

相法早引72(息を論ず)

・息が豊かで安定している者は気が豊かで、腎(≒精力)が強く、長寿である。

・腎が衰える時は、息も自ずと衰える。

・息が鼻から出入りする者は長寿である。

・息が口から出入りする者は短命である。

・ため息がある者は肝気が強い。

・いびきがある者は長命、いびきがない者は短命である。

・口を閉じて息をする者は長命である。

・息は心の勢気である。つまり、息は丹田から出て、腎に応じる。ゆえに、腎

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相法早引71(言語を論ず)

相法早引71(言語を論ず)

・言葉が貴い者は自ずと貴い(≒地位が高い)。もし、下賤な者ならば、最後には人の上に立つ事がある。

・言葉が賤しい者は自ずと賤しい。言葉が早い者は心が早い。言葉が豊かな者は気(≒心)が豊かで丈夫である。

・言葉が腹の底から出るような者は心に毒がない。言葉が口先から出るような者は知恵が鼻頭にある(知恵が浅い)。

・女のような言葉を使う男は心に器量がなく、発展しない。

・言葉は心身の貴賤を判断す

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相法早引70(青筋を論ず)

相法早引70(青筋を論ず)

・面(=顔)、手足に青筋が多く現れている者は気を使い、身を楽に暮らす(≒精神労働で暮らす)。また、子孫に縁が薄い。

・青筋が肉に包まれており、現れていない者は、心が丈夫で相応の福分がある。また、子に縁が薄い。

・足の裏に虫がうねるような青筋が現れる者は、必ず長寿である。また、この筋がある者には必ず寿相がある。青筋は血気の通り道であり、肝気が司る場所である。

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