マガジンのカバー画像

セントビンセント日記

441
カリブ海はセントビンセントでの日々のブログ。青年海外協力隊(JICA海外協力隊)2019‐2021 として駆け抜けた2年間で見聞きして考えたことをつらつらと。南国の風を添えて。 … もっと読む
運営しているクリエイター

2019年9月の記事一覧

4年前、テンペを肴に語っていたことが実現して嬉しかった話

4年前、テンペを肴に語っていたことが実現して嬉しかった話

4年前、無責任に自由を気取っていたぼくは神戸の人だった。

昼も夜も飛び回り、しゃれた仲間とはしゃいでいたわけだけど、その中にインドネシア人が2人いた。

1人は先日ジャカルタで盛大な結婚式を挙げたエドウィン。もう1人は本日の主役アグーン。彼らは神戸大学医学部に短期留学に来ていた。

エドウィンはお金持ちの家の子だったけれど、アグーンは新興中流家庭で商人の子というバックグランドで、アグーンは初海外

もっとみる
台湾人になんや変な儀式をやっていると思われている

台湾人になんや変な儀式をやっていると思われている

また台湾からチームが2週間の短期で来てるからいっしょにベクエ島行かない?と誘われた。

詳しくは聞かなかったけれど、たぶん糖尿病関連のプログラムで現地の看護師・医師等向けの研修プログラムか調査できたんだろうと思う。

ファンは糖尿病対策プログラムのマネージャーだからなのか、台湾人のホスピタリティなのかどうかわからないけれど、彼らが滞在中退屈しないように快適に滞在してもらえるようにいろんなところに連

もっとみる
明確な悪意を持ってこられると防ぎようがない

明確な悪意を持ってこられると防ぎようがない

今週の新聞の一面にレイプのニュースが載っていた。こんなことを言うのはあれだけれど、この国でレイプはそう珍しい事件ではない。悲しいかな、毎週のように新聞に載ってる。

それで、わざわざnoteに取り上げるとはどんな事件だったかというと、イギリス国籍も持つ海外の援助関係者が自宅で顔を隠した犯人に頭に銃を突きつけられてレイプされた、というもの。

これすごいのは、前日夜にセコム的なセキュリティのワイヤー

もっとみる

いつかギャングと銃犯罪がなくなる日を夢見て

「パン、パン、パーン!」

夜8時過ぎ、いやなタイプの銃声がした。

よく聞こえてくる単発なら試し打ちだろうなぁと流せる。今回はたぶん誰か撃たれたんだろう。こういうの、ニュースにもならない。

ちょうど2週間ほど前、ぼくがよく乗り降りするバスターミナルから徒歩1分のところで拳銃殺人事件があったばかり。夜8時過ぎのことだった。

被害者は22歳のギャングの青年。前年、首を撃たれて生還していたこともあ

もっとみる
盲目の友人もWhatsAppを難なく使う

盲目の友人もWhatsAppを難なく使う

たまに、目が見えない人とどうやってコミュニケーション取ってるのと尋ねられる。点字はできるのかも含めて。

なんのことはない。普通にコミュニケーションを取っている。ジェスチャーが通用しない分、ほらこんな風にって誤魔化せないのが難点だけれど、普通に健常者と同様に扱っている。ちなみに点字はぼくは一切できない。

いま取り組んでいるペーパーボックスは塗装もする予定で、その塗装も彼らにやってもらう予定で何色

もっとみる
ルールが価値観を決める要因になるのかなと思った話

ルールが価値観を決める要因になるのかなと思った話

台湾の大使館の人たちと立ち話をしていたとき、Kが電子タバコを喫っているのを見て、「電子タバコは健康に良くないから、普通のタバコにした方が良いんじゃないか」とその大使館の人は言った。

ぼくたちの認識とはずいぶんと違うんだなぁと思った。

ぼくはタバコの類いは一切やらないから詳しくは知らないけれど、日本だと、タバコからIQOSに変える人がずいぶんいた。IQOSも健康にはよろしくないと思うのだけど、タ

もっとみる
文章表現で意識していることを聞かれても…

文章表現で意識していることを聞かれても…

ごく稀に文章を褒められる。すごく嬉しい。ずっと上手くなりたいと思っていたから。

ちょっと前までは、「君はあんな繊細な文章が書けるのか」と驚かれることが多かった。あまり話さないのに口を開けばふざけたことばかり言ってるからだろう。まったく、困ったものだと言いたいけれど、ぼくはギャップが欲しかったから嬉しかった。

最近は真っすぐ褒められることが多くて逆に困っている。

「エッセイストみたい」「わかり

もっとみる
選挙の結果によっては一斉帰国も十分ありえるからね

選挙の結果によっては一斉帰国も十分ありえるからね

台湾の現政権の苦難が続いている。

先日、ソロモンが台湾と断交して中国と国交を結んだのに続いてキリバスも断交。

中国とは距離をおき、台湾独立も視野にいれている民進党政権で蔡総統になってから7ヵ国目。来年の1月の総統選挙で再選を目指す蔡英文総統にとってはマイナスだ。10月1日は中国の建国70周年だからまだ断交する国が現れるかもしれない。

去年まで2年ほど、ぼくは東京の会社で台湾を担当していて、中

もっとみる
Farewell partyはロブスターとともに。祝シーズン開幕!

Farewell partyはロブスターとともに。祝シーズン開幕!

辺境の地で苦楽をともにしてきた台湾人ボランティア、リーが来週帰国する。

5月に帰国したジョアンは「私には、1年でも長すぎた…」とぐったりしていたけれど、リーも同様に、やっと解放される、故郷に帰れると冗談めかして言っていた。

彼女らの上司によると、ここで活動をする上での共通の課題はこちらがもっと教えたいと思っていても相手側にその気がなく、そうこうしている内に消耗し、任期の1年が過ぎることにあるの

もっとみる
ペーパーボックスの量産化計画が始動しました

ペーパーボックスの量産化計画が始動しました

これまで古雑誌を使ってバスケットを作ったり、花瓶のようなものを作ったりしながら、どういったものが需要があるかを探ってきましたが、簡単に作れるものは簡単にマネされるし、見た目が派手なものが好きなこの国の人たちにはシンプルなものはウケが悪く市場調査は難航していました。

視覚障害者の人たちは目からの情報が入ってこない分、市場の機微にはどうしたって遅れをとります。そのような状況では、ペーパーバスケットの

もっとみる
障害者市場は世界で3番目に大きなマーケットをどう捉えるか

障害者市場は世界で3番目に大きなマーケットをどう捉えるか

昨日の障害者には仕事がない、雇ってくれないという話について、そういえば最近それに関する記事を読んだ。

現在、世界人口の5人に1人はなんならかの障害を持っていて、ある調査によると彼ら障害を持つ人の年間の可処分所得は約800兆円にもなるのだそうだ。この市場規模は日本より大きく、アメリカ、中国に次いで世界で3番目に大きいマーケットだということを意味している。

そのマーケットに目を付けたトミーヒルフィ

もっとみる
激闘!4時間に及ぶ政府主催の障害者へのヒアリング調査

激闘!4時間に及ぶ政府主催の障害者へのヒアリング調査

「なんかミーティングがあるんだけど、行く?」と誘われるままに行ってみると、障害者コミュニティを集めての政府主催のヒアリング会だった。

朝9時スタートと言いつつ、実際に始まったのは10時前。

ぼくは思うんだけれど、時間通りに始まるか否かっていうのは時間通りに運行する公共交通機関があるかどうかが重要な要因になっているんじゃないかと思う。

セントビンセントにはそういうものはないし、道は狭いのに車社

もっとみる

日本人になったセントビンセント人

ひょんなことから最近、帰化して日本国籍を取得したセントビンセント人がいるということを知った。

彼の名はNyika Williams。現在、秋田ノーザン・ハピネッツに所属するプロバスケットボール選手。

セントビンセントの首都キングスタウン生まれで17歳の時に兄のいるNYへ行き、カリフォルニアの大学を卒業後の2011年に来日、日本でプロバスケットボール選手としてのキャリアをスタートさせている。

もっとみる
ワークショップ大改装計画はほんとに始まるのか

ワークショップ大改装計画はほんとに始まるのか

ちょっとした話し合いの場で、みんなの前で思い切って「できれば、このワークショップに見学者を招きたい、ひいてはそこから入場料代わりに寄付を募りたい」と話した。

JICA関係者含め、ぼくは友人たちを時折、職場に招いているんだけど、招いたらみんながみんな視覚障害者の人たちの作業風景を写真に撮っていたからだ。

モノにストーリーが宿るというか、モップや椅子の成果物のみ見せられても、「よくあるもの」としか

もっとみる