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障害者市場は世界で3番目に大きなマーケットをどう捉えるか

昨日の障害者には仕事がない、雇ってくれないという話について、そういえば最近それに関する記事を読んだ。

現在、世界人口の5人に1人はなんならかの障害を持っていて、ある調査によると彼ら障害を持つ人の年間の可処分所得は約800兆円にもなるのだそうだ。この市場規模は日本より大きく、アメリカ、中国に次いで世界で3番目に大きいマーケットだということを意味している。

そのマーケットに目を付けたトミーヒルフィガー(創業者のトミーヒルフィガーはセントビンセントの離島に別荘を持っている)は、2年前に様々な障害をもつ約2,000人の協力を得て、障害を持つ人を含む誰もが着易い服を開発、「Tommy Adaptive 」としてローンチしている。

それは単なるPR施策ではなく、障害を持つ彼らを、ニーズが満たされていない大きなカスタマーセグメントとして捉え、収益を生むビジネスとして真摯にその事業に取り組んでいる。これは、その商品だけでなく、選ぶ段階から箱を開けて商品を取り出す体験にいたる細部まで丁寧にデザインされていて、カスタマーサービスに電話すれば、障害を理解した専門のオペレーターが対応してくれるという徹底ぶりからもみてとれる。さながらアパレルのAppleのようだ。

残念ながら、2年経った今でもトミーヒルフィガーに追随する他のブランドは現れていないようだ。

ある研究によると、アメリカ人の8割以上の人たちがソーシャルグッドな企業から商品を買いたがっているそうだ。(これは正直、調査手法が知りたい。ただの石鹸Aと障害を持つ人の生活を支える財源になる石鹸Bどっちを買いますかという質問なら普通の人はBと答えるだろうし、Aの方が安くてBはAの倍以上の値段する場合とか、どこまでソーシャルグッドを支持してくれるのかとか、これは実際の購買活動の結果の調査なのかただのアンケートなのかとか[当然ながら人間は言ってることを実際の行動は異なる])

そして、企業が多様性(障害など)を受け入れると、生産性が13%、収入が20%上がり、転職者による離職率が50%減るのだそうだ。

こういう情報をどこまで真に受けるかは、産業や業態、企業のフェーズによっても異なるだろうけれど、1つ確実言えることは、みんなが思っているほど、悪いようにはならないということだろう。

たしかに、片腕でのタイピングは両手が使える健常者と比べて不利に見えるかもしれない。目が見えなければ、何もできないように思えるかもしれない。

障害による不得意なことはたしかにある。けれど、多くの場合、彼らはそれをぼくたち健常者には想像もつかない方法でカバーしていたりする。(自分の声の響き具合で窓が開いてるか否かを判断してる盲目の人もいる。)

何が言いたいかというと、彼らの得意なところに目を向けて欲しいということだ。

健常者だって向き不向きはある。足が速い人、話すの好きな人苦手な人がいるように、適材適所、その人の収まる場所というのはある。

いわゆるソーシャル・インクルージョン(社会包摂)は、まず互いに理解することから始まるのだろうと思う。現状は、おそらく健常者と障害者コミュニティ間のコミュニケーション量が足りないのだと思う。

コミュニケーション量が足りないということは、健常者との接点が少ないということで、もっと公や表舞台に出ていかないといけないのだろうと思う。

押しつけがましくなく、自然な感じで。

そういうPRを通したコミュニケーションは、ぼくも求められているところで日々どうしたものかと考えていたりする。

記事の最後には、企業がインクルーシブを掲げるのはお金のためだと聞いてがっかりするかもしれない。けれど、お金とは正しいことをするための大きなインセンティブになると結んでいる。

ぼくは、ぼくにできることをここセントビンセントでやろうと思う。


DAY240 

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