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外国語教育_in class

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記事一覧

今年度授業で歌った洋楽たち

今年度授業で歌った洋楽たち

暇つぶし記事です。

2023年度に大学1,2年生の英語の授業で歌った洋楽をまとめてみます。
それぞれの曲について、まずディクテーションして、歌詞の要所を意味理解した上で、歌唱練習を15分×4~5回ぐらいかけてやりました。
大体、アーティスト本人の歌声付きの音源で、歌詞を見ながらなら歌えるという感じになります。また、歌えるようになった曲は聞き取れすぎちゃって、作業用BGMとしての機能を果たせなくな

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2022年度を振り返る(授業)

2022年度を振り返る(授業)

2022年度は前後期通して1,2年生の4技能科目のうちのReading/Listeningと、2,3年生の英語科教育法1~4を担当し、後期には3年生の資格英語(いわゆるTOEIC対策)を担当した。
英語科教育法についてはほぼ全ての回の振り返りを書いてnoteに掲載してきたし、恐らく長くなりすぎるのでここでは一旦置いておく。
英語科教育法の振り返り記事は以下にまとめてある。

4技能科目(Readi

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中部地区英語教育学会で発表しました

中部地区英語教育学会で発表しました

2022年6月25-26日、第51回中部地区英語教育学会(福井大会: オンライン開催)に参加し、一件の自由研究発表を行った。

タイトルは「私の授業は自律的な学習者の育成を促したのか」

2022年3月末まで勤務した静岡県の中高一貫校で、当時の中学3年生に対してアンケート・インタビューを通して行った実践研究。

「複線径路・等至点モデリング」という手法を用いて、生徒の人生における英語学習に対する認

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推論発問であり評価発問でもある

推論発問であり評価発問でもある

大学1年生のReadingの授業。

普段は「英語科教育法」以外の授業の振り返りはFacebookに書いたり書かなかったりしているのだが、今日の授業については自分にとっても大きな気づきのあるものだったので、noteの方にも残しておこうと思った次第。

今日のトピックはGW前から引き続き「ファッション・トレンド」。GW前のListeningの授業ではSNSなどの隆盛に伴って盛んになってきたボトムアッ

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英語学習はゲームなのだろうか?

英語学習はゲームなのだろうか?

平尾昌宏(2022)『人生はゲームなのだろうか?—<答えのなさそうな問題>に答える哲学』を読んだ。

この本をごく簡単に紹介した上で,「英語学習はゲームなのだろうか?」という問いに答えを出したい。

ゲームとは何か?ここでの「ゲーム」にはいわゆるスマホやゲーム機で遊ぶコンピュータゲームだけでなく,スポーツの試合やテーブルゲームも含む。

「目指すべき終わり」というのは,相手に勝利するとか,高いスコ

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【授業で洋楽】 Photograph / Ed Sheeran

【授業で洋楽】 Photograph / Ed Sheeran

オミクロン株の感染急拡大に伴って,勤務校は少し前からオンライン授業に切り替わった。
私の英語の授業の一番の「売り」は,長い英文を見ても目を背けなくなる(と信じたい)読解の授業だと思っている。

それがオンラインでは,まぁ正直厳しい。オンライン授業で一人で家で黙って教科書3~4ページ分の英文に立ち向かえるのであれば,もうその生徒には私の授業は必要ないとも言える。

というわけで,思い切って授業を根本

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スライドを用いたリーディングタスク

スライドを用いたリーディングタスク

それなりの長さのある英文を読む際,頭から文法訳読ではかなり辛い。
私が定期的に用いているのがkeynoteを用いたリーディングタスクだ。(もちろん,power pointでも構わない)

以前の記事で紹介したものと同じ系統の,よりクリエイティビティの求められる活動と言える。

以前の記事の授業が「知識・技能」を問う課題だとしたら,今回のものはそれに加えて「思考・判断・表現」にもタップしていると言え

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教科書を「資料」として使うリーディング 【入門】

少し前に,第1回大学入学共通テストが行われました。
自分も早速解いてみましたが,「難易度」とかいう問題ではなくて,英文を読む目的が変わった(というか,最低限設定された)という点が最も大事かなと思いました。月並みな感想ですね。

中学2年生,共通テスト風リーディングやってみたオランダの自転車シェアシステムに関する教科書3ページ分の(中学2年生にとっては)結構長い英文。
当然,「頭から意味取っていくよ

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『コミュニケーション・タスクのアイデアとマテリアル』使ってみた

『コミュニケーション・タスクのアイデアとマテリアル』使ってみた

私は本を読んで文章書くことは割といつでもできるのだが,授業のことは次の授業のことを考えるのに精一杯で一つの授業を記事にするのが遅くなりがちだ。
御多分に洩れず結構前のことにはなるが,こちらの本の助けを借りて授業をしてみた時のことを記しておく。

中学3年生,習熟度別に分けられた上と真ん中のクラス,1クラスあたり30名程度の教室だ。

私は,自分自身の英語学習経験から,教室におけるスピーキングを伴う

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関係代名詞のパターンプラクティス

関係代名詞のパターンプラクティス

中3の後半,いよいよ英文法も大詰めの関係代名詞まで来た。
関係代名詞は人・ものの一般的な性質を表す形容詞や,(主に)目の前の人・ものを修飾できる分詞では表しきれなかった,より複雑な情報や目の前で行われていないことも表すことができる極めて便利な文法だ。

関係代名詞の難しさは,関係代名詞というアイテムそのものというよりも,関係代名詞の後に続く文の制限がないことだ。
もちろん関係代名詞の格(主格/目的

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国際英語論の授業(高校1年生)その2

国際英語論の授業(高校1年生)その2

本記事は下の記事の続きになります。

高校1年生が様々な英語変種の会話例を聞いた後に,「日本英語」があるとしたらどのような会話例になるかを考え,録画・録音した授業。その完成品をクラス全体で共有した上で,それぞれのグループや個々の学習者がどのようなことを意識したのかを少し掘ってみた。

高校生の考える,日本英語の発話まずやはり注目が集まりがちだったのが「発音」である。
「カタカナ英語」というキーワー

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国際英語論の授業(高校1年生)

国際英語論の授業(高校1年生)

先日ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏のプリンストン大学での会見を観て,「これはちょっといい教材になるかも」ということで高校1年生相手に「国際英語論」を扱ってみることに。

流れとしては,(1)「アメリカ英語」「イギリス英語」以外の英語変種の存在とその特徴を(ざっくりとでも)掴んだ上で,(2)それぞれの変種を英語として認める態度を持ち,(3)「日本英語」というものがあるとしたらどんなものかを考え

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中部地区英語教育学会で発表しました。

中部地区英語教育学会で発表しました。

6月26-27の週末,中部地区英語教育学会に参加しました。
学部4年の時,信州大学で発表した時から(中止になった昨年以外)毎年参加・発表してきた大変お世話になっている場所です。

今回を含めて4回の参加で発表してきたのは,
「高等学校英語授業における生徒の英語使用の特徴 ―ディベート特有の対話構造の視点から―」
「英語教育におけるメタファー使用の役割」
「英語教員養成課程の学生による対話的な英文法

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『学校英語教育のコミュニケーション論』に救われた話

『学校英語教育のコミュニケーション論』に救われた話

去年の夏に買ってこの春休みにようやく『学校英語教育のコミュニケーション論』(榎本, 2019)を読んだが,本当に読んでおいて良かった,軽く命を救われたレベルの話。

本の内容をざっくり自分程度にざっくり話せる内容の本ではないけど,学校で行われる英語の授業の中で本当に起きている「コミュニケーション」とはどのようなものなのかを,著者である榎本先生が実際の高校の教室に入り込んでつぶさに観察したもので,英

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