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蛸文(たこふみ)の読書記録

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僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。
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#数学

【確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで】がっつり数学書

【確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで】がっつり数学書

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜「確率」とは何なのか?〜本書はタイトルの通り、「確率」に関する本である。
「確率」は、生活の中で溢れかえっている。
天気予報、ギャンブル、投資、生命保険などなど、確率に触れずに生活することはもはやあり得ない世の中になっている。

しかし、これだけ身の回りに多くある確率について、果たして正しく理解しているのだろうか?
そもそも「確率」とは何なのか?

本書は「確

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【四色問題】難問をめぐる数学ドラマ

【四色問題】難問をめぐる数学ドラマ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜四色問題とは?〜本書は、「四色問題」が解かれるまでの、数学者たちの苦悩の歴史を通じた数学ドラマが描かれている。

まず、「四色問題」とは何か?
最大でも四色あればどんな地図でも隣り合う国々が違う色になるように塗り分けられるのか?という問題である。

一見簡単そうなこの問題に、多くの数学者が挑戦し、問題が解かれるまで124年の歳月を費やすこととなった。
数学の

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【複素数とはなにか】仮想の数、究極の数

【複素数とはなにか】仮想の数、究極の数

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜仮想の数〜高校時代に数学をやっている上で、1番の衝撃だったのが虚数という存在である。
出会うまでは、負の数の平方根は存在しない、と習っていたのに、突如として負の平方根を表す数字が現れたのだ。

虚数とは$${i}$$で表され、二乗すると$${-1}$$となる数である。
$${i^2 = -1}$$
そして、複素数とは実数の部分(実部)と虚数の部分(虚部)の足

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【なるほど高校数学 数列の物語】数列、なめてたぜ

【なるほど高校数学 数列の物語】数列、なめてたぜ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

「なるほど高校数学 ベクトルの物語」に引き続き、最近気になって読み始めている「なるほど高校数学」シリーズ。本書のテーマは数列である。

数列と言えば、学生の時の試験においては「初項a、公差rの等比数列を求めよ」とか、「等比数列の1からnの和を求めよ」とか、そんな問題が出てたような気がする。
数学全体としても地味な位置にあり、ほとんどの人がそんなものがあったこと

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【中学の知識でオイラーの公式がわかる】うーむ、これではわからないと思う…。

【中学の知識でオイラーの公式がわかる】うーむ、これではわからないと思う…。

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆

〜劣化版「オイラーの贈物」〜タイトルを見て「マジで!?」と思った。
以前、「書評が書けなかった本たち」という記事で「オイラーの贈物」という本を読んで、「キチンと全部理解できなかった」という感想を書いたのだが、まさか、それよりももっと簡単にオイラー公式を解説するという本に出会えるとは思わなかった。しかも、「オイラーの贈物」よりもかなり薄いのである。

まぁ、薄い本で

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【なるほど高校数学 ベクトルの物語】ベクトルにはベクトルの考え方

【なるほど高校数学 ベクトルの物語】ベクトルにはベクトルの考え方

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

数学を学び直している僕だが、三角関数に次いで苦手だったのがベクトルだった。
数学の中でも方程式や微分積分は好きだったのだけど、ベクトルは本当に苦労した覚えがある。

本書を読んでいて気付いたのだが、僕がベクトルに苦労していたのは「位置ベクトル」というものを感覚的に理解できていなかったのが原因である。
位置ベクトルとは、平面または空間のある点をOと定め、任意の点を

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【読む数学】読むことに特化した数学本

【読む数学】読むことに特化した数学本

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

本書によると「数学は『意味の理解』と『技術の取得』」。そして、本書は主に前者に重きを置いている。

数の概念や微分積分、幾何学などを数式だけで淡々と解説するのではなく、数学の理論を言葉で説明することに注力している。

範囲としては大学初年までの数学が含まれるのだが、非常に丁寧に説明してくれるので、理解は出来なくても最後まで読み通すのは難しくないだろう。

学生

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【マンガでわかる微分積分】微積って結局何やってるの?がわかる

【マンガでわかる微分積分】微積って結局何やってるの?がわかる

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜良質な微積の入門書〜個人的に「マンガでわかる〜」というような本はあまり読む気にならない。
同じ紙の量ならマンガにした分、情報量が少なくなっていそうだからだ。

しかし、本書はいろんな数学の本で紹介されているのを目にして、かなり評判が良い一冊であったため騙されたと思って読み始めたのだが、意外や意外、いい意味で騙された。
微分積分の入門書として非常に良い1冊であ

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【数式図鑑】想定している読者層がよくわからない

【数式図鑑】想定している読者層がよくわからない

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆

〜対象は誰なのだろう?〜本書はタイトルの示す通り、いろんな数式をそれぞれ2〜6ページで解説していく本である。

自然数の和から始まり、終盤にはオイラー展開、ゼータ関数、ABC予想、リーマン予想などなど、数学が好きな人にとっては興味のわく話がたくさん盛り込まれている。

が、正直、数学入門書としては難しいと思うし、数学をしっかり勉強しようとしてる人には物足りない内容

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【数学物語】子どもから大人まで楽しめる数学の話題が豊富な一冊

【数学物語】子どもから大人まで楽しめる数学の話題が豊富な一冊

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜小中学生に読ませたい数学本〜数学って面白い!と思わせてくれる本はいくつもあるが、本書も例に漏れず数学の面白さを伝えてくれる良書である。
本書の初版が発行されたのは戦前であり、その後何度か改版され続けているロングセラーの数学書である。

エジプトやバビロニアにおける数学の誕生から、アルキメデス、パスカル、ニュートン、オイラーなど数学が発展していく様子を簡易な文

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【数学ガールの秘密ノート[丸い三角関数]】初学者向けではないが、独特の視点が面白い数学学習本

【数学ガールの秘密ノート[丸い三角関数]】初学者向けではないが、独特の視点が面白い数学学習本

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜違う角度から三角関数を考える〜今現在、数学の学び直しをしているところであり、学生当時1番苦手だった「三角関数」を重点的にやっている。

数学の書籍を検索すると、必ずと言って良いほど出てくるこの「数学ガール」シリーズは、前々から気になっていた。
「数学ガール」シリーズは扱う内容が「フェルマーの最終定理」や「ゲーデルの不完全性定理」など、高校数学以上のものが対象

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【統計学が最強の学問である[数学編]】統計学と機械学習に特化した数学書

【統計学が最強の学問である[数学編]】統計学と機械学習に特化した数学書

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜「実践編」より先に「数学編」を読むのがオススメ〜「統計学が最強の学問である」シリーズは、第1作目から「実践編」「ビジネス編」と続き、この「数学編」が最終巻となる。

一通り読んだ感想としては、読む順番は第1作目の次にこの「数学編」を読んでおくと、「実践編」や「ビジネス編」が頭に入りやすいように思える。「実践編」では、いくらか数式が出てくるのだが、これを理解す

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【数学する人生】「情緒」とは何か

【数学する人生】「情緒」とは何か

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜岡潔のエッセンスを凝縮した選集〜「数学する身体」の著者である森田真生氏による、孤高の天才数学者岡潔さんの講演やエッセイをまとめた選集である。

森田さん自身が岡潔の文章に触れたことをきっかけに文系から数学研究に切り替えたことからもわかるように、岡潔さんの言葉に強く感銘を受けた人物による選集は、岡潔さんの歴史からその思想を知る上で余す所のない一冊となっている。

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【完全独習 統計学入門】今度こそ統計学学習のスタートを切る

【完全独習 統計学入門】今度こそ統計学学習のスタートを切る

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜他の入門書で挫折した人はこの本を〜数学の学び直しと並行して、統計学をやっている。
「統計学が最強の学問である」を読んでから、統計学に強く興味を持ったものの、いざ「統計学がわかる」などの入門書をいくつか読んでみたが、いまいち身になっている実感がなかった。

そんな時に、評判の良い統計学入門書としてネットのレビューなどで挙げられていた本書を手にとってみたのだが、

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