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パリ日記

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パリに行く夢が現実になったその日からのこと 今はただひたすらに パリに逢いたい
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#日常

新しい夢のはじまり

新しい夢のはじまり

ことばが頭の中に溢れてゆく。

掬い上げようとして画面に向かうと、さっきまで頭のなかでぐるぐるしていたはずなのに、パンッと弾けて消えてしまう。そんなとき少し、眉が下がる。

パリにいる間、ことばが追いつかなくて夢中でシャッターを切った。そのときの感情が記憶からこぼれ落ちてゆかぬよう、頭の中でことばにした。ことばを文字にしたくてもその時間がないことが、ひどくもどかしかった。

写真をもっと上手に撮れ

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東京とパリ

東京とパリ

東京でひとり暮らしをすることは、幼い頃から憧れていたことのうちの1つだった。

その気持ちは強く、大学入試のときの志望校模試で「日本でおすすめの場所は?」というお題の英作文が出た際には「東京です。東京は日本の首都であり、日本中から最新のものが集まります。人がたくさんいて、建物は背が高く、歩いているだけで驚かされます。とても魅力的で、楽しい街です。」と、幼稚園児のような回答をして、30点中28点を獲

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パリ生活を支えてくれた相棒たち 

パリ生活を支えてくれた相棒たち 

帰国後、すぐに書こうと思っていたらいつのまにか年の瀬になっていた。

人生初のヨーロッパ、人生初の海外留学(1ヶ月)、となったときに1番困ったのが「なにが必要か」でした。

最悪 現地調達できるもの、できないもの、現地調達できても買うのがもったいないもの、もったいなくても荷物の重量的に諦めた方がいいもの、海外ならではのないと困るもの、そのバランス。何もかもわからなくて、いろんなブログ記事と地球の歩

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あこがれが思い出に変わっても

あこがれが思い出に変わっても

日本に帰ってきて、朝ごはんが クロワッサン から 食パン に変わった。食パンは焼いて、お土産に買ってきたエシレバターとヌテラ(ヘーゼルナッツとチョコのスプレッド)を塗って食べている。

パリが私に与えた食いしんぼう魂は帰国後も消えてくれなくて、毎晩ひとりでバリバリ食べていた『LU』というメーカーの板チョコが載ったクッキーを、日本でもおやつによく食べている。帰ってきてから2週間で、もうなくなりかけ。

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ガラスの靴は履いたままで

ガラスの靴は履いたままで

大学生のうちにパリに行くのが夢だった。

夢が叶い、その日々が過ぎ去ってしまってからの1週間、私は夢の国を抜け出せずにいた。

9月24日(日)

列車の到着と同時にホームにたどり着いてなんとか乗り込んだ成田エクスプレスで、スーツケースを特大荷物置場に置いて、席を探した。

予約者とブッキングして二度ほど席を移動したけれど、切符の確認にまわってきた車掌さんに事情を説明して席を押さえてもらって、窓際

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夢の続きからみる景色

夢の続きからみる景色

パリに来てから 時間 を気にしなくなった。

日本にいるときは、夜遅くなれば親がうるさいから、どれだけ遅くなっても許してもらえるゼミの飲み会を除いて帰る時間が遅くならないかどうか、いつも怯えていた。

朝は乗る電車の時間に間に合うように起き、朝ごはんを食べ、化粧をし、家を出る。なんとしても乗りたい電車の時間に間に合うよう、間に合わなさそうなときは愛用のチャリをかっ飛ばし、歩くときは全力で走っていた

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